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2026年5月10日

「証拠は誰のもの」

再審法 第三者へ提供禁止案巡り
日弁連がシンポ

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(写真)発言する(左から)山崎、井戸、ジャーナリストの江川紹子らパネリストの各氏=8日夜、東京都千代田区内

 刑事裁判のやり直しを定めた再審法の法務省案は、証拠を再審請求審や再審公判以外に使用することを禁止する規定を盛り込んでいます。日本弁護士連合会(日弁連、松田純一会長)は8日夜、東京都内でシンポジウムを開き、「そもそも証拠は誰のものか」と問いかけました。

 法務省案には、再審を開くかどうかを審理する再審請求審で、検察が開示した証拠を再審請求審や公判以外の目的で、第三者に提供した弁護士を処罰するという規定を盛り込んでいます。

 高平奇恵弁護士(日弁連再審法改正実現本部事務局員)は講演で、証拠を支援者や報道機関などの「第三者」に提供し再審につながった事例を紹介しました。

 高平氏は、えん罪袴田事件でみそタンクから見つかった血痕のついた衣類のカラー写真や、えん罪東住吉事件で自動車の給油タンクが近くの風呂の湯沸かし器の熱で、自然発火する実験映像を示しました。どちらも支援者や報道機関が、開示された証拠に疑問や関心を持ち、実験したことで再審を決定づけました。

 高平氏は「支援者や報道機関が開示された証拠写真なしにここまで考えることができたでしょうか」と問いかけました。その上で、審理が非公開の再審請求審で支援者や報道機関が証拠に触れられないことは、刑事司法全体の公正性にかかわると指摘しました。

 再審湖東記念病院事件の井戸謙一弁護士は「再審をする弁護士からすると、メディアや支援者に証拠を見ていただけないのは、手足をもがれている感じ。禁止規定は、検察の証拠の私物化だ」と指摘。元「袴田巌さんを支援する清水・静岡市民の会」事務局長の山崎俊樹さんは「袴田事件では、弁護団と支援者が同じ証拠をみて、検討を重ねてきた。通常審の証拠も公開していくべきだ」と訴えました。