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2026年5月10日

中東危機対応へ結束強調

ASEAN首脳会議で声明
平和航行維持へ「海洋センター」

 【セブ(フィリピン)=鈴木平人】東南アジア諸国連合(ASEAN)は8日、今年の議長国フィリピン中部セブで首脳会議を開き、「中東危機に対する首脳声明」と、「ASEAN海洋センター」の設立提案を盛り込んだ「海洋協力首脳宣言」の二つの主要文書などを採択しました。


 フィリピンのマルコス大統領は会議後の記者会見で、「中東危機がASEAN各国民を危険にさらす状況だからこそ、ASEANの結束と中心性が最も重要だ」と強調。議長国として、(1)エネルギー安全保障(2)食料安全保障(3)国民の保護―の三つを優先事項として推進したと語りました。

 不安定な外部市場への依存度を減らすために、加盟国間で石油を相互支援する枠組みや、加盟国内で電力網を接続し国境を越えた電力取引を可能にする仕組みの構築、再生可能エネルギーおよび原子力を含む代替エネルギーの促進にも力を入れると表明しました。

 東南アジアはホルムズ海峡封鎖により農業用肥料の輸入が減り、大きな打撃を受けています。危機時に必需品の供給を確保することに加え、中小農家の支援や気候変動に配慮した農業の推進も盛り込みました。

 「海洋協力首脳宣言」は、国連海洋法条約など国際法に従って、ASEAN諸国と中国との間で「南シナ海行動規範(COC)の締結に努力する」ことを改めて確認。海洋問題に関するASEAN諸国間の協力を促進し、ASEAN主導のメカニズムを支援するために、フィリピンに「ASEAN海洋センター」を設立することも提案しました。

 マルコス氏は記者会見で、「特定の国と対立したり反発したりすることが目的ではなく、私たちが目指しているのは、南シナ海における航行の自由の確保と平和な航行の維持だ」と強調。南シナ海でホルムズ海峡と同様の事態が起きれば「その結果は想像するだけでも恐ろしい」と述べ、「ASEAN海洋センター」設立の意義を強調しました。

 軍政後継政権による民主派への弾圧が続くミャンマー情勢も主要議題の一つでした。マルコス氏は正常化に向けたプロセスは「全く進展していない」と述べ、「多くの国が進展の遅さに不満を表明した」と明らかにしました。ミャンマーのミンアウンフライン大統領(前国軍総司令官)は首脳会議への出席が承認されませんでした。

 ASEANは7月に外相会議のほか、日米中ロ韓など26カ国と欧州連合(EU)が参加する「ASEAN地域フォーラム(ARF)」の開催を予定しています。ARFは北朝鮮が公式に参加するアジア太平洋地域で唯一の安全保障に関する多国間枠組みです。