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2026年5月10日

主張

階級呼称の変更
自衛隊を軍と位置づける一環

 政府は自衛隊幹部の階級呼称を変更する準備をすすめています。陸海空自衛隊のトップの幕僚長を「大将」、1佐を「大佐」、1尉を「大尉」など諸外国の軍隊に準じた呼称に変更する方針です。

 自民党・日本維新の会政権合意は、自衛隊の階級呼称について「国際標準化を令和8(2026)年度中に実行する」と明記、高市早苗首相は国会で「スピード感を持って検討する」と答弁しています。

 日本維新の会は「提言 21世紀の国防構想と憲法改正」(25年9月)で「軍として国際標準の呼称等に統一する」と提案しています。そのことからも明らかなように、呼称変更は自衛隊を「軍」と位置づける一環であり、「戦争する国づくり」の流れを加速するものです。

■旧軍との違い示す

 「名は体を表す」とはよく言ったものです。自衛隊の階級呼称が旧日本軍や諸外国軍で標準的に使用されている名称と違うのは、理由があります。国民には旧日本軍への強い忌避感があり、「陸海空軍その他の戦力」の不保持を明記した憲法9条があるためで、「自衛隊は軍ではない」ことのひとつの証しでした。

 もともと自衛隊は政府の立場から言っても、「憲法上各種の厳しい制約下にある。そういう意味では、自衛隊を通常の観念で言う軍隊とは異なる」(塩田章防衛庁防衛局長、1981年、参院安保特)存在でした。

 階級呼称についても、「旧軍と同じ名前にしなかった理由は、やはり自衛隊というものが旧軍とは連続していない組織であることを示すためだと理解している」(増田好平防衛庁人事教育局長、2006年、衆院安保委)と答弁しています。

 自衛隊の誕生後、国会で旧軍の階級呼称に変更することも議論されましたが、「平和憲法として、陸海空軍その他の戦力を禁止するという規定もある。ですから自衛隊というふうに呼んでいるわけで、大将、中将と言わずに、陸将とか空佐というような名前を使っていることは適当である」(船田中防衛庁長官、1956年、参院内閣委)と否定してきた歴史があります。

 それを公然と変えようとしているのです。

■憲法の制約を解く

 いま高市首相は、「時は来た。改正の発議について、なんとかめどが立ったと言える状態で来年の(自民)党大会を迎えたい」と公言、改憲へかつてない危険な動きを強めています。自民党改憲案の中心は憲法に自衛隊の存在を明記し、なんの制約もなく戦争できる軍隊にすることです。

 小泉進次郎防衛相は、「憲法改正を早く実現し、自衛隊を明記することが必要だ」としつつ、「憲法改正を追求するのと同時にできることから始める。自民・維新の合意にもある階級呼称の国際標準化はそのことのひとつだ」とのべました(2025年11月21日)。

 自衛隊の階級呼称の変更は、単なる名称問題でなく、自衛隊を憲法の制約から解き放つ動きと一体のものです。憲法改悪を許さないたたかいを強めるなかで、呼称変更に反対する声を広げましょう。