在日米軍基地などで働き日米地位協定により特権が与えられている米軍属の総数が2025年2月時点で1万5463人と、16年4月に沖縄県うるま市で発生した、元米海兵隊員で米軍属による女性暴行殺人事件直後の17年の2倍超(グラフ)であることが外務省への取材でわかりました。日米両政府は同事件をふまえ17年に、軍属の範囲を「明確化」し対象を絞る、地位協定の補足協定を締結しましたが、軍属削減の効果が何らないことが浮き彫りになりました。
地位協定第1条は軍属を定義していますが、幅広い解釈が可能です。軍属は、「公務」中の事件・事故で米側が第1次裁判権を持つなどの特権を持っており、同事件の加害者もインターネット関連会社の社員でしたが、軍属の地位を与えられていました。この加害者が米軍基地内に逃げ込めば、米側が身柄引き渡しを拒むことも可能となります。
同事件を受け、日米両政府は17年1月、同補足協定に署名。日本政府は「軍属に対する管理が一層強化される」などと、犯罪防止になるかのように宣伝してきました。ところが軍属の総数は増加傾向が続き、17年10月末の7048人が25年2月28日時点の1万5463人へと、8年間で約2・19倍に増えています。そのうち米軍と契約する請負業者(コントラクター)の被用者数も増加傾向で、2341人から5411人へと、約2・3倍に増えました。
外務省日米地位協定室は取材に対し、同補足協定は「(軍属の)人数を減らすためであるとか、そういう入り口のものではなかった」と強弁。軍属総数やコントラクターの被用者の増加の理由は「把握していない」と回答しました。補足協定は「軍属」の定義を定めていますが、軍属としての「適格性」の評価は米側が行うことになっており実態は米側任せです。これでは米軍絡みの事件・事故の減少にはつながりません。
また、補足協定は、米国政府がコントラクターの被用者を含む軍属全体に関して定期的な報告をすることを定めていますが、外務省がホームページで米側の報告を公表したのは19年1月25日が最後です。地位協定室は、公表をやめたのは「米側と調整した結果だ」と説明しました。

