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2026年5月6日

米・カナダ訪問

熱い国際政治からマルクス『資本論』まで
カナダ・ヨーク大学討論企画 志位議長、縦横に語る

 【トロント=遠藤誠二】カナダを訪問中の日本共産党の志位和夫議長は4日、カナダ・トロントのヨーク大学で、マルチェロ・ムスト同大学教授が主催した討論企画「今日の日本の左翼、マルクスの『資本論』に帰る」に参加し、熱い国際政治の問題から、マルクス『資本論』など理論問題まで、縦横に語りました。


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(写真)ヨーク大学で開かれた討論企画「今日の日本の左翼、マルクスの『資本論』に帰る」=4日、トロント郊外(遠藤誠二撮影)

 冒頭、ムスト氏は、2025年12月に東京を訪れ志位氏と対談したことを話し、志位氏を「政治リーダーであるとともに、理論に通じているという点で、まれな政治家です」と紹介しました。

 ヨーク大学構内には討論企画の案内ポスターが多数張りだされ、ヨーク大学、トロント大学など地元大学の教授や院生など研究者、学生、社会運動家、ジャーナリストら多彩な顔ぶれが参加。休校日にもかかわらず、会場は60人の参加者で埋まり熱気であふれました。

 討論企画は、第1部で、ムスト氏と参加者の自由な質問--核不拡散条約(NPT)再検討会議の参加、トランプ政権をどうみるか、日本共産党の自主独立の路線、憲法9条をめぐる日本のたたかいなど計九つの質問に、志位氏が答えるという形で進められました。

 ムスト氏は、NPT再検討会議に参加した党代表団の活動をスライド写真をまじえて紹介しながら、「核兵器問題は最優先課題にしているのですか」と質問。志位氏は、「最優先課題の一つです」と答え、唯一の戦争被爆国・日本の政党として、被爆者のみなさんと力をあわせて「核兵器のない世界」にむけて一貫して力をつくしてきたことを語りました。いま行われているNPT再検討会議の一般討論で、核軍備撤廃を核保有国に義務付けたNPT第6条履行を求める国が全体の7割にものぼったと紹介し、「ここには世界の構造変化が表れています」とのべました。

 ムスト氏は、世界的に左翼勢力が苦しい状況におかれるなか、「日本共産党が強く存在している理由は」と質問。志位氏は、「自国の運動の進路は自分で決める自主独立の路線を貫いたことが一番の理由です」と答えました。1960年代以降、旧ソ連、中国毛沢東派の双方から干渉攻撃を受けながら、それを打ち破り、ソ連、中国の双方に干渉の誤りを認めさせたことを紹介し、「この二つの大国に誤りを認めさせた党は、世界でも日本共産党だけです」とのべました。

 第2部では、志位氏が、「自由に処分できる時間と未来社会論」と題して、約20分間、英語でスピーチを行い、それを受けて理論問題を中心にして七つの質問が出され、志位氏が一つひとつに丁寧に答え、突っ込んだ意見交換となりました。

志位議長、参加者の質問に答える

 志位氏は、1、日本共産党はなぜ理論問題を重視するのか、2、マルクスとエンゲルスは、社会主義・共産主義--未来社会の最大の目標、特徴をどこに見いだしたか、3、初期に2人は分業の廃止を構想した、4、マルクスの本格的な経済学の研究--ディルクのパンフレットとの出合い、5、『1857~58年草稿』、『1861~63年草稿』での探究、6、未来社会論は『資本論』で豊かな実を結んだ--などの柱で、資料を使い説明。マルクスは、万人が十分な「自由に処分できる時間」を持ち、「自由で全面的な発展」を実現することが可能となる社会となることに未来社会の何よりもの輝きを見いだしたと指摘。「『自由に処分できる時間』を拡大するたたかいは、現代の労働運動の熱い焦点であるとともに、未来社会を準備する意義をもちます」と語りました。

 志位氏のスピーチに対しても、参加者から質問が相次ぎました。

 「マルクスが今、生きていたら」--。この質問にたいし志位氏は、「21世紀に私たちが直面している熱い問題についても、『資本論』には解決の足掛かりになるたくさんの解明があります」と回答。ムスト氏の著書が、環境、移民、排外主義、ジェンダー解放などの現代の課題に、マルクスが深く立ち入った考察を行っていたと指摘していることを紹介し、「マルクスは古いという議論がありますが逆です。マルクス『資本論』が先駆的に解明していたことに人類社会が追い付いてきたということを実感しています」と語りました。

 「生産力の発展は失業をつくり出してしまうのでは」との質問に志位氏は、マルクスは『資本論』でその法則を明らかにしているが、「マルクスは『あきらめろ』とは決して言っていません。(労働者が)団結して、自らを苦しめているくさびを断ち切ろうとよびかけているのです」と強調。「『資本論』は変革をよびかけ希望を伝える書だと思います」と語りました。

 討論企画の締めくくりに、ムスト氏は、「今日は特別の重要な機会になった。大学が休校中にもかかわらず、多くの参加者をえて、企画は大きな成功をおさめました」とのべると、参加者から大きく温かい拍手がわき起こりました。

 終了後、多くの参加者が志位氏のもとに集まり、さらに質疑が続き、感想を出し合い、写真をとるなど、交流が続きました。