(写真)質問する仁比聡平議員=4月21日、参院法務委
高市政権は、日本に暮らす外国籍の人の生活基盤を脅かす政策を次々と推し進めています。その一つが、「経営・管理」ビザ(在留資格)の厳格化です。政府は不正な取得の防止を理由にしますが、実際にはコロナ禍や物価高騰下でも営業努力を続けてきた多くのエスニック料理店、雑貨屋などを廃業の危機に追い込んでいます。
仁比議員が追及
「経営・管理」ビザは、日本で小売店や飲食サービス店などの事業を行う外国籍の人の在留資格です。同ビザで在留する人は2025年末時点で4万6781人です。政府は昨年10月に突然、資格取得のための資本金要件を500万円から3000万円へ6倍も引き上げるなどの法務省令改定を行いました。他に常勤職員1人以上の雇用や、申請者か職員の相当以上の日本語能力などの要件を満たす必要があります。
しかし、この「厳格化」にあたり、まともな実態調査すら行われず、要件引き上げの根拠もないことが日本共産党の仁比聡平議員の追及(4月21日の参院法務委員会)で浮き彫りになりました。
仁比氏は質疑で、資本金要件の3000万円への引き上げにあたり、同ビザで在留する事業者の資本金、事業規模についてどのように実態を把握したかをただしました。
出入国在留管理庁の内藤惣一郎次長は「直近の申請書を基に把握できる範囲で実施」したとしながら、調査件数すら答えられず「詳細な数値をお答えすることは困難」などと答弁。まともな実態調査を行っていないことが明らかになりました。
一方で、内藤氏は「把握できる範囲」の調査結果によると、同ビザで在留する人の資本金の額は「多数の者が500万円から600万円くらいの水準」で、3000万円は「それほど多くない」と答弁。「9割は500万円だったのではないか」とただした仁比氏に対し、「おおむねご指摘の通りの認識で間違いない」と認めました。資本金要件引き上げは、9割超の事業者に影響を及ぼすことになります。
根拠なきままに
また、仁比氏は、在留資格更新を重ね10年以上日本で暮らし、小学生や高校生の子どもがいる人も多くいるのではないかと質問しました。ところが、内藤氏は「通算在留期間については調査していない」と答弁。在留資格は日本で暮らす外国籍の人の事業と生活の基盤であるにもかかわらず、まともな配慮もないことが明らかになりました。
仁比氏は、実態調査すら行わないまま根拠なき「厳格化」を省令改定という入管庁の裁量で行っていいはずがないと強調。「適正に在留資格を得て、税金や社会保険料も真面目に納めながら頑張っている9割方のお店をつぶすつもりか」と厳しく追及しました。
平口洋法相は、3年間の経過措置を設けているとし「改正後の許可基準に適合しないことのみをもって不許可にはしない」と答弁。経過措置後も「経営状況や法人税等の納付状況を総合的に考慮して許否の判断を行うなど、個別の事情を踏まえて対応する」と述べました。
仁比氏は「厳格化」の押しつけをやめるよう重ねて求め、「多文化共生のともしびを消してはならない」と強調しました。

