日本共産党は、女性天皇について、正面から議論すべきだと考えています。衆参両院が1年ぶりに皇位継承のあり方に関する全体会議を開きました。
日本国憲法は、第1条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とします。この規定に照らせば、多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の「統合の象徴」である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもありません。
女性だから天皇になれないというのは、男女平等を掲げる憲法の精神に反します。女性天皇を認めることは、憲法の条項とその精神に照らして合理性を持ちます。女系天皇についても同じ理由から、認められるべきです。
■強引な議論の仕方
全体会議での議論の進め方も強引です。額賀福志郎前衆院議長は各党各会派の意見を聞く前から、政府の有識者会議の報告(2021年)に沿って「主な論点」をつくり、論点を(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する(2)戦後に皇籍を離れた旧11宮家の男系男子を皇族の養子に迎える―という2点に絞って議論し、結論を得ようとしています。このやり方は、白紙に戻すべきです。
主要論点の重大な問題は、天皇は男系男子によって継承されるべきだということが「不動の原則」になっていることです。これは憲法の精神に反します。
旧11宮家といっても、いまの天皇との共通の祖先は約600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋の人々です。象徴天皇制下では、皇族として国民に理解されていることが過去のどの時代よりも重要な意味をもちます。戦後80年間も民間人として生活してきた人を唐突に皇族に復帰させ、その後生まれた男子を「日本国民統合の象徴」と想定することに国民の理解を得られるのかは大きな疑問です。
■幅広い合意形成を
象徴天皇制を維持していくためには幅広い合意形成が不可欠です。「読売」は「男系男子に固執するあまり、皇室が国民の思いからかけ離れてしまっては本末転倒だ。天皇の地位は『国民の総意に基く』と定める憲法の趣旨を忘れてはならない」(16日付社説)とし、「朝日」は「男系男子への固執は、現政権に見え隠れする父権主義的な傾向と軌を一にしているようにも映る」(15日付同)とします。
日本共産党は、昨年4月の前回の会議以降の参院選、衆院選をうけ新たな国会で選ばれた衆参両院議長の下で、国会として主体的に皇位継承の「諸課題」の議論を行うべきだと提案しています。政府報告書を前提にするのではなく、国会として、憲法学者など有識者や国民の意見を直接聞くことが必要です。
衆院の自民大勝をうけた高市早苗首相は男系継承を維持する形で皇室典範の「改正」をめざすとしますが、数の力で押し切ることは許されません。どの世論調査でも、国民の大多数は女性天皇に賛成しています。国民世論に背を向けた議論は、憲法は認めていません。

