医師が処方する医療用医薬品のうち市販薬と同等の効能を持つOTC類似薬の患者負担増などを盛りこんだ健康保険法改定案が28日の衆院本会議で、自民党と日本維新の会、中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらいなどの賛成多数で可決しました。日本共産党などは反対しました。
法案はOTC類似薬を用いた療養費用の一部を保険給付外とする「一部保険外療養」制度の創設を盛りこんでいます。政府は同制度に基づき、2027年3月からOTC類似薬の薬剤費の25%を保険適用外として患者から追加徴収することを狙っています。現役世代(70歳未満)の場合、薬剤費の負担が約1・5倍になります。対象は抗アレルギー薬や解熱鎮痛剤、保湿剤など77成分1100品目。
厚生労働省の試算によると患者負担増による保険料軽減は1カ月33円にすぎず、わずかな保険料軽減と引き換えに窓口負担が増えることで、受診控えによる症状悪化などの恐れもあります。対象薬剤と負担割合の拡大も狙われています。
さらに重大なのは、法文上、保険適用外の対象は薬剤にとどまらず診察や処置、手術など医療行為全般にまで拡大できることです。疾病や負傷に対する治療を誰もが安心して受けられる国民皆保険制度の根幹を揺るがす改悪です。
また法案は、▽75歳以上の保険料や窓口負担の算定に株式配当などの金融所得を勘案する仕組みの構築▽出産費用無償化に向けて正常分娩(ぶんべん)に全国一律の単価を設け、公的医療保険で賄う制度の新設―などを盛りこんでいます。

