【ニューヨーク=洞口昇幸】第11回核不拡散条約(NPT)再検討会議が27日、ニューヨークの国連本部で開幕しました。トランプ米政権とイスラエルによるイラン攻撃、ロシアのウクライナ侵略など、核保有国の国連憲章違反の行為が続く緊迫した情勢のもと、NPT加盟191カ国・地域が、過去2回(2015年、22年)の同会議で実現しなかった「成果文書」の採択や核廃絶に向けた何らかの前進を獲得できるのか注目されています。
(写真)ニューヨークの国連本部で開幕した第11回核不拡散条約(NPT)再検討会議=27日(洞口昇幸撮影)
日本共産党の志位和夫議長、吉良よし子参院議員ら党代表団も日本の被爆者・市民とともに会議に参加し、同日からの一般討論演説を傍聴しました。
会期は5月22日まで。4月30日までの一般討論演説で各国代表が意見を述べます。その後、核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用といったテーマごとに三つの主要委員会に分かれて討議を行います。
同会議の議長を務めるベトナムのドー・フン・ビエット国連大使は、核兵器使用の危険がさらに高まり、核兵器拡散で安全保障が損なわれる世界の到来は「私たちも子どもたちも望んでいない。さあ、行動に移そう」と呼びかけました。
グテレス国連事務総長は「核による威嚇が再び強まっている。不信が世界を支配し、苦労して築き上げた規範が崩れつつある」と警告。国連本部内で始まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)による「原爆展」に触れ、「被爆者の世界へのメッセージはこれ以上ないほど適時で緊急性を帯びている。軍縮は平和なときの褒美ではなく軍縮こそが平和の土台だ」と強調しました。
ブラジル、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、エジプトで構成する「新アジェンダ連合」のメキシコの代表は一般討論演説で、NPT第6条の核軍縮義務を履行しない核保有国の姿勢がNPT体制の信頼を損ねていると指摘。非同盟運動、東南アジア諸国連合(ASEAN)、核兵器禁止条約加盟国の代表なども、NPT第6条の義務とこれまでの核兵器廃絶の合意を実行するよう訴えました。
また、「NPTは世界的な核軍縮体制の基盤だ」(ジンバブエ代表)とする発言が相次ぎました。日本政府の代表として国光文乃外務副大臣が演説。「NPT体制の維持と強化に貢献する」と述べるも、核保有国に第6条の履行など責任を果たすよう求める直接的言及はありませんでした。

