日本共産党の辰巳孝太郎議員が24日の衆院厚生労働委員会で行った、健康保険法改定案に対する反対討論の要旨は次の通りです。
反対の第一の理由は、療養の一部を保険から外すための「一部保険外療養」を創設するからです。来年3月からOTC類似薬のうち77成分1100品目の薬剤費の4分の1が保険給付から外され、現役世代の場合、3割だった薬剤費の自己負担が1・5倍に増えます。
上野賢一郎厚労相は記者会見で花粉症など季節性の疾患は配慮の対象にならないことも示唆しました。上野厚労相は受診行動の変化により医療費が減少することも認めましたが、低所得者を中心に、費用負担が原因で受診間隔を空け、薬を節約するなど必要な医療を妨げ、国民の健康を犠牲にするものです。
来年度中に保険外しの負担割合や対象成分拡大を検討することが既定路線となっていることも重大です。
さらに問題なのは、「一部保険外療養」がOTC類似薬の保険外しにとどまらない無限定な規定になっていることです。保険外しの対象とすることのできる療養には、薬剤以外の診察、処置、入院、手術などが排除されない規定となっており、療養の定義いかんでは療養に含まれる一部の医療を取り出して、それを全額保険外給付とすることもできる規定になっています。これでは、一部どころか全部を保険外給付にすることができます。
「必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保する」という国民皆保険制度の理念を基本として進めてきた政府の医療政策の根幹を揺るがしかねません。しかも、これらの拡大は国会に諮ることなく厚労省内で決定することができます。国民に大きな犠牲を強いるのに、国民の代表機関である国会軽視も甚だしいと言わざるをえません。
反対の第二の理由は、協会けんぽの準備金増加を理由に、2015年度から実施されている国庫補助の特例減額に時限的措置を設け、3年間に限ってさらに毎年500億円を削ることです。協会けんぽの財政再建のために保険料率を引き上げてきた経過に照らしても、積み上がっている準備金は保険料率の引き下げにこそ使うべきです。
国民皆保険制度を破壊する改定案の廃案を求めます。

