(写真)米政府監査院(GAO)の勧告に対する米国防総省の回答(今年4月に公表)。「別の滑走路の選定は日本政府の責任であり、選定されるまで、普天間基地は返還されない」(下線部)と明記
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、米国防総省は今月、新基地とは別の「長い滑走路」を用意しなければ、仮に新基地が完成しても、普天間基地(同県宜野湾市)は返還しないとの見解を改めて示しました。米側が昨年9月時点でそのような見解を示していたことは、今年2月に本紙などが報道。日本政府は「返還されないことは想定されない」(高市早苗首相)などと否定しましたが、米側の見解は一貫していることが明確となり、辺野古が普天間返還の「唯一の選択肢」という日本政府の論理は破綻に直面しています。(関連記事)
(写真)米軍普天間基地(沖縄県提供)
米国防総省は今月24日までに公表した2027会計年度予算案の関連資料に、米政府監査院(GAO)の勧告への回答を盛り込んでいます。GAOは17年4月の報告書で、辺野古新基地は滑走路が短く緊急時の任務に対応できないため、沖縄県内で別の滑走路の使用の検討を求めました。
国防総省はGAOの見解に同意し、「代替施設(辺野古新基地)は、固定翼機のための長い滑走路を有していない」「現在、普天間基地で受け入れている統合部隊と国連軍は、キャンプ・シュワブ(辺野古新基地)で受け入れることはできない」と断定。「別の滑走路の選定は日本政府の責任であり、選定が終わるまで普天間基地は返還されない」と明記しました。
この見解を昨年9月の回答と比較すると、全体として文章が短くなっていますが、結論部分は一言一句変わっていません。米側は一定の検討を踏まえて、「長い滑走路がなければ普天間基地を返還しない」との見解を改めて示したといえます。小泉進次郎防衛相は「日米間に齟齬(そご)は全くない」と繰り返していますが、見解の齟齬は明らかです。
日米両政府は1996年12月、「代替施設」建設を条件として普天間基地返還に合意。しかし、辺野古新基地は軟弱地盤や台風などで工事が大きく遅れ、今では完成時期が見通せない状態に陥っています。そうした中、現役の米海兵隊中佐が執筆した論文で、「滑走路は長くはなく、能力もない」として、辺野古が完成しても普天間両方を保持すべきだと述べるなど、普天間への固執を露骨に示す発言が相次いでいます。

