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2026年4月23日

健康保険法改定案

中村洋一保団連理事・政策部部長の陳述 要旨
衆院厚労委

 OTC類似薬の保険外しの仕組みとして新設する「一部保険外療養」を盛りこんだ健康保険法改定案について、全国保険医団体連合会の中村洋一理事・政策部部長が21日の衆院厚生労働委員会で行った意見陳述の要旨は次の通りです。


写真

(写真)答弁する中村洋一参考人=21日、衆院厚労委

 わが国では疾病負傷に対して診察、薬剤、処置、手術など必要な医療をセットで患者に等しく保険給付することで、安心安全な医療を保証してきました。今回の「一部保険外療養」は、患者を線引きして薬剤の給付を制限することになります。公的医療保険制度の運用を根底から覆す制度改変で、削除を求めます。以下、問題点を述べます。

 第1に、現役患者は負担増になる点です。薬剤負担増による現役世代の保険料の軽減は月33円にすぎない一方、受診したら薬代には保険が利かず、負担増を被ります。同じ保険料を支払っているのに、受診したら薬代で大幅な負担増となれば、国民の納得は到底得られません。

 第2に、受診を抑制させ、市販薬の利用を促進する問題です。軽い症状でも実は重大な疾患の症状だったなどの事例は少なくありません。自己判断による市販薬の使用も危険です。医師による指導管理が大切です。

 第3に、対象薬剤や負担金額の拡大への歯止めがありません。昨年末の厚労相と財務相の折衝事項では、医療用医薬品の相当部分にまで対象薬範囲を拡大することを目指し、負担割合の引き上げも検討するとしています。事実上、医師が投与する薬の大半で給付を大幅に制限していくことが既定路線となっています。

 第4は、負担増の対象が薬剤にとどまらない重大な問題です。改定案の第63条2項に新設する文言により、厚労相の告示一つで保険給付の範囲を薬剤費にとどまらず、診察、検査、処置などのあらゆる医療行為について縮小できます。事実上の混合診療に道を開くものです。一部保険外療養が導入されれば、政府が軽度だと見なす疾患を保険から外せることになります。

 最後に、OTC類似薬の保険外しの配慮対象が限定されている点です。政府は、がん患者や難病患者など慢性疾患などを配慮するとしていますが、花粉症などの季節性の患者や一定時期の疼痛(とうつう)などの患者は配慮されません。難病でも指定難病で医療費助成を受けるものに限定されることが危惧されます。