金利が上昇しつづけています。13日には東京債券市場で長期国債の金利が2・49%と29年ぶりの高水準となり、住宅ローン返済や中小企業の資金借り入れのほか、奨学金の返済にも重大な影響が出ています。返済中の世代や新社会人となる若者、奨学金を借りて大学生活を送る学生も多大な不安を抱いています。
金利の急騰を招いたのは、高市早苗政権の「積極財政」です。政府の責任で救済策をとることが必要です。
学生の3人に1人が文科省所管の日本学生支援機構の奨学金を受け、その8割は返済が必要な貸与奨学金を受給しています。貸与のうち約7割の62万人、全受給者の54%が有利子型を借りています(2024年度)。有利子型では、長期金利が上がると連動して返済利率が上がります。
■生活設計を狂わす
有利子奨学金には、固定金利と、5年ごとに金利が変動する方式があります。どちらも返済利率は卒業時点で決まるため、入学時におよその目安としていた利子が、実際に返済するときには大きく増える事態が起きます。
22年4月に大学に入り月12万円(総額576万円)を借り、この4月に社会に出た人の場合(固定型)、入学時点の利率で想定していた返済総額は約605万円なのに、卒業時には金利の上昇により利子が158万円にもなり、返済額は約734万円と、当初の見込みより130万円も増えてしまいます。
21年3月に卒業し変動型で返済中の場合、当初の利率は0・004%とほぼゼロでした。ところが5年後の金利見直しで、この4月から1・3%と325倍に跳ね上がり生活設計が大きく狂います。
長期金利の指標となる10年物国債の利回りは、昨年10月4日の高市氏の自民党総裁就任を受けて17年ぶりの高水準を記録しました。大軍拡や大企業へのバラマキで26年度予算は122兆円超と過去最大となり、国債増発による財政悪化の懸念から、長期金利は25年初めには1・1%だったのが26年1月には2・3%まで上昇しました。
■有利子型は廃止に
日本共産党の吉良よし子議員は、奨学金金利の急上昇を「異常事態と言わざるを得ない」と指摘。政権の失政で若い世代が重い負担を負い、将来の見通しが立たない事態は重大だとのべ、政府の責任で直ちに救済策をとるよう求めました。(6日、参院予算委)
奨学金は本来、給付制が基本であるべきです。しかし日本では制度創設以来、貸与制(無利子)でした。そのうえ、1984年度からは有利子型が導入され、奨学金とはとても呼べない“教育ローン”と化しました。2017年度に給付制ができましたが、所得や成績要件があり、受けられる人は限られています。
文科省は、国の奨学金事業は憲法(教育を受ける権利)と教育基本法に基づき、政府が責任をもって確実に取り組むべき重要な施策だとしています。
であるなら、給付制を増やし、有利子型は廃止すべきです。今回、政府が招いた金利急騰への救済策を緊急に講ずべきです。

