3月末、イラン攻撃へ向かうため米軍爆撃機が要請したシチリア島のシゴネラ空軍基地への着陸許可を、イタリア政府が拒否しました。国防相は「議会の同意を得る時間がなかった」と説明し、議会で「受け入れられない要求なら米国にノーというのに勇気はいらない」と述べました▼米国との2国間協定では、他国での攻撃任務にあたる米軍機がイタリアの基地を使用する場合、イタリア政府の許可が必要です。同盟国であっても、自国での軍の行動に主権を及ぼすのは当たり前。国防相は「われわれが進む道は法律と国際条約、そして憲法の尊重だ」と明快です▼第2次大戦での敗戦後に国民投票を通じて制定されたイタリア憲法。侵略国家となった過去を反省し、第11条で「イタリアは他の人民の自由を侵害する手段および国際紛争を解決する方法としての戦争を否認する」と宣言しました▼親米・極右のメローニ首相といえども他国への攻撃に自国領土を使わせないと言えるのは、この憲法があるからです▼1980年代初め、シチリア島に配備されたNATO(北大西洋条約機構)の核巡航ミサイルを大規模な反核平和運動が撤去させました。シチリアの人々は今そのたたかいを思い起こしつつ、補給や偵察を含むすべての米軍機の飛行差し止めを求めてデモをしています。イラン戦争へのいかなる関与も憲法違反だと▼「シチリアを、戦争の中継地にするな」「憲法を守れ」―。当時も今も、イタリアの人々の声が政府を動かしています。
2026年4月21日

