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2026年4月20日

主張

南鳥島に核処分場
政府による押しつけ許されぬ

 原発から出る「核のゴミ」の最終処分場建設に向けて、高市早苗政権が動きを強めています。国有地で政府職員しかいない太平洋の無人島である南鳥島(東京都小笠原村)での文献調査を申し入れ、渋谷正昭村長が容認しました。

 最終処分場建設に向けた文献調査は、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で実施済み、佐賀県玄海町で実施中です。

 政府は毎年約100自治体を訪問するなど「理解促進活動」をすすめてきましたが、玄海町を最後に、新たに調査を受け入れる自治体は現れませんでした。北海道の2町村も、放射性廃棄物の受け入れは困難だとする北海道条例があり、知事同意の見通しがないため、調査の第2段階である概要調査地区への選定には至っていません。

■焦りゆえの強硬さ

 「核のゴミ」は、極めて強い放射能をもつ危険なものです。人間社会から万年単位で隔離することが必要とされます。このような厄介物の処分場を好んで受け入れる自治体はありません。政府による押しつけは許されません。

 自治体からの申し出でなく政府から調査を申し入れたのは、異例のことです。一見強気に見えますが、実は焦りの表れです。

 日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(青森県六ケ所村)には、フランス、イギリスから返還された「核のゴミ」(ガラス固化体)が保管されています。原燃と県・村との協定で、搬入から50年以内に搬出することになっています。最初の搬入(1995年)から30年余りたち搬出期限が迫っています。最終処分場の建設場所の選定と建設期間を考えれば、現実的には期限に間に合わない状況に陥っています。

 そもそも四つのプレートがぶつかる日本に万年単位の超長期の安定的な地層があるのか、専門家は疑問視します。

 南鳥島は太平洋プレート上にあり、地質的には安定だとして「適地」だとする議論があります。

 しかし、島の上部はサンゴ礁、土台は水没した火山島で水を通しやすい地質です。島の地表から300メートルほど地下に処分場をつくったとしても、海水が出入りし、ガラス固化体を入れた金属製容器が腐食しやすい状況です。建設・操業中に台風、高潮、津波に襲われる危険もあります。とても適地とは言えません。

■核ゴミを増やすな

 高市政権は、最終処分場を地方に押し付け、原発の最大限活用を推し進めようとしています。

 今年度中の完成とされる原燃の六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)が稼働すれば、原発の使用済み核燃料からプルトニウムが取り出され、最終処分場に埋設するガラス固化体がつくられることになります。

 しかし、プルトニウムを使う高速増殖炉はありません。再処理をすれば、プルトニウムと「核のゴミ」という厄介なものを増やすだけです。

 政府は、現世代と将来世代への責任を自覚し、無責任に「核のゴミ」を増やす原発最大限活用をやめるべきです。原発ゼロの日本をめざすことこそ、政治の責任です。