新緑が映える季節になりました。暦の上では種まきや田植えを始める穀雨の頃。春の暖かい日差しや雨が植物の生育を促します▼ことしは春先の気温が高く、桜の開花や満開が平年よりも早い所が目立ちました。気象庁は今夏も全国的に暑くなる可能性が高いと予想。40度以上の日を「酷暑日」と呼ぶことにしたそうですが、それを聞くだけで今からげんなりと▼高温は植物もへたばらせます。暑すぎると根の成長が鈍り、水や養分を吸収する働きも弱くなります。40度をこえると根の成長が止まり、枯死してしまう場合も。温暖化は植物にも深刻な影響をもたらしています▼近年、各地で倒木が相次いでいます。とくに道路整備が進められた高度成長期に盛んに植えられた街の樹木は、老朽化による倒木のリスクが高まっているといわれます。さらに都市開発や気候変動で新たな負荷がかかっていると専門家は指摘します▼樹木は地球環境や私たちのくらしに欠かせない存在です。しかしその健康には、あまりにも無関心のままではなかったか。街路樹や公園の木々を管理する国や自治体の多くも樹木医などによる継続的な診断を怠ってきました▼東京都は緊急点検を始めましたが、倒木は危険な事故につながるだけに全国で実施すべきでしょう。木の寿命は環境条件によって大きく変わるといいます。身近に息づく生物たちの声なき声を聞き取り、サインを見つける。きっとそれは、われわれ人間にとっても大事なことを語りかけているはずです。
2026年4月20日

