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2026年4月19日

主張

自民大会と自衛隊
違法な政治利用やめるべきだ

 現役の自衛隊員が制服を着用し、政権党の党大会に参加し、「君が代」を歌う―。極めて政治的な場である政党の大会を盛り上げる行為が、「政治的行為」を禁じた自衛隊法61条に違反していないと、なぜ言えるのか。自衛隊を公然と政治利用し、問題ないと開き直るのは、多数党である自民党のおごりにほかなりません。

 陸上自衛隊中央音楽隊に所属する現役の女性隊員(3等陸曹)が12日の自民党大会に参加し、出席者による君が代斉唱の際、壇上で一人、マイクを使って歌いました。隊員は「陸自が誇るソプラノ歌手」と紹介され、音楽隊の制服である演奏服を着ていました。上司である副隊長も同行していました。熱唱する姿は、会場の大型スクリーンに映し出されました。

■政治的行為は明白

 高市早苗首相や小泉進次郎防衛相、陸自トップの荒井正芳陸上幕僚長らは、隊員の自民党大会への参加は職務としてではなく、「私人」として依頼されたもので、君が代を歌うこと自体は政治的行為に当たらず、自衛隊法にも違反しないと口をそろえます。驚くべき認識です。

 自衛隊法61条は「隊員は政治的目的のために、選挙権の行使を除くほか、政治的行為をしてはならない」と定めています。

 戦前・戦中、軍が政治に介入し、国を侵略戦争の泥沼に陥れ、破滅に導いた歴史の反省に立ったものです。武力を行使できる軍事組織と特定の政党、とりわけ政権党との癒着は、民主主義国家として決してあってはならないことです。

 自衛隊法施行令86条は、「政治的目的」を定義し、その一つに「特定の政党その他の政治的団体を支持」することを挙げています。87条は、禁止される「政治的行為」の一つとして「政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること」としています。

■9条死文化を狙う

 小泉防衛相はX(旧ツイッター)に党大会で撮った女性隊員とのツーショットの写真とともに「自民党にとって重要な場で国歌斉唱の大役を担ってくれた」と投稿しました(現在は削除)。自民党の公式Xは今も、党大会の模様として写真付きで「陸上自衛隊中央音楽隊所属のソプラノ歌手鶫(つぐみ)真衣さんリードによる国歌斉唱です」と宣伝しています。

 自衛隊員が君が代を歌ったことは、自民党の最高議決機関である党大会の演出に一役買い、党の宣伝、党勢拡大に協力するものです。自衛隊として自民党を支持するに等しい「政治的行為」です。

 しかも、今回の大会は、「自衛隊明記」の憲法改悪を掲げ、高市首相は来年の党大会までに国会での発議のめどを立てたいと表明しました。自衛隊員に君が代を歌わせ、改憲の機運を盛り上げようという意図さえ疑わせます。

 「自衛隊明記」の改憲は、9条を死文化させ、自衛隊の無制限の武力行使を可能にすることを狙いにしています。自衛隊を海外の戦地に送る9条改悪のための政治利用などもってのほかです。