日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年4月16日

主張

防災庁の設置法案
人命人権最優先に役割発揮を

 地震・津波、台風や豪雨・豪雪などの自然災害が頻発する災害列島・日本。内閣に首相をトップとする「防災庁」を設置する法案が衆院で審議入りしました。

 11月発足をめざす防災庁は「徹底した事前防災と発災時の対応から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔」と位置づけられ、政府は「人命・人権最優先の防災立国」を実現するとします。自然災害から国民の命と暮らし、生業(なりわい)を守るため、政府をあげて人命と人権を最優先するのは当然です。防災庁設置は第一歩です。その役割を果たせるか、今後が問われます。

■避難所の環境改善

 防災庁の役割は、災害対策基本法の基本理念にのっとり、災害予防、応急対策、復旧復興に関して内閣を助けることとしました。関連して改正される災害対策基本法は、基本理念として新たに「全ての被災者の良好な生活環境の享受」を明記しました。

 政府は、災害関連死を防ぐため、清潔な男女別のトイレと更衣室の設置、栄養のある温かい食事の提供、就寝環境の整備など避難所の生活環境向上にかかわる支援をすすめるとしています。災害のたびに強調されてきたことです。防災庁のもとで確実に実現されなければなりません。被災者の人権を重視した生活再建・支援を中心にした被災地の復旧・復興に一貫して責任を負うことが求められます。

 基本理念を実現するために付与された省庁への勧告権を適切に行使しなければ看板倒れになります。能登半島地震の被災者に対する医療費の減免措置打ち切り見直しなど、現在進行形の被災者支援を改善できなければ防災庁設置の意義そのものが問われます。

 防災庁は、「災害事態対処」「地域防災」などの4部門、定員352人で構成され、地方機関として防災局を置くことや、専門スタッフの養成を視野に研修や研究を行う防災大学校(仮称)を置くことも可能とします。

■地域防災力の課題

 防災庁設置で課題が解決するわけではありません。被災者の生活再建の具体的な障害を取り除く役割を果たせるのか―。政府がただちに行うべき課題は山積しています。

 被災者一人ひとりの実情に即した生活再建を支援するには、住宅の全壊などに最大300万円を支給する被災者生活再建支援制度の抜本的改善は急務です。適用条件を大幅に緩和し、“住めない・暮らせない・住み続けられない”被災者すべてを支える制度に改める必要があります。

 現在、防災専門職員がゼロの自治体は433市町村にのぼります。地域防災力強化のためには、公務員数の削減方針を改め、国などからの応援以外に地域の担い手を大幅に増やすことが不可欠です。

 防災庁設置を実効性あるものにするには、軍事にお金をかけるのでなく、被災者の生活再建など必要な防災予算を大幅に増やすことです。

 どの地域でも災害は起きます。経済効率・巨大開発優先でなく、災害に強い街づくりに国は責任をもつべきです。被災者の切実な要求を基礎に、大きな運動に広げていくことが求められます。