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2026年4月15日

主張

再審法改定法案
冤罪救済への逆行は許されぬ

 再審制度見直しのための刑事訴訟法改定案について、政府は異例の修正を迫られ、国会への法案提出を先に延ばす事態に追い込まれています。

 冤罪(えんざい)を晴らすのに長い年月と多大な労力がかかり、冤罪被害者の人生がほぼ奪われる―この現状を改めるため、再審制度見直しでは、裁判所の再審開始決定への検察官の不服申し立て(抗告)の禁止が強く求められていました。

 しかし、政府が閣議決定しようとしていた法案は、これまで通り検察官の抗告を無制限に認めるものでした。

 これには、冤罪被害者はじめ、日本弁護士連合会、元裁判官などから強い批判があがっていました。6日には、再審や誤判に詳しい刑事法研究者143人が緊急声明を出し問題点を指摘しました。

 自民党の部会でも異論が相次いで紛糾。政府は、検察官の不服申し立てに一定の制限を設けるなどの修正案をまとめたと報じられています。

■抗告の全面禁止を

 検察の抗告によって再審開始の確定が遅れ冤罪被害者の救済が遅れたことは、袴田事件や福井中学生殺人事件など過去の実例から明らかです。

 福井の事件では、検察官は確定審の一審段階で無実を示す証拠を把握しながら隠し、有罪を主張して無罪判決を覆したうえ、第1次再審請求でも不服を申し立て再審開始決定が取り消されました。第2次請求で裁判所の訴訟指揮によりようやく証拠が開示され再審開始が決定しました。

 冤罪の速やかな救済のためには検察官の抗告禁止は不可欠です。一部制限では解決の保証はありません。

 再審請求を受けた裁判所は非公開の再審請求審で証拠調べなどの審理を行い、再審開始が決定され検察が抗告しなければ再審公判が開かれます。再審開始の判断は有罪・無罪を決めるものではありません。検察は再審公判で事実を争えばよいのです。

 刑事法研究者の緊急声明は▽再審開始決定に誤りがあったとしても、検察官は再審公判で是正を求められる▽再審請求審と違い、再審公判は刑事訴訟法で詳細な審理手続きが規定されており迅速な審理ができる―として検察官の抗告禁止を求めています。

■議連案の審議こそ

 政府の提出予定法案には他にも重大な問題があります。

 多くの冤罪事件で、裁判所の命令・勧告によって開示された証拠が決定的役割を果たしました。捜査機関の持つ証拠を確実に開示する仕組みが必要です。しかし、政府法案は開示範囲に限定をつけており、従来開示され、無罪の根拠となった証拠が隠されかねません。開示された証拠の公開も禁じており、支援活動を妨げる恐れがあります。

 事実調べ抜きに再審請求をふるい分ける規定も新設され、証拠開示を受けられないまま書類審査だけで請求が安易に棄却されかねません。

 提出予定法案は法改正の目的に反し、現状を後退させます。部分的修正で済ますことはできません。

 検察の抗告を禁止し、証拠の開示を広く認める、超党派の議員連盟がまとめた改正案を今国会で審議し成立させることこそ必要です。