つぶれた家々や寸断された道路、崩落した橋や土砂災害…。都市部から山間部まで、広い地域に及んだ被害と混乱を目の当たりにした記憶がよみがえります▼28時間以内に連続して震度7の揺れに襲われるという、例を見ない大規模災害でした。住宅被害は多大で避難者はおよそ20万人にも。さらに災害関連死が犠牲者の8割を占めたことも忘れてはならない課題となりました▼熊本地震から10年がたちますが、その教訓は生かされてきたのか。県が掲げた「創造的復興」のもとで各自治体はインフラの整備に力を注いできました。一方で住民のなりわいや地域のコミュニティーの再建は後回しにされて▼甚大な被害をうけた益城(ましき)町では先月、創造的復興の象徴として進めてきた県道の4車線化工事が終わりました。開通式で木村敬知事は「益城町の将来の輪郭がくっきりと浮かんだのではないか」と。しかし町中には空き地が目立ち、にぎわいも取り戻せてはいません▼被災者の声を行政に届け続けている甲斐康之・共産党町議は生活への支援を求めています。「10年たっても心の復興はこれから。この物価高でますますくらしは厳しい。被災者や生活者に寄り添った施策こそ、いま必要なのでは」▼人口流出をはじめ各地方の被災地の現状は深刻です。そこには、止まらない過疎化の問題が結びついています。災害に強い国づくりを政府はお題目のようにとなえますが、震災の教訓は教えています。防災とともに大切なのは、人間の復興なんだと。
2026年4月15日

