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2026年4月11日

主張

87兆円対米投融資
公的資金をリスクにさらすな

 日米両政府は昨年、米国が日本からの輸入品に課す一律関税を15%、自動車や自動車部品への追加関税も15%とすることで合意しました。米国の当初要求より関税を下げるのと引き換えに日本は5500億ドル(約87兆円)の対米投融資を約束させられました。

 米関税をめぐっては、米連邦最高裁判所が、大統領は国際緊急経済権限法に基づく関税をかける権限を持たないとして違法と判断しました。

 対米投融資の前提である関税の根拠が崩れているにもかかわらず、高市早苗政権は、米連邦最高裁の判決直前に駆け込みで、2月に対米投融資の第1弾となる3件のプロジェクト(約5・6兆円)を発表しました。

 米国側は出資も融資もしないのに、日本が元本回収するまでは日米で5割ずつ稼ぎを分け合い、元本回収後は米国が9割を得ます。投融資先の決定はトランプ米大統領が行い、リスクの大半は日本が被るという、不公平でまさに“米国言いなり”です。

■公正疑われる中身

 第1弾の投融資のほとんどを占めるのが、ソフトバンクグループ(SBG)のSBエナジーが運営主体となるオハイオ州ポーツマス近郊に建設される天然ガス火力発電施設の約5・2兆円です。

 日本共産党の大門実紀史議員は、3月27日の参院予算委員会で、これにかかわってSBGが、1兆円もの「手数料」を得ようとしていた問題を追及しました。

 英紙フィナンシャルタイムズによると、SBGが1兆円の手数料収入を得る予定だったが、最終的な手数料は90%以上削減されたと報じられています。

 大門議員は、利益を得る当事者であるSBGが「利益も受けて手数料も取るのはどういうことか」と批判しました。トランプ氏が決める案件の公正性が疑われます。

■リスク高い投融資

 第2弾として3月に決定されたのは、次世代原子力発電の小型モジュール炉(SMR)建設などの3事業約11・5兆円規模です。SMRは米企業がアイダホ州で建設を計画しましたが、2023年に失敗し、撤退しています。多額の補助金を入れても価格競争力がなかったためです。リスクの高い投融資への審査と意思決定が日本側に保障されているかが問題です。日本の対米投融資では、米側だけでつくる「投資委員会」で大統領への推薦が決定され、それに先立つ日米の「協議委員会」では意見を述べるだけです。

 これに対し、同じように米国への投融資を約束させられた韓国では、韓国内で独自に検討、意思決定する「事業管理委員会」「運営委員会」を設置し、米国との協議を開始する前に、その内容を国会に報告しなければなりません。

 対米投融資は、公的資金での実施です。米側に一方的に有利なうえ、法的前提が崩壊した合意は撤回が当然です。最低限、巨額の投融資を焦げ付かせない保証が必要です。

 高市首相は「国内投資が圧倒的に足りない。徹底的なてこ入れをする」と繰り返し述べています。理不尽な対米投融資よりも日本の国内産業・内需立て直しこそ重要です。