(写真)厚労省の担当者に要望書を手渡す全商連の久保田常任理事(右から2人目)ら=10日、衆院第2議員会館
健康保険法の改悪にともなうOTC類似薬(市販薬と同等の効能を持つ処方薬)の患者負担増をめぐり、全国商工団体連合会(全商連)や全国保険医団体連合会(保団連)などが10日、国会内で厚生労働省に追加負担の撤回を求めて要請・交渉しました。交渉のなかで、法改悪によってOTC類似薬などの薬剤にとどまらず、診療や治療など保険医療が無制限に保険給付除外となる恐れが明らかになりました。
健康保険法改悪案の対象薬剤は花粉症薬や鎮痛剤など日常的に幅広く使用されています。薬剤費の25%を保険給付除外とし、現行3割自己負担の患者では実質5割に増えます。
交渉後に記者会見した保団連の松山洋事務局主幹によると、厚労省は診察や治療などへの対象拡大も、「手続きを踏めば制度設計上は可能」だと回答しました。松山さんは「保険給付を制限できる制度をつくろうとしていることが浮き彫りになった」と指摘しました。負担割合については、全額自己負担も厚労省は「否定されない」と回答したといいます。
全商連・社会保障対策部長の久保田憲一常任理事は、「国は憲法で保障された国民の命と健康を守る責務を放棄しようとしている」と指摘。国民皆保険制度を守るよう訴えました。
東京土建の佐藤豊中央副執行委員長は、多くの建設労働者が腰痛や花粉症などでOTC類似薬を使用し、「薬は働き続けるために不可欠だ」と強調。受診控えによる体調悪化で働けない人が増えれば、住宅やインフラなど国民生活や経済に大きな影響があるとし、わずかな保険料軽減に対し「代償が大きすぎる」と主張しました。

