【カイロ=米沢博史】国際原子力機関(IAEA)は4日、イラン南部のブシェール原発の敷地近くに飛翔体が着弾し、警備員1人が死亡したと明らかにしました。敷地内の建物の一部も爆風や破片により損傷しましたが、放射線レベルの上昇は確認されていないとしています。現地メディアは、飛翔体が原発の外周フェンス(防護柵)付近に着弾したものと報じました。
IAEAのグロッシ事務局長は「深い懸念」を表明し、「原発やその周辺は決して攻撃されてはならない」と強調しました。補助施設にも重要な安全設備がある可能性があると指摘し、核事故を回避するため「最大限の軍事的自制」を求めました。
イランのアラグチ外相は同日、X(旧ツイッター)で、「ウクライナのザポリージャ原発付近での戦闘に対する欧米の憤激を覚えているか?」と問い、ブシェール原発施設はこれまでに米国とイスラエルから4回攻撃を受けたと指摘。もし同原発から放射性降下物が発生したとしたら、「テヘランではなく、湾岸協力会議(GCC)諸国の首都で生命が奪われる」と警告しました。
イランのイラバニ国連大使は、グテレス事務総長や安保理議長(バーレーン)への書簡で、イランの核施設への攻撃は国際法違反だと指摘。平和目的で使用されている同原発への攻撃は、「戦争犯罪」であり、「明白な国家テロ行為」だと非難しました。

