自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険料(税)の値上げが全国で急拡大しています。日本共産党政策委員会の調査で分かりました。今年度に値上げする自治体は3月末時点で少なくとも232に達し、値上げ自治体が最多だった2024年度同時期の198を上回ります。一方で、「子ども・子育て支援金」が加わる中でも値下げした自治体もありました。
現時点判明分 自治体の85%
調査によると、全国の自治体のうち、3月末までに保険料率を決定した、または条例案を議会に提案したのは、統一保険料率を設定している大阪府の市町村を含め272自治体です。この自治体の保険料を、年収400万円の4人家族(夫と専業主婦の妻と小学生の子ども2人)をモデルに試算し、25年度のモデル世帯保険料と比較しました。
国保の保険料は「医療分」(所得割と均等割、平等割の計)と「支援分」(後期高齢者支援金)の合計額(本体分)に、4月から始まる「子ども・子育て支援金」を加えて算出します。
比較の結果、「本体分」を値上げした自治体は200(判明自治体の74%)でした。さらに、「子育て支援分」を加えると、値上げ自治体は232で、判明分の85%に達していました。
一方、岩手県陸前高田市など31自治体は、「本体分」を下げることで、子育て支援金の増額分を相殺していました。
市議団追及で新潟市が減額
「本体分」を引き下げた自治体の一つ、新潟市は2月議会で、日本共産党の武田勝利市議の質問に、国保は年金暮らしなど低所得の人が多く、物価高やエネルギー価格上昇の影響が大きいと説明。医療分の所得割を0・2%、均等割と平等割をそれぞれ3000円ずつ引き下げ、「本体分」で年平均7200円を減額すると答えました。
一方、子育て支援金は、所得割0・27%、均等割1600円とし、1世帯年3500円の負担増となります。これらを合わせ、1世帯の国保料を「年平均3700円減額する」と明らかにしました。
同市の国保基金は25年度で31・8億円に達し、20政令市中4番目の規模です。 市議団は基金を活用した引き下げを求め続け、1月の国保運営協議会の答申に「低所得者に配慮すること」と明記されました。
2月議会でも武田市議が「基金を使えば29年度まで値上げは必要ない」と主張し、さらなる引き下げを求めました。同市の値下げは、粘り強い論戦の成果といえます。
政府は子育て支援金の負担を「1人月250~450円」と説明していますが、調査では、国保加入者の負担は、同じ年収の会社員などが加入する協会けんぽより、単身で1・9倍、夫婦世帯で2・3倍になることも分かりました(表)。
多くの自治体の保険料率は未定のままで、6月議会での改定も予定しており、引き下げを求める運動が一層重要になっています。
国保「医療分」に含まれる保険料の種類
「所得割」=加入者の所得に応じて決まる。高いほど負担増
「均等割」(人頭割)=加入者1人に一律でかかる。多人数世帯ほど負担大
「平等割」=世帯に一律でかかる。世帯人数に関係なく同額
「資産割」=固定資産税に応じて計算(一部自治体のみ)

