米国とイスラエルによる対イラン攻撃を受け、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、日本向けの原油や石油製品を運ぶタンカーの航行が困難になっています。日本共産党国会議員団が実施している「イラン攻撃下の国民生活影響アンケート」には、すでに暮らしや営業に「影響が出ている」との回答が3割近くにのぼり、自由記述欄には切実な訴えや不安の声が数多く寄せられています。その一部を紹介します。(アンケートは引き続き実施しています)
■原油価格
原油価格の高騰に伴うガソリン代の値上げは、運輸業などを直撃しています。さらに関連業種にも影響が広がっており、深刻な実態が浮かび上がっています。
○…エチレンを含む化学品の保管・運送を担う会社です。トラック輸送のほか、海上コンテナでの輸出入も行っていますが、すでに5月以降の仕事のめどが一切立っていません。それにもかかわらずガソリン価格が上がれば、支出増で死活問題です。(30代、運輸業)
○…運送会社に勤めています。インタンク(自社の燃料タンク)に補充する燃料が買えなくなっています。インボイス導入で個人事業主の運送会社が大幅に減った後ですが、さらに減るのではないか。(20代、運輸業)
○…照明メーカー勤務のデザイナーです。LEDチップをはじめ照明器具の部品は海外からの輸入が多く、販売先も全国にわたります。輸送費の高騰や物流の停滞があれば、製造と販売に大きなダメージを受けます。(20代、会社員)
■石油製品
プラスチックなど石油化学製品の原料ナフサの供給逼迫(ひっぱく)は多くの分野に影響が及びます。とりわけ医療現場で働く人たちからは、医療材料の不足など命に関わる事態を危惧する声が寄せられました。
○…輸血・点滴パックなど使い捨ての医療器具や消毒用エタノールが、すでに一部欠品しています。在庫を節約しながら何とか仕事をしていますが、今後ナフサが枯渇し、プラスチックやビニール製の医療器具が生産できなくなれば、治療できず亡くなる人がたくさん出てきます。(30代、医療職)
○…夫が人工透析患者です。ナフサ不足により石化製品であるダイアライザー(人工腎臓)が生産できなくなると聞き、不安でなりません。(50代、会社員)
○…アクリルやアルミ複合板など、さまざまな素材を扱う商社に勤めています。メーカー各社から供給制限や価格改定の通知が相次いでいます。取引先には少人数で経営する企業も多く、エネルギー危機が長引けばドミノ倒しのように倒産が広がりかねません。(30代、会社員)
■農業現場
肥料など農業資材の高騰や不足が広がり、現場では農業継続への危機感が広がっています。
○…農業資材の高騰や入荷の見通しが立たない事態が起きています。春肥は確保できましたが、秋肥は入手できない見込みです。石油の供給が途絶えれば、電気で制御している灌水(かんすい)設備が止まり、作物が枯れてしまいます。(30代、農業)
○…肥料や飼料、燃油代、電気代の高騰は、コロナ禍からの値上がりに拍車をかけ、農家経営を一層厳しくしています。ここまで耐えてきた中での今回の事態に、心が折れてしまう農家も少なくないと思います。(50代、農協職員)
■フリーランス
自営業者やフリーランスからも悲痛な声が寄せられ、とりわけ文化芸術関係者の苦境は深刻です。
○…漫画家です。デジタル作画作業があり、電気が止まれば仕事はできないし、電気代の高騰も困ります。アナログ工程もあり、紙やインク、ペン先など画材の値上がりも心配です。(30代、漫画家)
○…コンサート業界では、演者を除けば最も重要なのはツアー機材を運ぶトラックドライバーです。燃料代の高騰はチケット代に直結し、野外フェスなどで使用する発電機の燃料費にも跳ね返ります。(50代、エンターテインメント業)
○…おもちゃの原型制作をしています。フィギュア用の樹脂や塗装用シンナー、防護用の手袋などが手に入りません。(30代、製造業)
(写真)国会議員団アンケートへのQRコード

