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2026年4月3日

イラン攻撃 国民生活への影響深刻

緊急対策・支援を要求
参院委 小池・白川・岩渕氏

 日本共産党の小池晃書記局長と岩渕友、白川容子両議員は、2026年度予算案の委嘱審査が行われた参院の各委員会で、米・イスラエル両国の対イラン攻撃による国民生活や経済への深刻な影響の実態を示し、徹底した緊急対策と支援を要求しました。同時に直ちに両国に攻撃中止を迫り、事態打開に向けてイランと交渉するよう求めました。

中小企業

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(写真)質問する小池晃書記局長=2日、参院財金委

 小池氏は財政金融委員会で、石油製品の価格高騰、供給不足が深刻だと強調。日本共産党のネットアンケートでも物流停滞・入手困難、物価高・家計圧迫、医療・医薬品の不足、ガソリン・燃料負担による影響への不安が中心で、「価格上昇への不安と、供給が途切れることへの恐れが目立つ」と指摘しました。

 プラスチックなど石油化学製品の原料ナフサの供給が逼迫(ひっぱく)し「5月以降に影響が出てくる可能性がある」との業者の声も示し、ナフサ由来のシンナー、接着剤、窒素肥料などもすでに不足しており、「建設業、農家などから悲鳴が上がっている」と指摘し、対応策をただしました。

 片山さつき財務相は、「事業者の資金繰りに重大な支障をきたすことがないよう、必要であれば債務負担をやわらげる対応も含めて検討し実施する」と答弁しました。

 小池氏は、イラン危機に加え、国によるコロナ危機対応の資金繰り支援策「ゼロゼロ融資」の返済を今年から迫られ苦しい状況にある多くの中小企業から、新規借り入れは困難だとの声が上がっていると指摘。同融資をいったん「別枠債務」にした上で返済を猶予し、新たな資金調達を可能とするよう提案しました。片山財務相は「さまざまな知恵があるので、あらゆる可能性を排除せず一番適切な対応を取れるよう留意する」と述べました。

医療

 医療現場では、手袋やガウン、注射器、点滴バッグ、輸液ルート、カテーテル、透析用人工腎臓などナフサ由来のプラスチック製品を多く使用しています。対イラン攻撃の影響で、医療材料の価格高騰が始まり、供給不足に陥る危険性があります。

 小池氏は、医療資材のほとんどがナフサ由来で再利用もできず、「現場で不足してからでは遅い」と強調。マスクなど個人用防護具のメーカーは、先月15日ごろから医療機関にナフサ不足で「新規(受注)は受けられません」などと一斉に通知しており、現場からは「コロナ禍以来だ」との声が上がっているとして、「治療で不安な患者に治療継続の不安まで抱かせないよう万全の対策を」と求めました。

 また、医療用手袋が1~2割、点滴用チューブなどのセットが2倍程度値上げされている例を示し、診療報酬は公定価格で価格転嫁できず「価格高騰は医療機関の経営を直撃する」と指摘。補助金や診療報酬の臨時改定などの財政支援を求めました。

 片山財務相は「仮にそういうことになれば必要な対応をしていかなければいけない」と答弁。小池氏は「今回の事態は26年度予算では想定されていない。新たな事態が起こっているのだから、しっかりと財政対応を」と要求しました。

写真

(写真)質問する白川容子議員=2日、参院厚労委

 白川氏は参院厚生労働委員会で、上野賢一郎厚労相が透析回路などの医療機器の製造会社への聞き取りの結果、「直ちに供給が滞るとの報告はないので、当面は安心を」(3月31日)と述べたことに言及。「現在政府が把握している石油由来の医療物質の在庫状況と供給の見通しを国民と医療機関に明らかにすべきだ」と追及し、個別企業の情報を含むからと在庫状況を示さない上野厚労相に対し、「全体量も明らかにせずに、安心だけを押しつけるようなやり方はやめるべきだ」と批判しました。

 白川氏は、点滴用のプラスチックチューブの価格が2倍になるなど、医療現場に影響が出始めていると指摘。医療危機を招く重大事態を避けるため、「国民の命を守る先頭に立つ厚労相として、高市首相にイランと(ホルムズ海峡通過の)交渉するよう要請すべきだ」と迫りましたが、上野厚労相は所管外だとして応えませんでした。

 白川氏は「実態把握も首相への進言もしないでどうして国民の命が守れるのか」と重ねて批判しました。

農業

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(写真)質問する岩渕友議員=2日、参院農水委

 岩渕氏は農林水産委員会で、日本共産党国会議員団の「イラン攻撃下の国民生活影響アンケート」に寄せられた「資材の高騰や入荷の見通しが立たない」「(資材高騰で)赤字となり、生産できなくなる恐れがある」などの農林水産業者の切実な声を紹介し、緊急対策や支援制度の抜本的な見直しを政府に迫りました。

 農林水産省の山口靖農産局長は、化学肥料のうち天然ガスが原料で中東が主産地の尿素の主要輸入先はマレーシアなどで影響は限定的だと説明しました。岩渕氏は「争奪戦が既に始まり、このまま戦争が続けば、価格が高騰するのは明らかだ」と指摘し、マレーシアの尿素輸出元に追加発注を断られたという資材業者の話を紹介。実態把握とともに、肥料には価格安定制度がなく値上げ分は農家の負担になるとして「緊急対策が必要だ」と迫りました。

 燃料や資材などの値上げで野菜の生産価格が高騰しても、現行の野菜価格安定制度では「コストが参照される仕組みになっていない」として制度の見直しを求めましたが、鈴木憲和農水相は「現状では困難」だと背を向けました。

 岩渕氏は制度の抜本的な見直しなしには国産の食料は食べられなくなりかねず、何よりも生産者の不安に応えられないとして、緊急支援を重ねて求めました。