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2026年4月3日

主張

トランプ氏の演説
攻撃拡大の許しがたい宣言だ

 トランプ米大統領が、イランに対する軍事作戦について国民向けに演説しました。戦果を自賛しつつ、今後2~3週間、さらに激しく攻撃すると宣言した許しがたい内容です。戦争を終わらせる道筋はいっさい示すことができませんでした。米国はただちに攻撃を中止し、戦争終結のための外交交渉を行うべきです。

■暴挙を重ね泥沼化

 米国とイスラエルによる攻撃は、イランの最高指導者を含む要人を次々殺害し、国民の命を無差別に奪っています。原油市場の混乱は世界の国民生活を脅かしています。

 他国への先制攻撃は国連憲章と国際法に違反する暴挙です。トランプ大統領は今後の攻撃によって「彼らを石器時代に戻す」とどう喝しました。

 「完全にイランを壊滅状態にした」と言っておきながら、この上どれだけ殺りくと破壊を繰り広げようとするのか。イラン全体を焦土と化す宣言です。無法に無法を重ねる行為は、中東地域と世界を戦争の泥沼に引きずり込むことにしかなりません。

 トランプ大統領は、米軍がわずか32日間で「かつてない勝利」を収めたと述べました。しかし、当初掲げた「体制転換」のもくろみは外れ、もはや何のために戦争しているかも分かりません。米国内外の批判は高まる一方です。

 攻撃開始から1カ月にあたる3月28日には、全米3300カ所以上で、800万人が参加する抗議行動が行われ、「NO KINGS」(王はいらない)と声をあげました。

 原油価格の高騰は米国民の暮らしも直撃し、トランプ大統領の支持率は下がる一方です。演説の中で何度も「勝利」を強調したのは、なんとか支持低下に歯止めをかけようとする悪あがきです。攻撃停止の時期すら言わなかったことに、世界は怒りと失望を深めています。先行きの不透明感が強まったことで、原油価格は演説直後に上昇しました。

 石油輸送の要衝となっているホルムズ海峡の問題についてトランプ大統領は、石油がほしければ各国が「自分でホルムズ海峡に行って手に入れよ」「米国から買え」と居直りました。イランに先制攻撃を加え、その結果、海峡が封鎖状態になっているのに、あまりに無責任です。

■交渉の働きかけを

 イランをはじめ中東各国に広がる戦乱で犠牲が増え、世界経済が落ち込むのを防ぐため、戦争終結に向けた外交交渉が緊急に必要です。

 トランプ大統領は「交渉を進める」と述べました。本当に交渉を実現するためには、米国とイスラエルが、攻撃を全面的に停止し、再攻撃しない保証をすることが前提です。戦闘を仕掛けながら外交交渉など不可能です。米国とイスラエルに国際社会が圧力を強めなければなりません。

 木原稔官房長官は、トランプ大統領が言及したイランとの協議について「よい方向に向かうことを期待している」とコメントしました。そうであるなら、米国とイスラエルに即時攻撃停止を働きかけるべきです。

 イランとの伝統的友好関係を生かし、外交解決にイニシアチブを発揮することが日本の責務です。