【ベルリン=吉本博美】中東に向かう米軍の爆撃機に対し、イタリア政府は自国内の軍事基地での着陸を拒否しました。伊紙コリエレ・デラ・セラが3月31日に報じました。イラン戦争に関わって基地使用拒否や米軍機の領空通過禁止を発表したスペインやスイスに続く動きです。イタリアのメローニ政権はトランプ米政権と密接な関係を持つ極右政権ですが、米国のイラン攻撃への直接関与を避ける動きを見せています。
報道によると、中東に向かおうとしていた米爆撃機が同27日、イタリア空軍と米海軍が共同運用している南部シチリア島のシゴネラ基地に着陸を計画していましたが、伊国防省が着陸許可を与えませんでした。
クロセット国防相は、米国とイタリアの協定で義務付けられている事前通告がなかったことを明らかにしました。米伊の2国間協定では、イタリア国内の米軍基地は兵站(へいたん)や兵士の輸送などの目的で使用できますが、武器を積載した航空機の着陸などは特別の事前通告が必要です。イラン攻撃が始まって以来、イタリア政府は攻撃に関わる航空機の着陸には議会の承認が必要との立場を明らかにしていました。
イタリアの米軍基地では、中東地域の作戦に加わる空中給油機や無人偵察機の着陸が増加。国内では野党や平和団体から「イタリアを中東での戦争の足がかりにさせてはいけない」と非難が上がっていました。
報道を受けて、イタリア首相府は声明を発表。米軍機の着陸要請は「状況に応じて慎重に検討される」とし、「政府は現行の国際協定を順守し、政府の指針に沿って行動している」と強調。さらに「米国との関係は強固」であり、摩擦はないと釈明しました。政府筋は伊メディアに対し、着陸の計画はすでに米軍機が離陸した後に知らされ、議会承認のための時間がなかったとも説明しています。
メローニ首相は、3月11日の国会演説で、米・イスラエルによるイラン攻撃は国際法から外れた介入だと批判。「イタリアはこの介入に参加しておらず、参加する意思もない」と強調していました。

