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2026年4月1日

きょうの潮流

 高齢者の医療や介護の負担増、給付の削減を狙う動きが顕著です。現役世代の負担を軽くするためということが理由にされています▼世代間の対立をあおりながら、結局は国民全体に負担を押しつける狙いです。若い世代の負担が軽くなるといっても高額療養費やOTC類似薬の見直しで軽減される保険料負担は1人平均わずか月150円程度です▼高齢者を切り捨てる悪政は「姥(うば)捨て伝承」を彷彿(ほうふつ)とさせます。年老いて働けなくなった親を山に捨てよと領主が命令したり、貧困のために捨てざるを得なくなったりして、子どもが泣く泣く捨てに行くという話です。本当にそのようなことがあったか定かではありませんが、長野県には通称・姨捨(おばすて)山があります▼1956年に作家、深沢七郎が発表した「楢山節考(ならやまぶしこう)」はそうした姥捨て伝承にもとづいた小説です。しきたりに従って山に捨てられる老女とその息子の心情を描き、第1回中央公論新人賞を受賞しました▼悲痛な思いで、母親を山に置き去りにしようとする息子。ためらいがちなその背を老母が「どーん」と押し、ひとりで里に帰らせます。70年前の小説に描かれた悲惨な場面を、現実にさせてはなりません▼公的制度が不足すれば介護は家族の肩に。医療費も本人が払えなければ子どもが払わざるを得ないことにも。高齢者を苦しめる政策は、巡り巡って現役世代や若者を痛めつけることになります。分断を図る狙いにだまされず、世代を超えて「姥捨てはごめんだ」の声を広げましょう。