(写真)要請書を提出する患者会のメンバー(左から2人目)と畑野君枝衆院議員(右端)=27日、国会内
喘息(ぜんそく)患者や大気汚染による公害被害者でつくる「全国公害患者の会連合会」は27日、上野賢一郎厚生労働相あてに、OTC類似薬(市販薬と同等の効能を持つ処方薬)の保険適用除外に反対する要請書を提出し、厚労省への聞き取りを行いました。日本共産党の畑野君枝衆院議員らが出席しました。
患者会は、保険適用除外の対象に、喘息患者が日常的に使う去痰(きょたん)剤「ムコダイン錠」や風邪薬、アレルギー薬など身近な薬が含まれていることを問題視。保険が使えなくなれば患者負担が増えるだけでなく、受診控えによる症状悪化の危険があると訴えました。
厚労省は、「喘息による死亡」は重篤な発作による窒息死だと分析し、対策を強化し、2006年には「喘息予防・管理ガイドライン」を策定。「喘息死亡ゼロ作戦」も進めたことで、死亡数は4000人から2000人に減少しました。
患者会は、これらの取り組みを今後も継続・強化する方針かと質問。21年版ガイドラインが「長期的な医師の管理」と「適切な薬物治療」を重視している点を踏まえ、ムコダイン錠などが保険適用除外となれば治療に支障が出るのではないかとただしました。
同省担当者は「喘息死亡ゼロ作戦」は現在は別の形に移行しており、同じ名称での施策は行っておらず、17年策定の「アレルギー疾患対策の基本指針」に基づき、年間10億円の予算でアレルギー疾患全体への総合的な対策を行っていると説明しました。
患者会は、喘息がアレルギー疾患に含まれることは理解できるとしつつ、大気汚染が主要因で長期の薬物治療が欠かせない患者が多いとして、改めて負担増への不安を表明。厚労省担当者は、通年で受診や服薬が必要な患者の負担が過大にならないよう検討が必要だと認めました。

