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2026年3月28日

主張

科学技術基本計画
大学を軍事動員する愚かな策

 「このままでは、日本からは、もはやノーベル賞は生まれなくなる」―27日、高市早苗内閣が閣議決定した第7期科学技術・イノベーション基本計画には、日本の研究力の低下に対する危機感がにじみ出ました。

 1995年以来、政府は5年ごとに科学技術基本法にもとづいて基本計画を策定してきましたが、そのもとで研究力は低下し続けてきました。政府の責任は重大です。

 「基礎研究を地道に継続することが困難」となっており、その背景に、大学などの研究開発費が「2000年代以降ほぼ横ばいで推移してきたこと」があると認めました。

 ところが、大学予算を削減してきた政府自らの責任は不問にし、何の反省もありません。研究者の自由な発想に基づく研究を支える今後の基盤的経費については「十分確保」にとどまります。抜本的増額に転じ、研究力の低下に歯止めをかけることを求めます。

■軍産官学の複合体

 最大の問題は、高市政権が「戦争国家づくり」を推進するもとで、基本計画が科学技術を「安全保障上の目標を達成するために不可欠な基盤」と位置づけ「政策の転換を図っていく」としたことです。

 基本法の目的は「科学技術の水準の向上及びイノベーションの創出の促進」(第1条)です。「国家安全保障のための科学技術」という目的は含まれていません。日本私大教連中央執行委員会は「科学技術・イノベーション基本法を逸脱している」と批判しています(「見解」17日)。

 基本法第6条1項は、国の「振興方針」にもとづいて活動を行う「責務」を大学などに課しています。基本法を逸脱する国家安全保障のための研究を大学に強いることは、学術研究の発展の基盤を損なうもので、許されません。

 基本計画は、内閣官房国家安全保障局を中心に、省庁、軍需産業、企業、大学や国立研究開発法人なども参画する軍産官学複合体をつくろうとしています。

 また、防衛省の安全保障技術研究推進制度に「研究者が躊躇(ちゅうちょ)なく参画できるよう」、文科省や経産省などの省庁が協力して取り組むとしています。同制度への大学からの応募は当初年10件程度でしたが、昨年は123件に急増しました。憂慮すべき事態です。

■発展の土台を壊す

 高市政権は、「法の支配」を投げ捨てた米国に追従し、侵略戦争に加担するための「戦争国家づくり」をすすめ、殺傷兵器の輸出を原則解禁する方針も掲げます。

 こうしたなかで軍産官学複合体に参加することは、「力の支配」への協力であり、平和の国際秩序を壊す側に立つことになります。

 防衛省との関係を強化してきた宇宙航空研究開発機構と、防衛省の研究推進制度の研究を最多の6件行っている東京科学大学は、中国政府の輸出制限リストに加えられました。軍産官学複合体への参加は、国際協力という、科学の進歩に不可欠な土台を失うことになります。大学、国研は参加すべきではありません。

 基本法を逸脱し、大学や公的研究機関を軍事動員する基本計画は撤回すべきです。