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2026年3月26日

衆院比例45削減案 自維が総議席の8割超に

2月衆院選での結果で本紙試算 中小政党大きく減少

 自民党と日本維新の会が17日の党首会談で、衆院議員定数を現行の465議席から約1割の45議席を削減する法案を今国会に提出する方針を決めました。削減部分は今後協議するとしていますが、維新側が強く主張する「比例代表のみの45削減」とした場合、中小政党の議席減少が大きくなり、自維だけで総議席の8割超を占めることが本紙の試算(表1)でわかりました。多様な民意を切り捨て、いまでさえ目に余る与党の「数の横暴」がさらに強まるのは避けられません。(高柳幸雄)


写真

(写真)衆院本会議場

 45削減後の比例定数は131に減少します。2020年国勢調査の人口を基に比例11ブロックの定数を議席配分方式で試算(表2)すると、北海道は8から6へ、東北は12から9へ、北関東は19から14へ、東京は19から14へ、南関東は23から17へ、北陸信越は10から8へ、東海は21から15へ、近畿は28から21へ、中国は10から8へ、九州・沖縄は20から15へとそれぞれ2~7議席も減少。定数6から2削減の4となる四国は、比例区というより、旧中選挙区の規模になってしまいます。

表1

減少率も与党と差

 削減後の定数のもとで、2月の衆院選で各党が得た比例票で比例議席を試算すると、自民64、維新11、中道改革連合27、国民民主11、参政・チームみらい各8、日本共産党2となりました。

 先の衆院選では、小選挙区に重複立候補した自民党の比例候補の多くが小選挙区で当選したため同党の比例名簿登載者が14議席分足りず、同党から東京、南関東、北陸信越、中国の4ブロック内で中道に6議席が、国民、みらい、維新に各2議席が、参政、れいわ新選組に各1議席が配分されました。(近畿でみらいは2議席分の比例票を得たものの、重複立候補した小選挙区の得票がいずれも有効投票数の10%に満たなかったため、みらいから中道、維新に各1議席が移動)

 比例議席の移動調整を行わなかった場合の各党の比例議席は、自民81、維新13、中道35、国民18、参政14、みらい11、共産4、れいわ0です。

 これをもとに比例45削減による比例議席の減少率をみると、自民は81から64へ21%減、維新13から11へ15%減にとどまるのに対し、他の中小政党は軒並みそれを大きく上回る減少率となります。小選挙区議席を含む総議席での減少率は、さらに与党との差が広がることがわかりました。

表2

独裁的体制が固定

 比例45削減の規模は、衆院全体でみるとどれぐらいなのか―。2月の衆院選で議席移動調整前の自維与党の小選挙区を含めた議席は363で、総定数465に占める議席占有率は78%。比例45削減すると与党の議席は344で、削減後の総定数420に占める議席占有率は82%へ高まることになります。与党の独裁的な体制を固定化することにつながりかねません。

 維新の吉村洋文代表は「政治改革のセンターピン(突破口)は議員定数削減」だと強調し、「突破しない限り、後ろにある社会保障改革など日本を前に進めていく改革なんてできない」と繰り返し発言。定数削減を自民と連立合意した医療費4兆円削減、大軍拡、憲法改悪などを推し進める“突破口”にする狙いをあらわにしています。

衆院定数と選挙制度

 現行の衆院議員定数は465。このうち289人を小選挙区選挙、176人を比例代表選挙という二つの選挙(小選挙区比例代表並立制)で選びます。

 小選挙区は、最多得票の候補者1人しか当選できず、それ以外の候補者への投票は選挙区での当選に結び付かない大量の「死票」となってしまうため、大政党本位の政治へと民意をゆがめることにつながります。2月の衆院選の小選挙区で自民党はわずか36.7%の得票率で67.8%もの議席を占めました。「死票」は約2735万票にも達しました。

 一方、全国を11ブロックに分けた比例代表選挙は、政党の得票数に応じて議席を配分することで多様な民意を正確に反映できる制度です。並立制が実施された1996年時点の定数は小選挙区300議席、比例200議席でしたが、それ以降の定数削減数は小選挙区11に対し、比例は24にも及びました。さらに比例定数だけを45削減した場合、小選挙区の定数割合は62%から69%に増加。逆に比例定数は38%から31%に減り、多様な民意の切り捨てがさらに強まることになります。

比例代表中心の選挙制度に改革を
日本共産党

 現行の衆院議員定数465は日本の普通選挙100年の歴史で最少です。1925年男子普通選挙法制定時(衆院466)は議員1議席が代表する人口は12万人でしたが、現在は1議席あたり約27万人と2・25倍にも増えています。日本の人口100万人あたりの国会議員数は経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中36番目という最低水準です。歴史的にも国際的にも日本は議員数は少なすぎるのです。

 定数削減で切り捨てられるのは主権者=国民の声です。国民の意見を国会に反映させるツール(手段)である議員の削減は、民意の反映に逆行します。とりわけ比例をターゲットにした定数削減は、少数意見、少数政党を排除し、多様な民意の反映をいっそう困難にしてしまいます。

 議員定数を含む選挙制度のあり方は、民主主義の土台であり、国民的議論が不可欠です。政権与党の身勝手な結論を押し付けることは許されません。

 日本共産党は、民意と議席に著しい乖離(かいり)を生み出す小選挙区制は廃止し、民意を正確に反映する比例代表中心の選挙制度へと改革することを求めています。