防衛省は、自衛隊が長期間戦い続けるために、弾薬などを供給する軍需工場の製造施設を国有化する検討に入りました。国力を戦争に傾ける「国家総動員」体制づくりの一歩になりかねない危険な動きです。
同省は、安保3文書の改定に向けた自民党安全保障調査会の会合(23日)でロシアのウクライナ侵略が長期化し、大量の弾薬が消費されていることなどを踏まえ、「継戦能力」を確保するため「国による製造設備の保有など国の関与の拡大」を検討すると説明。国が工場や設備などを取得し、民間が運営する「GOCO(Government Owned, Contractor Operated)」方式が有力視されています。
自民党と日本維新の会による昨年10月の連立政権合意書で「国営工廠(こうしょう)、GOCOに関する施策の推進」を盛り込みました。高市早苗首相も大軍拡の柱として「継戦能力」の強化を繰り返し訴えています。
欧米では戦時に短期間で生産を増強する必要がある兵器・弾薬にGOCO方式が導入されており、米国ではF35ステルス戦闘機や155ミリ砲弾などの製造で使われています。固定費などの負担が軽減した分、価格を押し下げるため武器輸出の促進にもつながります。
2023年に成立した軍需産業支援法でも、採算がとれず事業再開や事業承継できない企業の製造施設を国が買い取り、事業者に管理を委託する制度を創設。一方、国が取得した設備を早期に売却する努力義務が課されています。今回の国有化導入によって国が長期的に保有し、旧日本軍が全国各地に保有していた国営武器工場=「工廠」復活となる恐れがあります。

