駅や公共施設のトイレ数に男女格差があることを改善しようと、行政や施設の設計・管理者に対し便器数の基準を示すガイドライン(指針)の策定が進んでいます。国土交通省が13日の有識者協議会で示した指針案は、トイレにかかる時間の性差を踏まえ、利用者数が男女同数の施設では「女性便器数が男性便器数以上となる基準」とすることを柱としています。同省は3月中にも意見公募(パブリックコメント)を行い、正式決定したい意向。男女差の実態を調査し女性トイレの行列是正を訴えてきた1人の女性の活動と、日本共産党の国会論戦が推進力になっています。
指針案は、2025年の国交省の実態調査を元に、駅や道の駅、空港、旅客船ターミナル、バスターミナル、スタジアムなどで女性便器数が男性便器数(個室と小便器の合計)より少ないと指摘(表)。女性トイレの行列の一因に「男女の便器数が利用者構成と乖離(かいり)していること」を挙げています。
「個室の出入りや衣服の着脱等」「月経への対応」により、女性は「一般に男性よりも時間を要する」ことにも言及。「性差を踏まえ、原則として、利用者が概(おおむ)ね男女同数である施設においては、女性便器数が男性便器数以上となる基準とすることが必要」と明記しました。
現在広く活用されている空気調和・衛生工学会の基準(1983年策定)では、利用者が男女同数の場合、便器数はおおむね1対1が目安となっています。今回の指針は施設の設計・管理者等の他、専門学会も対象とし、トイレ設置基準の点検・見直しを求めています。
トイレ数の差や行列が注目されたきっかけは、東京都に住む百瀬まなみさんの調査。2022年から外出先で男女の便器数を調べ、男性用(個室と小便器の合計)が女性用の1・75倍に上ると明らかにし、女性が行列を我慢する状況の是正を求めてきました。
調査を知った日本共産党の井上哲士参院議員(当時)が23~25年に国会で繰り返し追及。行列解消のため女性トイレの増設や、男女比の目安となるような政府の考え方の提示・周知を迫っていました。
指針案では、男性用個室の行列や需要増に触れ、男性用の個室と小便器の比も「改めて検討が必要」だと指摘。車椅子利用者や異性による介助・同伴が必要な人、性的マイノリティーなどの利用を想定したトイレ整備にも「留意が必要」としています。
トイレ数の男女比
男性便器数1に対する女性便器数(平均値)
駅 0.63
空港 0.66
バスターミナル 0.71
旅客船ターミナル 0.77
映画館 0.89
道の駅 0.96
スタジアム・アリーナ 0.98
美術館・博物館 1.02
サービスエリア・パーキングエリア 1.07
商業施設 1.19
劇場・ホール 1.93
国土交通省ガイドライン案から

