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2026年3月23日

きょうの潮流

 小笠原諸島の南鳥島はかつて、大型の海鳥アホウドリが無数に群れていました。ほぼ全身が白い羽毛におおわれ、2メートル以上にもなる翼を伸ばし沖合の大海原を悠然と飛ぶそうです。人を恐れず、簡単に捕まえられたため、一獲千金をねらって羽毛を採取する人間に乱獲されました▼そんな歴史を刻む島で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定への動きが始まりました。文献調査の実施を経済産業省が小笠原村に申し入れたのです▼海上自衛隊や気象庁などの施設があり、職員が駐在するものの、一般住民はいません。同省は申し入れた理由に島全体が国有地であることなどを挙げます。同村父島で先日開かれた住民説明会では、住民から自然環境の破壊や風評被害を心配する声が出たといいます▼政府方針は、使用済み核燃料を再処理してガラスに溶かした高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を、深さ300メートル以上の地下で長期保管する「地層処分」を進めるというもの。強い放射線を長期間放出するガラス固化体が、天然のウラン鉱石と同じ放射能レベルに低下するのは数万年後とか▼約1・5平方キロメートルの狭い島です。処分場の地上施設に必要な敷地が確保できるのか、平たんな島で津波や高潮に耐えられるか、調査にかかわる問題や地域社会の分断など、懸念や疑問は尽きません▼そもそも核のごみが増え続ける政府の「原発の最大限活用」政策を前提にしたままでいいのか。原発政策を考え直す機会にしたい。