世界が注視する場で、戦争を仕掛けた張本人を平和の使者とたたえる―高市早苗首相の言明には驚きと怒りを禁じ得ません。
アメリカがイラン攻撃を続けるもとで開かれた日米首脳会談で、高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルド(トランプ米大統領)だけだと思っており、諸外国に働きかけてしっかりと応援したい。私はそれを伝えに来た」とのべ、イラン攻撃を事実上、支持しました。
■国民の意思は明確
アメリカ、イスラエルの先制攻撃は明白な国連憲章、国際法違反の無法な戦争です。
イラン国民の犠牲をはじめ、湾岸諸国に戦火が広がり、多くの石油を中東に依存する日本だけでなく、世界経済に大きな打撃を与えています。
この戦争を終わらせるためには、まず先制攻撃したアメリカに攻撃の即時停止を求めることこそ必要でした。ところがそれを求めず、国際法違反にいっさい言及せず、イランを非難する一方、トランプ氏を持ち上げ、「応援したい」とまでのべたのです。
高市氏のアメリカにおもねる態度は際立っています。NATO(北大西洋条約機構)諸国は、ホルムズ海峡への艦艇派遣を求められたのにたいし、「われわれはこの戦争に参加しない」(メルツ・ドイツ首相)、「ホルムズ海峡の作戦に参加することは決してない」(マクロン・フランス大統領)、「国際法の枠外の介入」(メローニ・イタリア首相)、「一方的な国際法違反」(サンチェス・スペイン首相)など国際法上、問題があるとの認識を明らかにしています。
日本国民の意思も明確です。イラン攻撃を「支持しない」は82%、「支持する」は9%にすぎません(「朝日」世論調査)。
高市氏の言明は、国際法が求める立場にも、国民の意思にも反するものです。
重大なのは、“トランプの戦争”への支援を表明したことです。トランプ氏は日本が原油の90%以上をホルムズ海峡から輸入しているとして「日本が踏み込んで対応する大きな理由がある」と貢献を求めました。
高市氏は「法律の範囲で」としつつ「できることはしっかりやっていく」と応じました。トランプ氏は「日本から非常に大きな支援を受けている。日本は一段と踏み込んで対応しようとしている。NATOとは違う」とのべました。
高市氏が約束したことは危険で深刻です。「できること」とは何か。何を「対応する」と約束したのか、その全容を明らかにすべきです。
すでに日本はイラン攻撃に組み込まれています。横須賀、岩国、佐世保、沖縄の米軍基地から出撃しています。戦争を支え、戦火拡大の足場になって、加担しているのです。
■軍事協力をするな
いま全国各地でイランへの攻撃に反対する世論と運動が広がっています。那覇市など地方議会でも、アメリカなどの先制攻撃を国際法違反と批判し、攻撃の即時中止を求める決議が広がっています。
イラン攻撃の即時停止をアメリカに要求すること、いっさいの軍事協力をしないことを高市氏に強く求めます。

