日本共産党の第8回中央委員会総会の2日目(14日)に志位和夫議長が行った中間発言は次の通りです。
(写真)発言する志位和夫議長=14日、党本部
たいへんに積極的な討論が続いていると思います。決意にみちた、お互いに学ぶことを豊かにふくんだ、そして明るい展望が開けてくる討論になっていると思います。全国のみなさんからの感想でも、幹部会の提起がきわめて積極的に受け止められており、ほんとうに心強い思いで読んでいるところです。
私は、ここで、今回は3日間という総会の日程を決めましたので、(14日の)午後からの討論、明日の討論でさらに深めていただきたい点を発言したいと思います。
昨日、今日の討論でも、みなさんから異口同音に、「今度こそ、すべての支部、グループが参加する党づくりの運動をつくりあげたい」という決意が語られました。
幹部会は、第29回党大会決定にもとづいて、この大会期を、「党づくりで後退から前進への歴史的転換を果たす」大会期にしよう、そのためには、すべての支部、グループがみんなで立ち上がることがどうしても必要になる、そしてそのためには、「双方向・循環型」で活動の発展をはかるという党づくりの大原則にたちかえろう--こういう立場に立って、中央委員会総会として、支部・グループにあてて新しい「手紙」をおくり、「返事」をお願いし、ともに前進をつくりだしていこうということを提案しました。
これまでの「手紙」と「返事」の取り組み--豊かな財産とともに中断があった
「手紙」を力に、すべての支部・グループが参加する党づくりに、いかにして私たちの活動を発展させるか。
そのために、まず、これまでの「手紙」と「返事」の取り組みがどうだったのか、このことをふりかえっておきたいと思います。
端的にいいますと、この運動に取り組むことで、私たちは、今後に生きるたいへんに豊かな財産をつくってきています。これが第一の側面ですが、もう一つの側面は、この運動がまだ中途の取り組みであること、すべての支部の取り組みに発展させることは、これからの課題になっているということです。
2023年の「第1の手紙」と「第2の手紙」--6割近くの支部から「返事」が
この間、私たちが、この運動を開始したのは、2023年1月に開催した第28大会7中総でした。この7中総で、「『130%の党』をつくるための全党の支部・グループへの手紙」を決め、全国のみなさんにおくりました。
その直後、23年4月に、統一地方選挙があり、全党は全力でたたかいました。その後、23年6月に8中総を開催し、統一地方選からの総括、教訓を引き出すとともに、「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動」を呼びかけました。このときに7中総で出した「手紙」に必要最小限の補強を行いました。
同時に、8中総では、全国の支部・グループから寄せられた「返事」に学んで、六つの点で法則的活動の開拓をともにはかろうと呼びかけました。これを読み返してみますと、第一は、「いかにして結びつきを広げるか」、第二は、「どうやって『入党の働きかけの日常化』をはかるか」、第三は、「いかにして全党員を結集し、新入党員の成長を保障する支部活動をつくるか」、第四は、「配達・集金の困難をどうやって打開していくか」、第五は、「『職場支部の灯を消したくない』との思いをどう生かすか」、第六は、「若い世代、真ん中世代の地方議員の役割について」。この六つの点で、法則的な活動が見えてきた。もっと開拓していこうと呼びかけたのが8中総でした。この六つの点には、いま読み直してみても、党づくりを前進させるヒントが詰まっています。
この8中総にもとづいて、私たちは、この年の夏に、一連の全国会議を開催しました。「要求運動・車の両輪オンライン交流会」、「若い世代・真ん中世代の地方議員の学習交流会」、「職場支部学習・交流講座」、「全国都道府県・地区青年学生担当者会議」、「配達・集金・読者との結びつき交流会」などを開催し、「双方向、循環型」の取り組みを、さらに豊かにする努力を行いました。
そして、23年10月に9中総を開催して、「『第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動』の目標総達成をよびかける全党の支部・グループのみなさんへの手紙」--「第2の手紙」を決定し、全国のみなさんにおくり、党大会成功にむけて奮闘しました。
こうして2023年は、「第1の手紙」、それを補強したもの、「第2の手紙」を力に、党大会にむけて党づくりの運動に取り組んだわけです。この「手紙」と「返事」の運動の最終的な到達点がどこまでいったかといいますと、中央に「返事」を寄せていただいた支部は57・1%となりました。6割近い支部から「返事」が寄せられたというのは、これは大きな努力であり、たいへんに重要な到達点です。しかし、忘れてはならないのは、4割以上の支部は、「返事」を出すにはいたらなかった。これが2023年の運動でした。
2024年の「第3の手紙」--5割近くの「支部」から「返事」、国政選挙による中断
そうした努力を受けて、2024年1月に開いた第29回党大会では、2023年の運動から教訓を引き出し、「中央と地方・支部が双方向・循環型で困難を打開し、前途を開く取り組みを徹底的に追求するなかでこそ、つよく大きな党づくりの道は開ける」と強調し、この取り組みを、党づくりの大原則にすえて、この道の開拓をいっそう発展させることを確認しました。
この大会決定を受けて、24年4月に2中総を開催し、「党づくりの後退から前進への歴史的転換を--全党の支部・グループのみなさんへの手紙」--「第3の手紙」をおくることを決めました。
「第3の手紙」も支部・グループのみなさんから積極的に受け止めていただきました。「第3の手紙」の「返事」に対する、中央委員会としての応答--どのように「返事」から学んで返したかといいますと、24年9月に開催した「全国地区役員講座」の山下副委員長の講義のなかで、この段階で「返事」から学んだものを、「党機関の活動にどのように生かしていくか」という角度から、明らかにしています。「手紙」と「返事」の取り組みを通じて、党機関が、「支部の声をよく聞き、支部とのコミュニケーションを強めていること」、「『手紙』と『返事』は世代的継承を全支部運動にしていくカギ」であること、「双方向・循環型の活動は、支部と党機関の関係だけにとどまらず、党機関の活動にとっても大きな力となっている」ことなど、中央が学んだことを返しています。
ところが、その後、2024年10月に、突然の解散・総選挙になりました。全力をあげてたたかいました。その結果を受けて、25年1月に4中総を開催し、総選挙の総括を行うとともに、「要求対話・要求アンケート」を戦略的大方針として取り組むことを打ち出しました。25年7月には参議院選挙をたたかいました。その結果を受けて、9月に6中総を開催し、「要求対話・要求アンケート」を新しい情勢のもとでさらに発展させることを確認するとともに、「質量ともに強大な党をつくる集中期間」の呼びかけを行いました。ただ、この両者を統一的に推進するという点で中央のイニシアチブに弱点があったということは、昨日の幹部会報告でものべたとおりです。
ここでの問題は、総選挙、参議院選挙、総選挙という三つの国政選挙があいつぐもとで、「双方向・循環型」の取り組みが、「手紙」と「返事」の循環という点では、中断しているということです。
党大会に向けて取り組んだ「第3の手紙」の最終の到達点がどうだったかといいますと、「返事」を寄せていただいた支部・グループは、47・1%でした。「第1」「第2」の「手紙」については「返事」は57・1%、「第3の手紙」については「返事」は、突然の解散・総選挙という条件のもとで、47・1%にとどまりました。
今度こそ文字通り100%、一つの支部も取り残さない取り組みに挑戦しよう
このように、これまでの「手紙」と「返事」の取り組みというのは、第28回大会8中総で明らかにした六つの法則的な活動方向、24年9月の全国地区役員講座で明らかにした重要な教訓、そういう形で全党のみなさんに返しているのですが、中断しているのです。いま読み返してみましても、8中総決定、全国地区役員講座などは、党づくりのうえでたいへんに豊かな教訓がつまっていると思いますが、この運動を全党のものにするにはいたっていないのです。同時に、この運動を文字通り、全党の運動に発展させるならば、党づくりを前進させる道は必ず開かれる。私は、これまでの取り組みをふりかえり、一連の決定を読み返してみて、そのことを強く感じます。
いまお話しした、これまでの「手紙」と「返事」の取り組みの教訓、成果、弱点を踏まえて、今度こそ文字通り100%、つまり一つの支部も取り残さないように、この「手紙」を討議していただき、そして「返事」を寄せていただき、その実践を丁寧に援助していく。そういう運動を、今度こそやり抜きたい。こういう決意にたって、4番目の「手紙」をおくることを幹部会は提案したわけであります。
いま党づくりで前進できる可能性がある--そのことをみんなの確信に
強く大きな党づくりをどうやったらやれるか。ぜひ午後からの討論でも深めていただきたいのですが、その手がかりとして、私は、2点、のべたいことがあります。
その第一は、「いま党づくりで前進できる可能性がある」、このことをみんなの確信にしていくことです。いま、「党づくりが必要ない」と思っている人はいないと思います。「党づくりはどうしても必要だ」、「これができなければ党の未来がなくなる」、「何としても強く大きな党をつくりたい」、みんながそうした強い思いを持っています。ただ、どうすればやれるかという展望を持っているかといえば、なかなか展望はまだ見えてこない。そういう同志が多いと思います。私たちが見えているかといったら、私たちだって、すべて見えているわけではありません。中央委員会もまだ探究と模索の途上です。
前進の客観的可能性--「危険」と正面から対決し、「希望」をしっかり受け止める
ただ、確かな手がかりはあります。私が、手がかりとして、今度の議案からくみとっていただきたいことが二つあります。
一つ目は、いま、党づくりで前進できる客観的可能性がある、大きなチャンスがあるということを、みんなの確信にすることです。
提案されている「手紙」(案)が第2項でのべているように、高市政権が衆院で3分の2を大きく超える議席を占め、憲法9条改悪をはじめ平和・暮らし・人権をおびやかす戦後かつてない危険が生まれているなか、多くの人々がこの状況を見て、「これは大変なことになった」、「この危機にさいして頼れる党はどこか」、「日本共産党しかない」、こういう流れが起こりつつあるわけです。そのことは昨日、今日の討論で、たくさん出されました。
私は、総会への「あいさつ」で、「危険と希望が交錯する……戦後最大の歴史的岐路」という言い方をしたんですが、まさに、一方で「危険」があるんだけど、もう一方には「希望」がある、両者が「交錯」している、そういう歴史的岐路に私たちは立っているわけで、私たちが「危険」と正面から対決し、「希望」をしっかり受け止めるという姿勢で頑張れば、党が前進できるチャンスが大きく広がっている。このことをみんなの確信にしていくことが大切です。
前進の主体的可能性--全党が取り組んできた「二つの新たなチャレンジ」
さらに、「手紙」(案)の第3項がのべているように、全党が取り組んできた「二つの新たなチャレンジ」が、党づくりを前進させる主体的な可能性をつくりだしているということです。
一つは、「要求対話・要求アンケート」の活動を、4中総、6中総で、党の戦略的大方針として位置づけて取り組み、この努力が全党に広がってきているということです。幹部会報告では、この間、この戦略的大方針について、中央の取り組みのイニシアチブに弱点があったことを率直に明らかにしましたが、私が、発言を聞いて感じたのは、中央の側に弱点があっても、「要求対話・要求アンケート」というのは法則的活動ですから、方針そのものにとても生命力があって、全国の現場では、すぐれた活動が続けられてきたということです。これを選挙勝利と党づくりを一体的に進める戦略的大方針として、今度こそ揺るがずに位置づけ、全支部の取り組みにしていくならば、前途が大きく開けてくることが、討論をつうじても明瞭になりつつあると思います。
もう一つは、二つの『Q&A』--「赤本」「青本」の学習が、全国7千を超える支部で取り組まれてきたことです。討論でも、この運動が大きな力になっていることがたくさん報告されました。ある同志は、この取り組みは、「党内に理論的な確信を、党外には私たちとの理論的な接点をつくりだしている」という言い方をされていましたが、発言を聞いて、たとえば、大企業の職場で、LINEで40人を超える学習会が取り組まれている、あるいは、地域支部主催の学習会に自治体の幹部職員や無所属の議員も参加していると、こういう経験も報告されて、本当にうれしい思いです。
討論を聞いて実感したのは、『資本論』を学ぶということは、政治的立場の違いを超えて取り組める、たいへんにハードルが低い運動だということです。いま、マルクスと『資本論』と言いましたら、日本共産党を支持していようがいまいが、現代人にとっての必須の教養といった受け止めが世の中にあるのではないでしょうか。この運動は、これまでの枠を超えて、大きく広がる可能性がある。そこから党への信頼を深めて読者になったり、入党したりする経験が、全国あちこちで生まれていることは、ほんとうに心強いことです。
全党の努力によって、「二つの新たなチャレンジ」に取り組んできた。それが党づくりの可能性を主体的な面からつくりだしてきた。それを語っているのが、「手紙」(案)の第3項であります。
こうして、党づくりの客観的、主体的可能性を生き生きと語っているのが、「手紙」(案)の第2項と第3項です。ここは、昨日と今日の議論でもずいぶん深められていると思いますが、全国で「手紙」を討論する際もここが「政治的には命」だととらえていただいて、ぜひ支部でも党機関でも深めてほしいし、そのためにも、この総会でもさらに深めてほしいと思います。
党機関の自己改革--全党運動にしていくためには、中央も変わらないといけない
第二の手がかりとして、討論で深めていただきたいのは、党機関の自己改革の問題です。「手紙」(案)で言いますと、最後の第6項で、「お願いがあります」と、「返事」を寄せていただくことをお願いしていますが、お願いだけではいけないと、常任幹部会でかなり突っ込んだ議論を行い、幹部会でも議論しまして、「中央も変わらないといけない」と、自己改革の決意を書き込みました。具体的に、三つの点をのべています。「双方向・循環型」の活動を口だけでなく本気でやるためには、他にもあると思いますが、少なくともこの三つは必要と考えて、「手紙」(案)に書き込みました。
大志ある目標をかかげながら、「できること」を一つずつ実現していく
一つ目は、「支部の悩みと実態に心をよせ、大志ある目標をかかげながら、『できること』を一つひとつ実現していくことを援助する活動」です。これは「大志ある目標」の重要性を低めるものでは決してありません。どの問題でも、「大志ある目標」を、私たちは揺るがずにかかげる必要があります。しかし同時に、「できること」を、リアリズムの立場で見さだめて、一つひとつやっていくことが大切になります。
こういう見地から、「誰が見てもやれない」というような目標は、思い切って見直していく。第30回党大会に向けた党勢拡大の目標も、そういう見地から、第29回大会の現勢の回復・突破、これは頑張れば手が届く目標です、これ自体も大変だけれどもやれない目標ではない、そういう目標に見直しました。
それから「手紙」(案)の中では、いくつかの支部で具体化してほしい課題が書いてあります。どれも大切なことです。同時に、それらの課題を一挙にすべてやらなくてもいいということを、書き込みました。「すべての課題を、一挙に具体化・実践できなくても、何か一つからでも、できることを具体化し、まず踏み出してみましょう」とのべています。
これは組織でも個人でもそうだと思いますが、一つのことでもうまくいけば自信がつくじゃないですか。そうしたら、次にはこれもやってみよう、あれもやってみよう、そうやって発展していくものだと思います。ですから「手紙」を具体化するさいにも、はじめは一つからでもいい。たとえば、週1回の支部会議をちゃんとやるようにしよう、憲法擁護の署名に取り組もう、「赤本」の学習から始めてみよう、「集い」をやってみよう、「できること」をまず一つでも始めてみよう。始めてみれば、自信が出てくるでしょう。「できること」を一つひとつ実現していくことを援助する活動というのは、そういう立場で、支部の活動を援助していこうということであります。そういう援助ができるような仕事の仕方に、中央自身が改革をはかっていこうということが、私たちの決意であります。
「短期の視野」とともに「中長期の視野」をもって活動する
二つ目は、「短期の視野だけでなく、中長期の視野をもち、支部のリズムを大切にし、のびのびと支部の力をのばせるようにする活動」です。これはもちろん、「短期の視野」を否定しているわけではありません。たとえば、毎月毎月、党員を増やす、「しんぶん赤旗」を増やす、そういう頑張りを否定してしまったら、途端にどんどん後退することになる。「短期の視野」で頑張ることは、当然必要です。
ただ、「中長期の視野」も同時に持たないと、党は前進しません。この間、私は、大企業の職場で頑張っている同志のみなさんと懇談する機会がありました。生々しい話を4時間にわたって各職場の同志から聞きました。その特徴というのは、とくに大企業の場合、特別の困難が大きい。搾取もひどい。攻撃もひどい。労働者がバラバラにされている。そういう中で活動するには、中長期の展望をもった、粘り強い取り組みが必要になってきます。たとえば、労働者との結びつきなども、「結びつき名簿」をしっかりつくり、どうやって人間的信頼関係を強めていくか、どこまで進んだか、そのことを一人ひとり明らかにして、一歩一歩前進させ、中長期の展望で取り組んでいる。そうした粘り強い努力が、花開いて、党員拡大につながったというような経験を語ってくれました。
こうした「短期の視野」と「中長期の視野」の両方が大切です。「中長期の視野」がないと、どういうことが起こるか。とくに職場支部に対しては指導と援助が、視野の外になるということが、少なくない党組織で起こってしまっているのではないでしょうか。「中長期の視野」の重要性は、地域支部でも、学生支部や青年支部でも同じことが言えると思います。「短期の視野」と「中長期の視野」--この両方の視野を持たないと、すべての支部が参加する運動はつくれないと思うんです。両方を統一させることは、なかなか現実には難しいことですが、それをやるためにも、まず、中央の姿勢を変えていかなければならないという決意でここに書きました。
「進んだ経験」の紹介だけでなく、困難に直面している支部に心を寄せて
三つ目は、「『進んだ経験』の紹介だけでなく、『困難な実態をどう変えたか』に焦点をあてて、教訓を全党のものにしていくイニシアチブ」です。
私たちが、党活動の紹介をするときに、どちらかというと、「進んだ経験」--“こんな立派なことをやっている”という紹介が多いわけです。もちろんそうした紹介は大切です。大いに知らせていく必要があります。ただ、どうして「進んだ経験」に到達したかの経過がどうだったかは必ずしもわからないことが少なくない。それから、取り組みを始めてはいるが、まだ前進をつくりだせていないという経験もたくさんあるでしょう。ささやかな一歩の前進がようやく始まったという段階の経験もたくさんあるでしょう。けれども始めていること自体が尊いことであり、大いに光をあてるべきです。ところが、そういうことがあまり視野に入ってこない場合も少なくない。
私たちが、そういう姿勢で党活動の紹介をしていきますと、どうなるか。多くの支部は困難に直面しながら悩み、それでもそれぞれの支部なりに何とか前進したいと頑張っているわけで、そうした支部の側からすれば、「そんな進んだ支部の話ばかりを出されても、とてもうちはできない」となってしまったり、「うちの支部はだめだと言われているような感じ」にもなりかねない。そういう気持ちにさせてしまったら、すべての支部が参加する運動になりません。そういう点でも、中央から変わることが必要だと考えます。たとえば、「しんぶん赤旗」での党活動の報道の仕方がどうだったかと考えますと、努力がされているとは思いますが、まだまだ改善・改革が必要だと思います。
すべての支部が参加する運動という点で、みなさんに報告しておきたいのは、支部会議という指標で見ますと、週1回の支部会議がきちんとやられている支部は17~18%です。月に2、3回の支部会議を開催している支部が約30%です。月1回の支部会議の支部が30%強です。そして、支部会議を開催していない支部が20%弱です。こういう実態にあるわけです。こういう実態も視野に入れて、いま支部会議がやられていないところも含めて、一つの支部も取り残さない運動をどうやってつくっていくのか、そのためには党機関の活動を改革する必要がどうしてもある。そういう思いを込めて、「手紙」(案)のなかに、少なくとも3点はと改革の方向を書き込みました。
中央の自己改革の決意を書き込んだからには、中央役員のみんなが、お互いに心して実践して、支部から本当に信頼され、頼りにされる機関活動への前進をはかろうではありませんか。
党大会決議が呼びかけた「三つのスローガンで党機関の活動強化」を
さらに、機関の自己改革といった場合、山下副委員長の第二報告のなかで強調されたことですが、第29回党大会決議が呼びかけた、「三つのスローガンで党機関の活動強化をはかる」という観点がとても大切になってきます。
一つは、「双方向・循環型で支部を援助する党機関になろう」。大会決議では、2023年に取り組まれた「手紙」と「返事」の運動から教訓を引き出し、(1)支部の「返事」をしっかり読むこと、(2)支部への指導・援助の方向について集団的に討議すること、(3)“まずここから踏み出したい”という支部の意欲を励まし実践に踏み出す援助を行うこと、(4)“なかなか展望が見えない”という悩みや困難を受け止め、一緒に解決していく援助を行うこと、(5)「支部に入れない」という機関自身の悩みを解決していく努力をはらうこと--などを強調しています。これらはすべて、今回の「手紙」と「返事」の運動を発展させるうえで、そのまま重視すべき内容となっていると思います。
二つ目は、「政治的・思想的に強い党機関になろう」。第二報告では、「党綱領と科学的社会主義の目で情勢を根底からつかみ、展望を語る力」を身につけることの重要性を強調しています。「情勢を根底からつかむ」。すなわち政治の表層で起こっていることと、社会の深部の動きとは大きなギャップがある。日本の情勢もそうした目でつかんでこそ、展望が見えてきます。世界でも同じことが言えます。表層だけを見れば、トランプ米大統領や、プーチン・ロシア大統領が、無法の限りをつくし、国連憲章と国際法にもとづく平和秩序の形骸化の危険が確かにあります。しかし、世界の本流はどこにあるか。核兵器禁止条約の発展に示されるような平和の本流は厳然として存在し、その根底には、綱領が明らかにしているような、20世紀の世界で起こった構造変化の力が働いています。「情勢を根底からつかむ」ためには、綱領を深く身につけることが必要ですし、科学的社会主義を学ぶことが必要になってきます。「赤本」「青本」などの学習、さらに『資本論』の学習も、こうした観点から位置づけていただければと思います。
三つ目は、「若い世代、女性役員が生き生き活動し成長する党機関になろう」。ここにいま光をあてることは、とっても大切です。というのは、来年1月の第30回大会を機に、中央でも、地方でも、新しい指導体制をつくっていく必要があります。そのことも展望して、若い世代、女性が、どんどん党機関の活動に参加し、成長できるような努力を、いまからやっていくことが大事だと思うのです。第二報告は、「若い世代や女性を“党づくりの主人公”として党機関の活動に積極的に参加してもらい、その意欲、新鮮な感性、創意を生かして、党活動を発展させましょう」と呼びかけています。「意欲、新鮮な感性、創意」ということが強調されています。私たちは、綱領と規約、科学的社会主義で結ばれた党ですから、理論や路線の面では世代間に全く違いはありません。同じ綱領と規約、同じ世界観のもとで、世代を超えて団結することができますし、団結すべきです。同時に、第二報告で強調されているような、「意欲、新鮮な感性、創意」という点では、若い同志、女性の同志は、それぞれならではの「意欲」があり、「新鮮な感性」があり、「創意」があると思うんです。
私も全国をまわって、若い同志と一緒に訴えることも多いです。国会でも、若い同志が活躍しています。そういうみなさんの発言を聞きますと、われわれの世代では思いもつかないような新鮮な感性をもって話していることに、学ばされることが多いのです。これにお互いに学びあう必要があります。若い同志から見て、年配の私たちにも学ぶところがあると思いますが、私たちも若い同志の、あるいは女性の同志の「意欲、新鮮な感性、創意」を学び、それをのびのびと生かした党機関の活動をつくっていく努力を強める必要があると痛感しています。
党の機関活動の改革といった場合に、「手紙」(案)に記した三つの点での改革をすすめる、さらに党大会決定で決定した「三つのスローガンで党活動の活動強化」に取り組む。ここに真剣に挑戦したい。すべての支部・グループが参加する党づくりの運動にしていく、それをやろうとしたら、中央をはじめ私たちの機関活動がこれまでと同じでいいはずがありません。これをやり切るのは本当に大変です。今度こそやり切らなければならない。しかし、これをやり切るには中央を先頭に党機関も変わらなければならない。
党機関改革の方向性は「手紙」(案)にも決意を記し、党大会決定でも明記されているけれども、これだけにとどまるものではないでしょう。これをぜひ討論で深めていただきたいと思います。
「もう一歩も引くわけにはいかない」という決意で、前途を切り開こう
私は、冒頭の「あいさつ」で、この総会について、「日本共産党の命運がかかった重要な総会」だとのべました。これは言葉を変えれば、今の情勢が求めている党の任務や党の実態にてらせば、わが党は政治的にも組織的にも、もう一歩も後に引くわけにはいかないところに立っているということなのです。いま、国政でも地方政治でも反転攻勢に転じ、世代的継承を中軸にした党づくりで前進に転じなければ、われわれの未来は開けなくなってしまいます。どんなに路線が正しくても、党がつくれなければ未来は開けません。
マルクスが『資本論』で明らかにしているように、資本主義を没落させて新しい社会をつくるためには、「客観的条件」が熟するだけでは足りません。社会を変革する「主体的条件の成熟」が必要です。どんなに資本主義の矛盾が激しくなっても、資本主義は自然には没落しない。資本主義の「弔いの鐘」は鳴らす人がいないと鳴らないのです。そして、私たち日本共産党こそが、「弔いの鐘」を鳴らす労働者階級の成長・発展の促進に責任をもっている党であります。日本の政治も同じです。どんなに自民党政治の矛盾が深くなっても、それに代わる変革の主体が成長しなければ、この政治が自動的に変わることは決してありません。だからここから先は、もう一歩も引かないという決意でもって、この総会を成功させ、前途を切り開こうではありませんか。
いまお話ししたことも参考にしていただいて、午後からの討論で深めていただければと思います。今回の総会は、久しぶりに3日間の会期をとっていますし、今日もまだ十分に時間がありますから、1回発言された方も遠慮しないで、2度、3度と発言していただき、准中央委員のみなさん、若いみなさんも、遠慮しないで、思う存分、どうか発言をしていただければと思います。短い発言でも結構です。これからの討論によって、わが党の命運のかかった総会が立派な成果をおさめるように、中央役員のみなさんの奮闘を訴えて、発言といたします。
(志位議長の中間発言を受けて、どうやって全党運動にしていくのかについて、挙手方式で討論が行われ、2時間半以上にわたって活発なフリー討論が行われました。フリー討論を受けて、志位氏は、「中央委員会総会として、こうした挙手方式でのフリー討論を行ったのははじめての経験ですが、討論をつうじて、前進をどうつくるかについて、たくさんのヒントが得られたように思います。ぜひ全国でもやっていきましょう」と語りました)

