日本共産党が第8回中央委員会総会(13~15日)で採択した「党勢の後退から前進への歴史的転換をやりとげ、第30回党大会を迎えよう--全党の支部・グループのみなさんへの手紙」は次の通りです。
(1)
全国の地域、職場、学園の草の根で、国民と結びつき、要求実現と党づくりのために奮闘されている全党の支部・グループのみなさんに、心からの敬意とともに連帯のメッセージを送ります。
私たちは、3月13日~15日、第8回中央委員会総会を開き、内外情勢と日本共産党の役割、総選挙の総括と教訓、統一地方選挙、次の国政選挙への方針を明らかにするとともに、来年1月の第30回党大会にむけて世代的継承を中軸にすえた党建設をどう成功させるかについて、突っ込んで議論し、この手紙を全党の支部・グループのみなさんに送ることにしました。
それはなんといっても、総選挙の悔しい後退をバネに、強く大きな党をつくりたいという強い思いからです。
全国から届いた総選挙の感想には、党建設の後退によって支部活動の困難が増し、総選挙でもやるべきことができなかった悔しさとともに、「党をつくって選挙に勝ちたい」「国民のたたかいのよりどころとなる党を大きくしたい」「この党を次の世代に引き継ぎたい」というみなさんの切々たる願いがつづられています。みなさんの思いを受け止め、中央委員会も一緒になって党づくりの前進の道をきりひらく。そのことを、私たちは第8回中央委員会総会の総意として確認しました。
どうしたら強く大きな党づくりをやりとげられるでしょうか。
私たちは、全国1万7千の支部・グループと地方党機関、そして支部と中央委員会が、「双方向・循環型」で心を通わせ、互いに学びあい、一緒に党づくりの打開への答えを見つけていく。ここにこそ活路があると考えます。
2023年1月の第28回党大会7中総の「手紙」いらい、私たちは、3回にわたって「手紙」と「返事」のとりくみを行ってきました。“困難は党づくりで突破しよう”と全国の6割近くの支部が「手紙」にこたえて「返事」を書き、その実践に踏み出すとともに、中央委員会は、「返事」のなかから支部の現状と悩みをくみとり、支部の経験に学び、ともに党建設の開拓と探求をすすめてきました。
「危機的状態だった私たちの支部が、『集い』の開催に踏み切り、現役世代の2人の党員を迎えられたのは、2年前の『手紙』がきっかけです」--そんな支部からの喜びの報告が、今年に入っても中央委員会に届いています。
しかし、この間、3回の国政選挙が連続し、こうした「双方向・循環型」のとりくみは中断しています。いま一度、党大会決定に記された「双方向・循環型」という党づくりの大原則にたちかえろう。中央も、県も、地区も、支部も、知恵と経験を一つにあつめ、第30回党大会にむけて、日本の社会変革の事業に未来にわたって責任を負える強く大きな党をつくろう。これが、みなさんに手紙を送るにあたっての私たちの決意です。
(2)
全党の支部・グループのみなさん。
党建設での前進はできるのか。わが党にやれる力があるのか。“自信がもてない”という思いもあるかもしれません。しかしいま、党づくりの大きな可能性が生まれていることを、強く訴えたいのです。
総選挙の結果、高市政権が衆議院で3分の2を大きく超える議席を占め、他の多くの政党も、政権への迎合・協力を強めるもとで、憲法9条改悪をはじめ、平和・暮らし・人権を脅かす、戦後かつてない危険が生まれています。
同時に、多くの人々が総選挙の結果を見て、日本共産党に対する新たな期待を寄せるとともに、新たな連帯の輪が広がっています。総選挙の開票直後から、党中央には、「改憲を止めるために日本共産党に頑張ってほしい」などの切実なコメントとともに、「しんぶん赤旗」購読の申し込みが急増しています。「たたかう生き方を選びたい」「絶望を希望に変えたい」と、若い世代や労働者の入党が広がっています。
高市政権による政治の逆流を許さない国民的運動、「憲法を真ん中にすえた確かな共同」が発展しています。国連憲章を土台とした平和秩序を蹂躙(じゅうりん)する米国トランプ政権の無法に対して、世界でも、日本でも理性の声が上がっています。
創立以来、ひと筋に反戦平和を貫いてきた党の頑張りどきです。「財界中心」「アメリカいいなり」の自民党政治を変える改革の旗印をもち、高市政権に正面から対決する日本共産党を、いま大きくしなくてどうするか。
国民の期待にこたえて、地域、職場、学園で要求にもとづくたたかいを起こし、たたかいと一体に党をつくろうではありませんか。
(3)
ここで目を向けたいのは、第29回党大会以降、全党がとりくんできた二つの新たなチャレンジが、党づくりを前進させる確かな足掛かりをつくりだしているということです。
一つは、「要求対話・要求アンケート」です。全国の進んだ支部の経験、欧州の左翼・進歩政党のすぐれた経験に学び、選挙勝利と党勢拡大を一体で追求する戦略的大方針としてとりくんできた「要求対話・要求アンケート」は、新しい人々との結びつきを広げ、支部に新鮮な活力を吹き込み、党建設を前進させる力となっています。
「訪問での要求対話を繰り返し行い、224人の後援会員、23人の『赤旗』日曜版読者を増やしたが、そのほとんどは新しい結びつきの方だった」(岩手の地域支部)
「4年前まで会議も開けなかった支部が、『村の人口を800人に回復しよう』との地域づくりの大志をもって、要求アンケートと『集い』にとりくみ党員数を2倍に。集めた声を政策ビラにして選挙をたたかい、20年ぶりに議席空白を克服した」(長野の地域支部)
まさに“一石二鳥、三鳥”、支部の党づくりに豊かな変化を生んでいます。総選挙で注目を浴びた街頭での「ストリート対話」は全国に広がり、双方向の対話の醍醐味(だいごみ)がつかまれ、わが党ならではの「対話の文化」をつくりつつあります。
もう一つは、二つの『Q&A』(「赤本」「青本」)の学習が、7千を超える支部でとりくまれ、綱領路線と科学的社会主義の事業への確信、未来社会をきりひらく展望、困難にへこたれない力を育んでいることです。
「赤本」の学習をきっかけに支部会議の開催や支部員の参加が増え、議論が明るく弾むようになった支部。入党のよびかけで、資本主義の抱える矛盾と社会主義・共産主義のことを自信をもって語れるようになり、新しい党員を迎えた支部。そんな“化学変化”が全国の支部で生まれています。『資本論』の生命力を生かして党建設の運動にとりくんでいるのは、党の歴史でも初めてのことです。
「赤本」「青本」が起こしている“化学変化”は、党内にとどまりません。資本主義の矛盾が深まり、世界で「マルクス・ブーム」が起こるもとで、日本のネットメディアも相次いで「赤本」「青本」を番組でとりあげ、わが党と海外の研究者との交流も始まるなど、『Q&A』が党外の人々にも反響を呼んでいます。
第29回党大会決定では、「自由のない社会」という社会主義のイメージが党勢拡大の大きな障害となってきたことを分析し、「人間の自由」をキーワードに社会主義・共産主義の魅力を明らかにしましたが、この決定にもとづく2年間の理論的探究と実践が、党づくりの歴史的チャンスの条件をつくりだしつつあるのです。
こうした二つのチャレンジは始まったところです。文字通りすべての支部の活動に広げてさらに発展させ、これと一体に党づくりにとりくむならば、必ず道は開けます。このことに確信をもって、党と日本社会の命運がかかった大事業--強大な党づくりにのぞもうではありませんか。
(4)
全党の支部・グループのみなさん。
第8回中央委員会総会は、第30回党大会にむけた党勢拡大の目標について真剣な検討を行い、党勢拡大の到達点と党の現状をふまえて、「これだけは必ずやり切る」目標として、党大会までに、党員数でも「赤旗」読者数でも、少なくとも必ず第29回党大会現勢を回復・突破することを新しい目標として確認しました。
これをやりぬくならば、四十数年にわたって大会ごとに後退を続けてきた党勢が、前進に転じて大会を迎えるという、党の歴史の上でも画期的な転換点となります。前回の第29回党大会で決意を固めた「新たな大会期を党づくりの後退から前進への歴史的転換を果たす大会期にしよう」との目標をやりぬくことができます。やり切るならば、来春の統一地方選挙を、前回選挙の党勢を上回ってたたかう展望も開けてきます。
ただ、この目標も、それを掛け値なしにやりぬくことは容易ではありません。全国すべての支部・グループが、それぞれの条件におうじて、みんなで立ち向かってこそ、実現への道が開かれます。第29回党大会現勢を回復・突破するという目標は、1支部あたりに平均すれば、現勢で、1人以上の党員、1人以上の日刊紙読者、5人以上の日曜版読者を前進させる目標です。すべての支部・グループの力を集めることができるならば、決してできない目標ではありません。
みなさんの支部で、「手紙」を討議し、支部の「政策と計画」を充実させ、そのなかで党大会に向けた党勢拡大の目標・世代的継承の目標を決め、挑戦しようではありませんか。そのさい、9月末を節にして、それまでにどれだけの党勢拡大を行うかの中間目標も決めて、それをやりぬき、党大会にむけてさらに運動を発展させましょう。
--統一地方選挙・中間選挙と次の国政選挙にむけ、支部の得票目標・支持拡大目標を決め、選挙勝利をめざす活動の日常化をはかりましょう。「要求対話・要求アンケート」に、訪問で、街頭で、LINEも使って、目標を決めてとりくみましょう。支部に対応する単位後援会を強化し、日常的に発展させましょう。
--憲法9条改悪をはじめ「戦争国家づくり」を許さないたたかい、仕事や子育ての悩みや要求、学費の負担、ジェンダー平等、気候危機、そして身近な住民要求にこたえる運動を広げましょう。
--世代的継承を中軸に、「つながり名簿」をもち、党員拡大、読者拡大の独自追求、独自の働きかけを具体化しましょう。「入党のよびかけ」(赤リーフ2)を広く渡し、感想を聞くとりくみを広げるとともに、支部で気軽に「ミニ集い」を開きましょう。見本紙や電子版お試しカードを活用し、要求対話や選挙の協力のお願いと結んで、「しんぶん赤旗」の購読を訴えましょう。
--「赤本」「青本」の学習計画をもち、学ぶ喜びがあふれる支部活動をすすめましょう。「赤本」「青本」が終わった支部では、「緑本」(志位議長『自由な時間と「資本論」―マルクスから学ぶ』)の学習、『資本論』の学習にすすみましょう。
--週1回の支部会議の確立、支部員どうしの連絡・連帯網を大切にし、党生活確立の3原則(①支部会議に参加する、②日刊紙を購読する、③党費を納める)を励まし合って進める、楽しく元気の出る支部活動をつくりましょう。新たに迎えた同志に、すぐに新入党員教育を行い、党員としての成長を支えましょう。
こうした活動を具体化するうえで、ぜひとも大事にしてほしいことがあります。それは、「地域、職場、学園をこう変える」「こんな支部になりたい」というみなさんの願い、夢と希望を込めた「生きた目標」をよく議論して決め、支部のみんなのものにしようということです。100の支部があれば、100通りの発展の道があります。それをみんなで議論して、「生きた目標」を決めましょう。
すべての課題を、一挙に具体化・実践できなくても、何か一つからでも、できることを具体化し、まず踏み出してみましょう。一つのことでも始めてみれば、そのなかから自信が生まれ、他の課題にもとりくみが発展していくでしょう。この「手紙」から何か一つでも具体化し、それをやりぬき、みなさんの支部の「生きた目標」の実現に向かっての第一歩を踏み出そうではありませんか。
(5)
全党の支部・グループのみなさん。
日本共産党の最大の強みは、党綱領と党規約、科学的社会主義の理論の絆で結ばれ、国民の苦難軽減のために頑張る、草の根の党支部・グループの存在です。すべての支部・グループが、そのかけがえのない存在意義を誇りをもって自覚し、党づくりの運動に参加することをよびかけます。
青年・学生党員、学生支部、青年支部のみなさん。
日本社会の未来、党の未来をつくるのはみなさんです。党大会以来、青年・学生党員が現勢で前進を開始していること、民青同盟が1万人の峰をめざして連続前進していることは、私たちの大きな希望です。みずみずしい知性と創造力、情熱をもって、青年・学生の切実な要求にこたえ、学び成長し、日本社会の未来の担い手、その変革者となって社会のさまざまな分野で活躍する。このだれにも代えがたい素晴らしい役割を自覚し、青年・学生の中に日本共産党の仲間を広げようではありませんか。
労働者党員、職場支部のみなさん。
大企業による過酷な搾取、厳しい労働条件、党活動の困難のなかでも、党の灯を守って、粘り強く努力を重ねていることに、心からの敬意と連帯のメッセージを送ります。労働者階級こそ日本社会を変革する主体であり、そのなかで多数を獲得するとりくみに成功してこそ、綱領路線の実現は可能になります。“労働者の分野ごとに「集い」をもって大きな党を”“党をつくって労働運動の階級的・民主的発展を”“労働者の中にこそ「赤本」を”を合言葉にして、党づくりにとりくもうではありませんか。職場支部が労働組合運動の発展に力をつくすとともに、地域支部にいる労働者党員が、職場・地域での労働組合運動について学び、参加し、労働運動の発展をはかろうではありませんか。
運動団体、民主団体の党グループのみなさん。
高市政権を国民の運動によって包囲し、自民党政治を変える新たな国民的共同、新たな統一戦線の発展をかちとるためには、統一戦線を支える運動団体、民主団体の発展が不可欠です。そしてそのためにはそのなかに強大な党をつくることがどうしても必要です。その歴史的役割を担っているのが、みなさんです。国民運動に参加する際の「四つの原則」(第29回党大会決定)を大切にし、党をつくって国民運動と統一戦線の発展をはかろうではありませんか。
地域支部のみなさん。
全国の草の根で、日夜、住民の利益を守って頑張り、さまざまな選挙でも地域に責任をもって奮闘するみなさんの存在と活動は、全党の宝です。この間、地域支部が世代的継承の努力を行うなかで、まだ部分ですが、若い世代、現役労働者、真ん中世代を地域支部に迎え支部で活躍する経験が生まれていることは大きな希望です。いま多くの地域支部が、長年にわたって頑張ってこられた高齢の同志の力で支えられていることは事実です。「これまで当たり前にできたことが、もうできなくなっている」。そんな悩みにぶつかっている支部のみなさんの声を、私たちは胸の痛くなる思いで受け止めています。同時に、高齢者ならではの力も間違いなくあるのではないでしょうか。何十年も日本共産党員として頑張ってきた人生は本当に貴いものであり、そこには多くの知恵と経験の蓄積があります。どうか、私たちの事業の松明(たいまつ)を、若い世代に引き継ぐために、世代を超えて力を合わせようではありませんか。党活動が思うようにできなくなった同志も含めて、一人ひとりの同志に深い敬意をもち、大切にし、連絡をとって励まし合い、党の未来をつくろうではありませんか。
(6)
最後に、お願いがあります。
この「手紙」を読んでの受け止めや感想、支部で具体化したことを、ぜひ返事にしたためて、5月末までに、党機関をつうじて、中央委員会に送ってください。支部で決めたことは、すぐに実践に踏み出しながら、返事を送ってください。中央委員会として、返事を受け止め、必ず活動に生かします。
私たち中央委員会は、「手紙」にそくして「双方向・循環型」の活動を豊かに発展させるために、活動の仕方を改革していきます。
支部の悩みと実態に心をよせ、大志ある目標をかかげながら、「できること」を一つひとつ実現していくことを援助する活動。
短期の視野だけでなく、中長期の視野をもち、支部のリズムを大切にし、のびのびと支部の力をのばせるようにする活動。
「進んだ経験」の紹介だけでなく、「困難な実態をどう変えたか」に焦点をあてて、教訓を全党のものにしていくイニシアチブ。
私たち中央委員会も、思い切った活動の改革にとりくんで、支部・グループのみなさんと心ひとつに力をあわせることをお約束します。
全党の支部・グループのみなさん。
党勢の後退から前進への歴史的転換を果たし、第30回党大会を成功させましょう。来春の統一地方選挙、次の国政選挙では勝利をつかみましょう。
私たちも全力をつくすことを述べて、手紙の結びとします。

