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2026年3月17日

主張

売春防止法の改正
買春処罰と「売る」側非処罰を

 昨年11月、タイ国籍の12歳の少女が都内の「個室マッサージ店」で働かされ、1カ月で約60人もの相手をさせられていた事件が社会に衝撃を与えました。これを機に政府は3月中に法務省内に検討会を設置し、売買春の規制のあり方を検討するとしています。

 売春防止法(1956年成立)は、人としての尊厳を害するなどとして売買春を禁じていますが、処罰対象は斡旋(あっせん)業者と路上などで勧誘した「売る」側だけで、「買う」客への処罰がありません。

 性を「買う」のは許されない性搾取であることを社会の認識にし、性売買を防止する実効ある法改正と施策につなげることが求められます。

■現場の実態把握を

 タイの少女の事件に限らず子どもを対象とした性売買は決してまれなものではありません。いま、新宿・歌舞伎町をはじめとする繁華街では内外の買春客が急増し、性風俗店で働く女性の低年齢化も進んでいます。家庭に居場所がない、ホストからの搾取、生活困窮、障害など、さまざまな困難を抱える少女たちが性売買の対象にされています。

 売春防止法と異なり、18歳未満の児童を対象とした児童福祉法や児童買春・ポルノ禁止法は、すでに「買う」側を処罰対象にしています。それにもかかわらず、多くの少女が補導の対象にされる一方で、児童買春する大人は野放しなのが実態です。児童に対する現行法の徹底が必要です。

 法の徹底や売春防止法改正にあたっては、性搾取の被害者や支援に携わる人たちの声を聞き、性売買の現状、現場の実態をしっかりつかむことが大前提です。

 いま、路上での勧誘を理由に女性への取り締まりが強化されています。そのもとで、「路上より安心」という触れ込みで反社会的組織による管理売春が横行し、少女たちにGPSをつけて位置情報をつかみ監視する事例も起きています。ここに買春処罰が導入されるだけでは、女性への取り締まりがいっそう強化され、より危険な性搾取の場へ追いやられる恐れがあります。

■保護支援と一体に

 若年女性支援の現場からは「女性を非処罰化し、保護・支援することが必要だ」との切実な声が上がっています。

 韓国では、2000年代初頭、連続した火災で性売買に従事する女性たちが焼死した事件を機に運動がおこり、02年、日本の売春防止法を模した「淪落(りんらく)行為等防止法」を廃止し、性売買を女性への暴力・性搾取ととらえる「性売買防止法」が制定されました。

 買春処罰の導入と同時に、女性たちの被害回復・自立支援の施策が強化され、「買わない人」になる予防教育が学校や公務職場で義務づけられるなど大きな変化が生まれています。

 日本でもこの機会に、「買う」側の処罰と一体に、「売る」側への処罰をなくし、保護・支援を抜本的に拡充することが求められています。

 性交を伴わない「性交類似行為」という日本独特の分類によって届け出だけで営業できる性風俗店が事実上、売買春の大きな抜け道となっている問題も、女性の人権の視点に立った見直しが必要です。