日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年3月15日

日本共産党第8回中央委員会総会

田村委員長の第一報告

 日本共産党の第8回中央委員会総会の初日(13日)に、幹部会を代表して田村智子委員長が行った第一報告(政治報告)、山下芳生副委員長が行った第二報告(党建設に関わる報告)は、それぞれ次のとおりです。

一、緊急の国際問題と国際連帯について

イラン攻撃中止、平和の国際秩序の確立を求める国際連帯をよびかける

写真

(写真)報告する田村智子委員長=13日、党本部

 幹部会を代表して、第一報告を行います。

(1)2月28日、米国トランプ政権とイスラエルは、イランへの先制攻撃を開始し、最高指導者はじめ政府要人を殺害し、子どもを含む多数の民間人が犠牲になっています。攻撃は、米国とイランの間で核兵器問題での交渉が行われているさなかに、交渉を断ち切り、破壊する形で行われました。トランプ大統領は、イラン国民に対して「政府を乗っ取れ」と体制転換までよびかけています。

 国連憲章・国際法は、武力行使の禁止・国家の主権の尊重を大原則としており、米国とイスラエルによるイラン攻撃は、明白な国連憲章・国際法違反です。日本共産党は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を断固として糾弾します。イランへの攻撃をただちに中止し、外交交渉による解決に立ち戻ることを強く求めるものです。

 日本政府が、米国とイスラエルによる先制攻撃を一言も批判せず、攻撃の中止を求めることも拒んでいることは、あまりに情けない態度です。今後、米国から日本政府に対して、米軍の軍事行動への協力の要求が行われることが想定されますが、自衛隊派兵をはじめどんな形であっても、米国の無法な戦争に協力・加担することは断じて許されません。

(2)トランプ大統領は「私は国際法を必要としない」と言い放ち、ベネズエラへの侵略と指導者の拘束・拉致、キューバへの燃料供給の封鎖、グリーンランド領有の要求、そしてイラン攻撃など、国際法を無視した野蛮な行動を繰り返しています。

 国連憲章を土台とした国際秩序は、いま重大な歴史的岐路にあります。いかなる理由があろうとも、主権国家を先制攻撃し、体制の転換をはかるなどということが許されれば、国連憲章と国際法は形骸化されてしまいます。日本共産党は、この歴史への大逆行を許さず、国連憲章にもとづく平和秩序を確立するための国際連帯を心からよびかけるものです。

核軍拡競争に反対し、「核兵器のない世界」をめざす国際連帯を

 ロシアのウクライナ侵略、米国トランプ政権の無法な戦争など、国連憲章違反の横暴を繰り返す大国が、核戦力への依存を強め、核軍拡競争を激化させていることは、人類にとっての深刻な脅威となっています。

 このもとで4月に行われる核不拡散条約(NPT)再検討会議、11月に行われる核兵器禁止条約第1回再検討会議を、核保有国に核軍縮を迫り、「核抑止力」論を克服し、核兵器廃絶への展望を開く国際会議として成功させることが求められます。

 被爆者が先頭にたってつくりあげた核兵器禁止条約は、署名95カ国、批准74カ国に広がり、「核兵器のない世界」へと向かう確かな流れを、国際社会の中につくりだしています。世界の本流はここにあります。日本共産党は、核兵器全面禁止・廃絶を求める世界の諸政府・市民社会と連帯し、被爆国の政党として二つの国際会議に積極的に参加し、この本流を前に進めるために全力をつくすものです。

二、総選挙後の政治情勢と日本共産党の役割

 総選挙後、日本の政治情勢にうまれている二つの新しい特徴をつかみ、日本共産党が党ならではの先駆的役割を発揮して奮闘することが大切です。

平和・暮らし・人権を脅かすかつてない危険--正面から対決して奮闘する

 第一の特徴は、総選挙の結果、高市政権が衆議院の3分の2を大きく超える議席を占め、他の多くの政党も、政権への迎合・協力を強めるもとで、憲法9条改悪をはじめ、平和・暮らし・人権を脅かす、戦後かつてない危険が生じていることです。

 高市政権は、異次元の大軍拡、「安保3文書」の改定、非核三原則の放棄、武器輸出の全面解禁、「スパイ防止法」制定、そして憲法9条改悪などの「戦争国家づくり」を強権的に推し進めようとしています。とくに改憲をめぐり、施政方針演説で「国会における(改憲の)発議が早期に実現されることを期待」すると公言し、早期の国会発議まで踏み込んだことは、極めて重大です。

 経済と暮らしでは、高市政権は、「強い経済」の名のもとに、大企業をもうけさせれば、いずれは国民の暮らしがよくなるという、破綻した「トリクルダウン」--アベノミクス・新自由主義に逆戻りし、岸田・石破政権が掲げた最低賃金引き上げの目標も投げ捨てました。また「責任ある積極財政」の名のもとに、赤字国債を大量発行して大軍拡や大企業へのバラマキを行う「無責任な放漫財政」を進めています。こうした経済政策は、すでに長期金利の上昇、異常円安を加速させ、暮らしと経済の危機をさらに深刻にしています。

 人権にかかわって、高市首相は、選択的夫婦別姓の法制化を求める国民多数の切実な要求をふみにじり、「旧姓使用法案」の提出を指示しました。高市政権によるジェンダー平等への逆行、「外国人政策」にかかわる人権への逆行も極めて重大です。

 高市政権の強権政治があらわとなっています。自民党と維新の会は、衆議院比例定数1割削減法案の提出をたくらみ、9兆円の軍事費など戦後最大規模の予算案の年度内成立をごり押しし、衆議院ではわずか12日間の予算審議で、今日にも採決を強行しようとしています。議会制民主主義をふみにじる強権政治に断固として抗議するものです。

 高市政権は、国会の議席では圧倒的多数を占めましたが、それは小選挙区制による「虚構の多数」であり、多くの国民との関係、世界の動きとの関係で、深い矛盾を幾重にも抱えており、その土台はもろくて弱い。

 世論と運動で高市政権を包囲し、希望のもてる新しい政治をひらくために、あらゆる分野で国民のたたかいを起こしましょう。日本共産党は、高市政権による、平和・暮らし・人権を脅かすかつてない危険、民主主義破壊の強権政治と正面から対決して奮闘する、その決意を表明するものです。

日本共産党への新たな期待、危機に立ち向かう新たな連帯が生まれている

 第二の特徴は、多くの人々が総選挙の結果を見て、日本共産党に対する新たな期待を寄せるとともに、新たな連帯の輪が広がっていることです。

 総選挙の開票直後から、党中央には、「改憲を止めるために日本共産党に頑張ってほしい」「自分にできることを真剣に考えている」などのコメントとともに、「しんぶん赤旗」購読申し込みが急増しました。全国各地で、「がっかりしていられない」「何かしたい」と、事務所を訪れる方、入党を申し込む方も相次いでいます。

 新しい党国会議員団の論戦にも反響が広がっています。米国とイスラエルのイラン攻撃に対する政府の認識をただした質問をはじめ、高市政権と正面から対決し、平和・暮らし・民主主義を擁護するわが党国会議員団の論戦に、「一歩も引かず頼もしい」との評価が寄せられていることは、たいへん心強いことです。

 国会をとりまく新たな行動、連帯の輪が広がっています。「平和憲法を守るための緊急アクション」など、官邸前や国会前の行動に、若い世代、子ども連れの方々などがペンライトを持って参加し、「高市総理は憲法守れ」「自由を守れ、平和を守れ」と声をあげています。ジェンダー平等を求める新たな運動--「女性の休日」に、幅広い女性たちが参加し、選択的夫婦別姓や人権尊重とともに、「戦争はいや」と声をあげるなど、政治を変えようという新しいムーブメントを起こしています。

 そのなかで市民と野党の共闘が新しい歩みを開始していることは重要です。私たちが、社民党、新社会党、参議院会派「沖縄の風」、市民連合とともに取り組んできた「憲法を真ん中にすえた確かな共同」は、共同街宣に立憲民主党議員も加わり、若い世代の参加が広がっています。自民党政治を変える新たな共同として、全国各地の草の根から、「憲法を真ん中にすえた確かな共同」をつくり広げることをよびかけるものです。

 「財界中心」「アメリカいいなり」の自民党政治を変える展望をもち、高市政権に正面から立ち向かう日本共産党の役割がこんなに大切なときはありません。新たな期待の声にこたえて、国民とともにたたかい、新たな連帯と共同を広げ、党を強く大きくする取り組みに、意気高く挑戦することを心から訴えます。

三、平和・暮らし・人権--国民的なたたかいをいかに起こすか

 高市政権の危険な政治をどうやって止めるか。わが党国会議員団が知恵と力をつくして奮闘することはもちろんですが、いまの国会での力関係を踏まえるならば、平和・暮らし・人権、あらゆる問題で切実な要求にもとづく国民的たたかいをおこし、危険な政治に反対する国民多数派をつくる以外にない--このことを強調したいと思います。

 報告では、いかにして国民的なたたかいをおこし、国民多数派をつくるか。私たちが留意して取り組むべき点についてのべたいと思います。

「戦争はいや」の思いを土台として「戦争国家づくり」に反対する国民多数派を

(1)いかにして「戦争国家づくり」を許さない国民多数派をつくるか。自民党政権は、「日本は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」、「日米同盟の抑止力・対処力の強化」が必要だということを、繰り返しています。そうしたもとで、国民の中にも、「防衛費が増えるのは仕方がない」「国を守るためには憲法を変えることも必要では」という声も少なからずあります。同時に、そうした思いを持っている方々も含めて「戦争だけは起こしてはならない」という気持ちを、日本国民の圧倒的多数が持っていることは重要です。私たちの基本姿勢として、「戦争はいや」の思いを共通の土台として大切にしながら、国民の疑問や不安をしっかり受け止め、それに丁寧にこたえ、平和をつくる道がどこにあるかをともに探究していく対話と学習に知恵と力をそそぐことが大切です。そうした対話と学習を、国民的規模で行ってこそ、「戦争国家づくり」に反対する揺るがない国民多数派をつくることができるでしょう。

(2)「戦争国家づくり」の現状と企てを広く明らかにしていくことは、それに反対する多数派をつくるうえでの大前提です。

 異次元の大軍拡、長射程ミサイルの配備など日本列島の軍事要塞(ようさい)化、非核三原則の放棄、武器輸出の全面解禁、日米の指揮・統制をはじめとする軍事一体化、米軍と自衛隊の基地強化、大軍拡による国民の暮らしと経済への破壊的影響、そして憲法9条改悪の動きなど、いま進められていること、進められようとしていることを広く国民に伝え、たたかいをおこしていきましょう。

 そのうえで、報告では、対話・学習を進めるうえで重視すべきいくつかの観点をのべます。2月21日に宮城県仙台市で行われた全国革新懇シンポジウムでの志位和夫議長の発言も参考にしてほしいと思います。

 --「法の支配」を投げ捨てた米トランプ政権言いなりに「戦争国家づくり」を進めていいのかを問いかける。いま進められている異次元の大軍拡も、憲法9条改悪の動きも、そのすべての震源地は米国です。それは、自衛隊を米軍の指揮・統制下に組み込み、日米が文字通り一体化して戦争を遂行するための準備です。

 いまとりわけ重大なことは、その米国が、トランプ政権のもとで、「法の支配」を公然と投げ捨てる「無法国家」になっていることです。「私は国際法を必要としない」と公言する大統領の言うがままに、「戦争国家づくり」を進めることがどんなに危険か。イラン攻撃のような米国の先制攻撃の戦争に、日本の自衛隊が加担・参戦する、これこそがいま日本が直面する最大の危険であることを広く明らかにしていきましょう。米国に対して、間違いは間違いといえる日本--自主自立の日本に切り替えてこそ、国民の命と安全を守ることができることを語っていこうではありませんか。

 --軍事的抑止力の強化で平和をつくることができるかを問いかける。昨年9月に発表された国連事務総長の報告は、「増大した軍事費はしばしば地政学的な緊張を激化させ、軍拡競争に拍車をかけ、武力紛争のリスクを高める」と警鐘を鳴らしています。軍拡競争が高い確率で戦争につながるという研究も明らかにされています。

 もともと抑止とは、相手に恐怖を与えることによって相手を抑えつけることを本質としています。しかし、一方が恐怖を与えれば、他方も恐怖で対応しようとし、恐怖対恐怖--軍事対軍事の悪循環が生まれ、戦争のリスクを高めることは、歴史が証明しています。日本共産党が「東アジア平和提言」で示しているように、相手に恐怖を与えるのでなく、安心を与える外交こそ必要です。特定の国を敵視し排除するのでなく、地域に関係するすべての国を包摂する平和の枠組みをつくっていくことが大切です。日本はそのための最良の資産である憲法9条を持っています。世界で大国を中心にして深刻な軍拡競争が起こっているいまこそ、日本が憲法9条を持つ国として、世界に向かって、対話と包摂で平和をつくろう、軍拡競争をやめて軍縮に切り替えようというイニシアチブを発揮すべきだと語りかけていきましょう。

 --中国との関係をどうするか、両国関係の打開の展望を語る。「中国との関係が不安」--これが多くの国民が軍拡をやむなしとする大きな理由の一つとなっています。どうやって日中両国関係の前向きの打開をはかるか。これも外交以外に道はありません。そして、日本共産党の「日中両国関係の前向きの打開のための提言」が示しているように、外交的打開の道はあります。

 最優先で行うべきは、高市首相の「台湾発言」の撤回です。この発言は、日本への攻撃がなくても、集団的自衛権を行使し、中国と戦争することがありうるとした憲法違反の発言です。それはまた、1972年の日中国交正常化のさいの共同声明を踏みにじり、両国関係の外交的土台を破壊する発言です。日本共産党は、高市首相に、この妄言の撤回を強く求めます。そのうえで、「日中提言」で強調した「互いに脅威とならない」との2008年の日中首脳合意など、両国の基本的な合意文書を再確認し、双方が順守することが、両国関係を前向きに打開する道理ある道であることを強調したいと思います。

 高市首相は、「台湾発言」の撤回をあくまでも拒否し、逆に撤回しないことを前面に立てて、自身の支持を高めるために利用し、中国との対立をあおりたて、大軍拡を進める口実にしています。これは政治として最もやってはならない恥ずべき態度です。

 日本共産党は、「日中提言」にもとづいて、中国に対して、東シナ海の問題、台湾問題などで「言うべきことを、直接面と向かって言う」態度を貫きつつ、両国関係を前向きに打開する外交提言を行い、それにもとづいて行動をしてきました。こうした党の姿勢を広く伝えていきましょう。

 --憲法9条がどうして生まれ、戦後どういう役割を果たしてきたかを丁寧に明らかにしていく。日本が憲法9条という世界で最も先進的な恒久平和主義の条項を持つにいたったのは、半世紀にわたる侵略戦争と植民地支配によってアジア諸国民に甚大な被害をもたらした加害の歴史、同時に、広島、長崎という非人道的惨禍を体験したなどの被害の歴史、加害と被害によるおびただしい犠牲への反省が込められたものです。

 この条項が、戦後81年、どういう役割を果たしてきたでしょうか。憲法9条は、歴代自民党政権によって、おとしめられ、踏みつけにされてきましたが、それでも、この条文を守り、生かそうという国民の努力によって、専守防衛、軍事費の抑制、非核三原則、武器輸出禁止、集団的自衛権の禁止など一連の歯止めが設けられ、世界でも他に類のない平和国家としての日本の姿がつくられてきました。自衛隊は創設以来一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していません。ここにも憲法9条の偉大な力が働いています。憲法9条改悪によって壊されるのは、戦後81年間積み上げてきた平和国家としての日本そのものだということを、広く国民の共通の認識にする努力をよびかけるものです。

 憲法9条がいかに先駆的で積極的な意義を持つかについて、教職員組合や父母などの積極的な取り組みは続いてきましたが、歴代政権は、敗戦直後の一時期をのぞいて、学校教育のなかで子どもたちにその素晴らしさを伝える教育をしてきたとはいえません。それだけに、党がこの問題での先駆的役割を発揮することが、憲法9条を守り、生かすうえで不可欠だということを強調したいと思います。

「富の一極集中」に切り込んでこそ、暮らしをよくする道が開かれる

 総選挙での“富の一極集中をただそう”という訴えは、今後のたたかいを発展させる大きな力となるものです。

(1)この間、自民党政治によって、大企業が利益を増やしても、大株主の富を増やすことと、大企業の内部留保を積み増すことにあてられてしまい、労働者や国民の暮らしは少しも良くならないという事態が進んできました。さらに、大企業と富裕層には減税、庶民には消費税増税が押し付けられてきました。

 これらが大株主と大企業への異常な“富の一極集中”をつくりだしているのです。2012年からの12年間で、大企業の利益は3・5倍、株価は5倍、株主への配当金は2・8倍、大企業の内部留保は586兆円となりましたが、労働者の実質賃金は年34万円も減りました。いまや大企業の増やした利益の8割が、株主への配当と「自社株買い」として株主還元に回されています。

 こうした“富の一極集中”に正面から切り込んでこそ、暮らしをよくする道がひらかれます。こうした暮らしと経済の現状打開の大道を堂々と指し示している党は、日本共産党だけだということを強調したいと思います。

(2)“富の一極集中”に切り込む意義を次の諸点からとらえてほしい。

 --“富の一極集中”に正面から切り込み、「労働者がつくりだした富を、労働者の手にとりもどそう」という立場にたってこそ、賃上げも、労働時間短縮も道が開けてくる。

 株主の利益を増やすことを至上命令とする経営は、賃金や、中小企業との取引価格、投資に回すべき資金を「自社株買い」などに費やし、「黒字リストラ」という異常な事態まで引き起こしています。こうした株主至上主義を推進してきた政治をただし、民主的規制を行ってこそ、賃上げと労働時間短縮は実現します。

 労働組合、労働者の職場でのたたかいに連帯し、大幅賃上げと労働時間の短縮を求めましょう。高市政権が最低賃金引き上げの目標すら放棄したことを厳しく批判し、ただちに全国一律時給1500円、1700円へ最賃引き上げの運動を広げましょう。高市政権による裁量労働制の拡大や残業時間規制の緩和など、長時間労働の押し付けに反対するたたかいを進めましょう。

 --富の再分配という点でも、“富の一極集中”に切り込んでこそ、消費税減税、社会保障や教育をよくする道が開かれる。

 高市政権は「2年間限定で食料品ゼロ」と消費税減税を検討せざるを得なくなりましたが、どうやってそれを進めるかの展望を示すことができません。最大の問題点は、その財源を示せないことにあります。総選挙でかかげた「タックス・ザ・リッチ」(富める者に課税を)がいよいよ重要になっています。史上最高の利益をあげる大企業になぜ減税を続けるのか、所得1億円をこえる超富裕層への減税と税優遇をなぜ続けるのか--「タックス・ザ・リッチで消費税減税を」という世論と運動を広げましょう。

 社会保障や教育も「タックス・ザ・リッチ」でこそ財源が確保できます。いま多くの政党が「社会保険料負担を減らす」として、患者や高齢者の負担を増やす医療改悪を唱えています。国民を対立させ、社会に分断を持ち込んで、高齢者の負担増や、高額療養費、OTC類似薬の患者負担増を押し付けようとしているのです。自民・維新政権は口では「教育の無償化」に向かうかのように言っていますが、国公私立大学の学費値上げラッシュを止めようとしないばかりか、国立大学の全面的な学費値上げ(文科省が定める標準額の見直し)の検討すら始めています。深刻な教員不足と教員の長時間・過重労働など、劣悪な教育環境も放置しています。「タックス・ザ・リッチ」で、社会保障、教育を支えよう、大軍拡をやめて社会保障と教育に、の声を大きく広げましょう。

 労働者への富の分配を増やすことと、公正・公平な税制と社会保障によって富の再分配を進める--この二つの方向で“富の一極集中”をただしていこうではありませんか。

 --“富の一極集中”をただそうという訴えは、企業と経済の活力をとりもどしていくうえでも不可欠となっている。

 大株主をもうけさせることを最優先にして、労働者のリストラを進め、会社の「切り売り」と縮小を進めることは、企業と産業の力をも失わせてしまいます。衆院予算委員会で、この問題を告発・追及しましたが、片山財務大臣は「自社株買い、黒字リストラ等の問題についてのお怒りは重々本当にご理解させていただきますし、昨年の暮れぐらいから、経済団体のトップの方から委員のご指摘と大変似たようなご指摘をいただいて」いる、と答弁しました。

 日本共産党の“富の一極集中をただす”という訴えは、日本の経済、産業、企業の将来を真剣に考える人々のなかに、立場の違いをこえて共感を広げることのできる訴えだということにも深い確信を持って、対話と運動を広げましょう。

ジェンダー平等、人権尊重へ、幅広い連帯を

 選択的夫婦別姓の法制化を阻止しようと、高市首相は通称使用の法案提出をねらっています。これに対して、「私は、自分の名前を『通称』にしたいわけではない」「社会の混乱とコスト負担を招く愚策だ」という声が大きく広がっています。同性婚の法制化を求める運動も、最高裁判決を待たずに政治が動くべきと、力強く取り組まれています。

 多様性を認めてほしい、家父長制や男尊女卑のしがらみをなくしてほしいという要求を阻んでいるのが高市首相であり、自民党の中枢であることを広く知らせましょう。ジェンダー平等社会の実現へ、さらに連帯を広げましょう。

 高市政権が、差別・排外主義を助長していることは極めて重大です。「不法滞在者ゼロプラン」などによる人権侵害をやめさせ、日本で働き、学び、暮らすすべての人々の人権の尊重を求めようではありませんか。

四、総選挙の総括と教訓--統一地方選挙、次の国政選挙にただちに生かそう

 総選挙でわが党は、比例代表選挙で「450万票、7・5%以上」「すべての比例ブロックでの議席獲得・議席増」、小選挙区で沖縄1区の議席の絶対確保を目標にたたかいました。選挙の結果は、比例代表で252万票にとどまり、7議席から4議席への重大な後退となりました。沖縄1区では、党と「オール沖縄」の力を結集して、大健闘での接戦となりましたが、赤嶺政賢さんの宝の議席を失う結果になりました。

 選挙結果をうけて、都道府県・地区委員長、比例・小選挙区候補、SNS担当者から感想・意見を寄せていただきました。そのほか、党内外から多数の意見をいただきました。その一つ一つを検討し、総括・教訓を導き出し、統一地方選挙・中間地方選挙、次の国政選挙へのたたかいに、ただちに生かしたいと思います。

「高市・強権政治を許すな」との訴えは党の歴史的真価を発揮したものだった

 今回の総選挙は、高市首相の憲法の精神に反する解散権の乱用からはじまり、解散から投票日まで16日間しかなく、有権者に争点や各党の政策について考える時間を与えないなど、「クーデター」的手法で仕掛けられ、強行された総選挙となりました。高市首相は、内閣支持率の高さだけを頼りに、「高市早苗でいいのかを国民が決める選挙だ」という一点で総選挙を押し切るという作戦をとり、急速に「高市旋風」が吹き荒れる状況がつくられました。野党第1党の立憲民主党が公明党に吸収され、自民党政治の軍門に屈したことは、日本の政治の右傾化を加速する役割を果たしました。

 こうした中で、党は、選挙戦をつうじて、この反動的打開の企てに正面から対決し、「高市・自民党の強権政治を許してはならない」「改憲への白紙委任状を渡してはならない」と強く訴えました。これは反戦平和と社会進歩のために不屈に頑張りぬいてきた党の歴史的真価を発揮したものでした。

 政策論戦では、暮らしと経済、安保・外交、人権の柱を中心に、国民の要求に応えるとともに、「アメリカいいなり」「財界中心」という自民党政治の「二つのゆがみ」を正す立場で、わが党ならではの政策を訴えてたたかいました。経済論戦で、“富の一極集中”に切り込み、「タックス・ザ・リッチ」の訴えは、新鮮な共感を広げました。

 議席の後退は重大ですが、「高市旋風」が吹き荒れたもとで、他の野党と比較した場合、25年の参院選挙と比べて、比例得票で一定踏みとどまった側面もあることも事実です。総選挙後、高市政権への危機感とともに、わが党への新しい期待の広がりが生まれているのも、この不屈のたたかいがあったからにほかなりません。

 選挙後の候補者の感想でも、「今度の選挙は党の政策的訴えはとてもやりやすかった」という声が圧倒的です。わが党の論戦は、全体として国民の利益にかない、道理あるものでした。そこに深い確信をもち、公約実現の運動に取り組もうではありませんか。

選挙活動の日常化にかかわる中央のイニシアチブの弱点について

 なぜ総選挙で得票と議席を後退させる結果となったか。

 今回の総選挙は、「クーデター的」なきわめて非民主的なやり方で強行されたものでした。問題は、わが党にこうした「不意打ち」の選挙でも前進をかちとれるような、日常の備えがあったかということにあります。この点で、選挙活動の日常化にかかわる中央のイニシアチブについて、二つの点で弱点があったことを、率直に明らかにしたいと思います。

(1)第一の反省点は、2024年の総選挙の総括を踏まえて戦略的大方針と位置づけた「要求対話・要求アンケート」の取り組みが、25年9月の6中総以降の時期、中央としての位置づけが弱まり、事実上中断したことです。

 昨年1月の第4回中央委員会総会では、24年総選挙での議席後退をふまえて、「要求対話・アンケート」で新しい結びつきを広げる活動を、選挙勝利のみならず、党勢拡大・世代的継承を進める共通の土台と位置づけました。そして、参議院選挙にむけて戦略的大方針として取り組み、参院選後の6中総決定でも、この方針に取り組んだことが大きな力を発揮したことを教訓として確認し、「新しい情勢のもとでさらに発展させよう」とよびかけました。「要求対話・アンケート」で新しい人々との結びつきを広げながら、「集中期間」での三つの課題での党づくりを進めるというのが6中総の方針でした。

 ところが、党中央が、6中総決定を具体化・実践する過程で、「要求対話・アンケート」の取り組みを推進するイニシアチブが事実上欠落し、取り組みの経験・教訓を全体のものとする「しんぶん赤旗」でのキャンペーンも弱まりました。その結果、昨年秋の活動は、事実上、党員拡大、読者拡大、学習の三つの課題だけになり、「要求対話・アンケート」の推進は中断する結果となりました。これは「集中期間」の活動を新しい人々に広げて前進させるうえでも一つの弱点となりました。そして、突然の解散・総選挙に遭遇したさい、ゼロから対話を始めることとなり、組織活動をやりきれないまま投票日を迎えたのです。

 「要求対話・アンケート」を選挙勝利と党勢拡大を進める共通の土台--戦略的大方針に位置づけたにもかかわらず、それを一貫して追求するという中央の姿勢が弱かったことは大きな反省点です。

(2)第二の反省点は、衆院比例ブロックごとに、得票と議席の目標を明確にし、日常的・戦略的活動を進めるうえでの弱点です。

 この点では、昨年9月の6中総決定そのものに弱点があったことを率直に明らかにしたいと思います。6中総決定では、解散・総選挙について、「いつあってもよいように」備えるという立場をのべていますが、その目標については、「すべての比例ブロックでの現有議席の絶対確保と議席増、全ブロックでの議席獲得」とのべるにとどまりました。

 昨年9月の6中総の時点で、参議院選挙のたたかいをへて、次の国政選挙は総選挙であることは明瞭でした。またわが党が参議院選挙で得た得票は、衆院比例ブロックの議席数に換算するならば5議席にとどまること、さらにあと数万票、得票率で0・数%減らすならば、議席がゼロになるブロックも二つあることも、明らかでした。こうした現実を踏まえて、次の総選挙の比例代表の得票と得票率の目標をどう定めるかは、6中総の時点で明確にするべきでした。ところがそれを明確にしたのは、解散の動きが急浮上したことを踏まえて、1月13日に発表した常任幹部会の訴えにおいてでした。

 中央の方針自体に、こうした立ち遅れがあったことが、衆院比例ブロックごとに、得票と議席の目標を明確にし、それをブロック全体の共通の決意とし、必要なブロックごとの体制もとり、「比例を軸に」した活動を日常的に推進するうえで弱点となりました。この点も、今後の活動の教訓とし、衆院比例ブロックごとに得票と議席の目標をつねに明確にし、それを達成することをあらゆる選挙戦の「軸」とし、また党活動全体の「軸」とするようにしたいと思います。

党の自力の不足--全党の努力によって前進が開始された途上の選挙となった

(1)わが党が、逆風を押し返して前進・躍進をかちとることができなかった最大の要因は、党の自力の不足にあります。このことは総選挙の結果を受けての常任幹部会声明で、「どんな情勢が展開しても前進をかちとることができる、強く大きな党をつくる--このことを総選挙の最大の教訓として銘記し、奮闘しよう」とのべたとおりです。県・地区委員長のみなさんからのアンケートでも、「これまでできていたあたりまえの活動が、自力の後退によってできなくなっている」など、選挙態勢、宣伝・組織活動のあらゆる面から、党の自力の不足に弱点があったことがリアルに報告されるとともに、「何としても強く大きな党をつくり、次の機会には巻き返したい」との決意が寄せられています。

(2)この問題は、一昨年の総選挙、昨年の参院選でも、最大の教訓としてきたことであり、私たちが、その打開のための努力を怠ってきたということではありません。全党は、昨年9月から「世代的継承を中軸に、質量ともに強大な党をつくる集中期間」に取り組み、昨年の12月25日の時点で、幹部会決議でのべていたように、「ようやく前進が開始された」、「党員拡大では赤リーフが絶大な力を発揮し11月後半からこれまでと質的に異なる運動になり始めている」、「『しんぶん赤旗』日曜版・電子版の発行が新たな可能性を広げている」、「『赤本』学習が、党活動全体に新鮮な活力、新鮮な明るさと喜びをもたらし、党の質を大きく変え始めている」、全党のみなさんの努力によって、さあいよいよこれからという段階にありました。この「集中期間」の努力、とりわけ「赤リーフ」での入党の訴えや「赤本」「青本」学習で、党を語れるようになったということは、選挙の活動において大きな力になったことは間違いありません。しかし、この運動を、すべての支部と党員の運動にするにはいたらず、党の自力をつける途上で総選挙を迎えることになりました。

 中央も、県も、地区も、支部も、自力の不足を総選挙の最大の教訓として銘記し、打開のために力をつくすことを心からよびかけるものです。

いくつかの問題について--全国からの声にこたえて

 総選挙の総括にかかわって、全国から寄せられた声にこたえて、いくつかの点をのべておきたいと思います。

(1)SNSの活用については、全国からの声では、中央の発信については全体として高い評価を寄せていただきました。「たむとも・ストリート対話」に対して、党内外から注目と評価が寄せられたこともうれしいことです。SNS担当者のアンケートでは、候補者の発信、演説会のライブ配信、政策動画やバナーの発信、ボランティアの組織などで前回以上に奮闘した確信が報告されています。

 同時に、政党公式・候補者だけでなく、いわゆる個人のアカウント(「第三者」)を含むショート動画の発信では、他党との比較で、わが党の取り組みは大きく遅れています。また、SNSで社会主義・共産主義などの理念問題をどう効果的に発信するか、党への疑問や誤解にどう機敏に応答できるようにしていくかは、重要な探求課題です。

 宣伝、要求運動、学習、「赤旗」中心の党活動、世代的継承の党づくりなど、あらゆる党活動の中で、日常的・系統的にSNS強化に取り組むようにしたいと思います。

(2)日本共産党後援会は、「比例を軸」に、党と支持者が協力して選挙戦をたたかう基本組織であり、その活動は「選挙活動の日常化」の要となるものです。現在、後援会は、全国で270万人となっていますが、その多くは後援会ニュースを通じたつながりにとどまっています。これは大きな弱点です。

 この現状を前向きに打開し、後援会として「要求対話・アンケート」や、楽しいイベント、学習などに取り組むことをつうじて、人間的信頼関係を強め、日常的に党の支持を広げる活動を推進する組織へと発展させましょう。得票目標に見合う後援会員の拡大をめざし、地域支部、職場支部に対応する単位後援会、労働者・運動団体の分野別の後援会を確立することにも力をそそぎましょう。JCPサポーターの登録の倍加、地域・職場・学園での協力関係の強化をはかりたいと思います。

(3)選挙の情勢判断にかかわって、1月27日、公示日の選挙対策本部の訴えで、「自民党政治対日本共産党」という構図がはっきりしたこととあわせて、「手取りを増やす」「外国人問題」のような「真の争点を覆い隠す“つむじ風”が吹いていない」とのべたことについて疑問が寄せられています。この点では、今回の総選挙で、この種の“つむじ風”は、最後まで吹かず、経済でも、外交でも、わが党の土俵のうえでの論戦となったことは、事実です。

 今回の総選挙の難しさは、参院選のさいの“つむじ風”的な難しさでなく、自民党が「高市早苗でいいのかを問う」という一点で選挙を乗り切ろうと、莫大(ばくだい)な資金を使い、「高市旋風」をつくりだしたことにありました。この動きは、公示後、急速に強まりましたが、この困難については、2月2日の常任幹部会の「訴え」で「わが党の前進を阻む重大な逆風となって作用しています」と明らかにし、「わが党の奮闘が足らず、この逆流に押し負けるならば、わが党の重大な後退につながることを、私たちはリアルに直視しなければなりません」と強調しています。節々での常任幹部会の情勢判断は基本的に正確なものだったと考えます。

(4)小選挙区の候補者擁立について意見が寄せられています。今回の総選挙では、突発的な選挙への対応として、小選挙区で擁立することが比例の前進にプラスになるかどうかを、擁立する党組織の力量の問題も含めて最大の基準として、中央と各都道府県が相談しながら、決定しました。今後、党として小選挙区でのたたかいをどう位置づけ、どうたたかうかについては、検討課題としたいと思います。

統一地方選挙・中間地方選挙の勝利をめざして

(1)日程の決まった次の全国的選挙は、来春の統一地方選挙となります。

 統一地方選挙で、わが党の前進・躍進をかちとることは、(1)住民の要求実現の力を前進させ、「住民福祉の増進」という本来の役割を果たす地方自治体を広げる、(2)高市政権の強権政治にノーの審判を下し、地方から新しい国民的共同の流れをつくる、(3)党の自力の中核である地方議員の前進で、国政選挙での反転攻勢への突破口を開く--という歴史的な意義をもちます。

 第29回党大会で決めた目標--「5県の県議空白の克服(静岡、新潟、福井、福岡、熊本)、政令市の空白区の克服、現有議席の絶対確保、23年の選挙で失った議席の回復とともに、新たな議席に挑戦する」ために全力をあげましょう。総選挙の結果をふまえ、政治目標を決めて攻勢的なたたかいをただちに開始することを訴えるものです。一刻も早く候補者を決定し、「三つの突破点」にもとづく選挙勝利への活動、最大の保障である党建設に力をつくしましょう。

(2)統一地方選挙までに、茨城県議選をはじめ、300の自治体で中間選挙が行われます。とくにこの4月は選挙が集中し、57市39町村で選挙がたたかわれます。一つ一つで勝利し、大会後の議員数の後退を止め、前進に転じようではありませんか。

 8・9月には沖縄県知事選がたたかわれます。日米両政府の強権的政治を許さず、「オール沖縄」の原点である「建白書」にたちもどり、「オール沖縄」の勝利をかちとることは、沖縄と日本の前途にとって極めて重要な意義をもちます。また、知事選挙と同時期に、沖縄統一地方選がたたかわれます。全国の力を集中し、「オール沖縄」の勝利と日本共産党の前進・躍進をかちとりましょう。

(3)地方議員一人ひとりの政治的・思想的な成長と党活動の確立は、住民要求にこたえて地方政治を動かすうえでも、選挙勝利にとってもきわめて重要です。党の方針に団結し、生き生きと力を発揮していくために、地方議員団会議をしっかりともち、率直に意見を出し合い、よく学び、協力して議員団活動を発展させることができるよう、党機関が親身な援助をつくすことを訴えるものです。

次の国政選挙をめざす日常的取り組み--衆院比例ブロックの活動をただちに強める

 次の国政選挙にむけた日常的な取り組みをただちに開始します。

 次期国政選挙の得票目標は、衆参ともに、「比例450万票、7・5%以上」とします。衆議院選挙では、すべての比例ブロックでの議席獲得・議席増、小選挙区での議席奪還をめざします。2028年の参議院選挙では、比例代表での議席増、選挙区では現有議席の絶対確保と議席増をめざします。すべての党組織と支部が、この比例目標にそくした得票目標を決定し、国政選挙勝利をめざして、あらゆる活動で「比例を軸に」を貫き、日本共産党そのものの支持を広げる選挙活動の日常化を具体化しましょう。

 参院選の勝利のためにも、総選挙の総括を必ず生かし、衆院比例ブロックごとの活動を強めることが重要です。比例ブロックごとの得票目標を実現するための政治戦略、作戦計画、活動スローガンをただちに具体化しましょう。

党大会までに統一地方選挙勝利に必要な活動をやりぬく

 来年の統一地方選挙は、1月の第30回党大会の直後に迎えることになります。党大会成功のための独自の取り組みを行うことが必要になることを考慮すれば、質と量の両面での党づくりに全党が立ち上がりながら、統一地方選挙勝利のための独自の活動についても、早い段階で――前倒しでやるべきことをやりぬき、党大会までに選挙勝利に必要な活動をやりぬくという構えにたって活動を推進することが勝利のうえでどうしても必要です。その力で党大会を成功させ、さらに党大会の成果を選挙勝利の力にして、4月にむけてさらに活動を発展させていくという、攻勢的な取り組みをやりぬくことを心からよびかけます。

五、欧米の左翼・進歩勢力との交流と連帯、理論交流の発展を

世界資本主義のゆきづまりと左翼・進歩勢力との連帯の強化について

 いま世界では、欧米各国でも、極右勢力の伸長が起こっています。これは、世界資本主義の行き詰まり、とくに弱肉強食の新自由主義とそれにもとづく「グローバリゼーション」が破綻したことの反動的あらわれであり、ごく一握りの億万長者とグローバル大企業への“富の一極集中”、格差と貧困の拡大に対する人々の不満、批判の「出口」を、極右・排外主義の流れに見いだそうとするものにほかなりません。それと似た流れが日本でも起き、昨年の参院選の参政党の台頭、今回の総選挙の「高市旋風」となって現れました。

 一方、欧州でも米国でも、左翼・進歩勢力が、さまざまな曲折と困難にぶつかりながらも、極右勢力ときっぱり対峙(たいじ)する旗を立て、新たな前進をつくりだしていることは重要です。大軍拡や排外主義に反対するとともに、家賃高騰や住宅難から暮らしを守り、賃上げや労働者の権利向上、社会保障の拡大を進め、それらの財源を「タックス・ザ・リッチ」でつくりだす、富と権力の集中を正すことを正面から訴えて、選挙での躍進、国民的運動の発展と組織拡大をはかっていることは、注目すべきです。わが党がいま取り組んでいる「憲法を真ん中にすえた確かな共同」は、欧米の左翼・進歩勢力の努力とも重なり合うものではないでしょうか。

 わが党は、2022年以来、欧州各国の左翼・進歩勢力との交流を抜本的に強化し、発達した資本主義国での社会変革をめざす運動をいかにして発展させるかについて、相互に学び合う活動を進めてきました。こうした努力は、わが党の国際的視野を大きく広げるとともに、「要求対話・アンケート」「ストリート対話」「SNSの活用」「排外主義との闘争」など、わが党の活動を豊かにするうえでも、きわめて重要な力となっています。今後、欧州だけでなく、北米も含めて、発達した資本主義国で奮闘している左翼・進歩勢力との交流を強めていきます。それは、わが党自身の前進にとって新しい糧を得ることになるとともに、戦争の心配のない世界、核兵器のない世界をつくり、平和と社会進歩の事業を促進するために、重要な意義を持つものとなるでしょう。

マルクス・ブーム--科学的社会主義の理論と運動の発展のために

 労働者にたいする過酷な搾取、一握りの超富裕層と大企業への富の集中、拡大する貧富の格差、深刻化する地球の気候危機など、資本主義の矛盾が噴き出し、「この経済システムをこのまま続けていいのか」が鋭く問われるもとで、いま世界でマルクス・ブーム、『資本論』ブームともよぶべき状況が生まれています。

 日本共産党は、第29回党大会決定で「人間の自由」をキーワードとして三つの角度から社会主義・共産主義の真の魅力を明らかにしました。それは志位議長の二つの『Q&A』(「赤本」「青本」)とその理論的背景を語った『自由な時間と「資本論」―マルクスから学ぶ』(「緑本」)で、さらに発展させられました。

 いま、日本においても、マルクスへの新鮮な注目が寄せられ、『資本論』を読むムーブメントを起こす可能性が生まれています。ネットメディアで、「赤本」「青本」、『資本論』をテーマにした番組が行われ、わが党とは政治的主張は異なる人々からも多くの積極的反応が寄せられています。「赤本」「青本」をつうじて日本共産党への信頼を高め、党に接近する若い世代が増えています。「赤本」「青本」「緑本」を素材にした学習・対話の取り組みを、党内外でさらに豊かに発展させましょう。

 そうしたなか欧米の研究者の中からも、「自由な時間」をめぐるマルクスの考察に注目し、マルクスの未来社会論を「自由に処分できる時間」を軸に理解しようという探究が生まれています。これはわが党の理論的取り組みと、深く共鳴しあうものであり、注目すべき探究です。わが党は、この間、欧米の左翼・進歩諸党、マルクス研究者と、さまざまな形での理論交流を開始してきましたが、そうした取り組みをさらに強化していきます。それは、双方にとって、科学的社会主義の理論をより豊かにすることにつながり、世界の社会進歩の運動の発展への貢献につながるでしょう。

 先人たちの不屈のたたかいのうえに築かれたわが党の理論的到達と路線に深い確信をもち、科学的社会主義の旗を高く掲げて前進しましょう。「対米従属」「財界中心」という「二つのゆがみ」をただす日本の民主的改革とともに、資本主義を乗り越えた未来社会の真の魅力をおおいに国民に語り広げ、日本共産党の新たな前進・躍進へ奮闘しようではありませんか。