2026年度予算案が衆院を通過しました。高市早苗首相が狙う年度内成立のため、与党が「数の力」を頼みに異常な国会運営で押し切った形です。例年、衆院で1カ月はかける予算審議をわずか2週間で打ち切るなど、議会制民主主義の根幹を揺るがす暴挙です。
■ルールを次々破る
年度内成立が困難になったのは、高市首相が通常国会冒頭に衆院の解散を強行したためです。にもかかわらず、予算審議の短縮を迫るのは国会軽視の身勝手です。
しかし、高市首相の意をうけた与党は初めから13日の衆院通過ありきで日程を組む強引な国会運営をおこなってきました。予算審議に欠かせない地方公聴会や中央公聴会の開催日程を与党のみの賛成で議決。坂本哲志予算委員長(自民党)が職権を乱用し、土日は審議をしないなどの慣例を次々と破る強硬ぶりです。
国会運営には、多くの先人たちが議論を積み重ね、機能させてきたルールがあります。それを「数の力」で次々と覆す与党のやり方は、議会制民主主義の土台を自ら掘り崩すものにほかなりません。
日本共産党など野党は、こうした与党のやり方を「民主政治を破壊する暴挙だ」と厳しく批判。森英介衆院議長に国会の正常化と予算案の充実した審議を申し入れ、坂本委員長の解任決議案を提出するなど、議会政治を守るために結束しました。
いま、国民の暮らしや安全保障をめぐる状況は緊迫しています。米国とイスラエルによるイラン攻撃によって原油供給への不安が増しています。国民の立場で予算案の中身をただし、組み替えることが必要です。
日本共産党は、論戦でも米国とイスラエルのイラン攻撃を国連憲章・国際法に反する先制攻撃だと厳しく批判。米国に攻撃の中止を求めるよう高市首相に迫り、米国に追随した大軍拡、軍拡増税の撤回を要求しました。また、大企業や富裕層への「富の一極集中」をただし、消費税減税や社会保障充実の財源を生み出すよう提案してきました。他の党が高市政権との対決の足場を示せないなか、自民党政治の転換を訴える日本共産党の論戦が光っています。
■参院で徹底審議を
衆院では巨大与党が「数の力」で予算案を強引に通過させましたが、参院での審議はこれからです。参院では、与党が少数のままです。
憲法は、衆院で議決した予算案を受け取った後、参院が30日以内に議決しないときは、衆院の議決が国会の議決となると定めています。つまり、参院には30日間の議論の期間が保障されているということです。参院は、衆院の議決の追認機関となるのではなく、憲法の規定にそって、じっくりと審議を行う責任があります。
消費税減税や賃上げに背を向け、大軍拡と大企業優遇など数々の問題を含む予算案を、このまま成立させるわけにはいきません。予算成立までの「つなぎ」となる暫定予算の編成で国民生活への影響を回避しつつ、国民の負託にこたえる十分な審議をおこなうことが求められています。

