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2026年3月12日

主張

米国のイラン攻撃
国際秩序の破壊を黙認するな

 米国、イスラエルによるイランへの無法な先制攻撃は、戦後世界の平和をささえる国際秩序を根底から揺るがす暴挙です。「国連憲章、国際法を守れ」の国際世論を高め、トランプ米大統領らの蛮行を直ちにやめさせ、外交的解決をはからなければなりません。

■ジャングルの掟へ

 米国の武力攻撃は、武力行使を禁じた国連憲章と国際法を乱暴に蹂躙(じゅうりん)するものです。核問題をめぐって交渉中にもかかわらず、「イラク戦争のほぼ2倍の規模」(米中央軍司令官)で先制攻撃しただけでなく、「斬首作戦」として主権国家の最高指導者を殺害し、体制転覆を公然とよびかけています。

 こんなことがまかりとおれば、世界は、帝国主義が地球を分割・植民地支配した時代の「ジャングルの掟(おきて)(弱肉強食)」に支配されます。

 それは第2次世界大戦にいたる痛苦の戦争体験から国際社会が築き上げてきた国連憲章にもとづく国際秩序―武力行使の禁止、主権平等の原則を真っ向から蹂躙するものです。

 トランプ大統領の国際法を無視した武力行使は、今回のイラン攻撃に留(とど)まりません。

 ベネズエラを武力攻撃、大統領を拘束し世界を驚愕(きょうがく)させたのは記憶に新しいところです。昨年6月にも、イランの核関連施設を攻撃しており、この1年余りに世界の7カ国を軍事攻撃しています。

 無法な振る舞いは軍事分野にとどまりません。「米国が世界秩序を支えてきた時代は終焉(しゅうえん)した」(米国家安全保障戦略)と経済分野でも、世界が協力して解決が迫られている課題でも、国際協調を乱しています。

 その典型は、一方的に関税をかけ、世界経済を大混乱させてきたトランプ関税です。 アメリカは気候危機問題に取り組むパリ協定から離脱し、WHO(世界保健機関)からも脱退、国連分担金さえまともに支払おうとしません。トランプ大統領は1月、国連関連機関を中心に66もの国際組織から脱退を指示する大統領令に署名しました。

 国際社会は戦後、平和のため国連を創設し、国際秩序の原則として、武力行使の禁止、主権平等の原則、人権の尊重を確立しました。安全保障理事会、経済社会理事会を設け、さらにWHOなど専門機関を擁して、平和を追求し、平和の基盤としても経済や文化、教育、人権などの発展を重視し、努力してきました。

 この国際秩序は、植民地から独立した多くの国が国連に加盟することによって、大国の横暴など多くの困難を克服しつつ、いっそう大きな流れとなって発展してきました。

■毅然とした対応を

 「国際法はいらない」とうそぶくトランプ大統領の暴挙は、歴史の大道に反する逆流で、帝国主義の落日の過程で見せる醜い姿といえます。

 明々白々な国際法違反を既成事実化させてはなりません。いまトランプ大統領の威圧に抗し、国連をはじめ多くの国際機関、政府、有識者が批判の声をあげています。「法的評価は差し控える」(高市早苗首相)のは、見識も勇気もない恥ずべき態度です。毅然(きぜん)とした対応が求められます。