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2026年3月10日

主張

始まる「軍事増税」
永続化し際限なく膨らむ危険

 ついにここまで来たか。高市早苗政権は、戦後初めて、軍備増強を公然と目的にした増税―1兆円強の軍事増税を4月から実施しようとしています。しかし高市首相は先の総選挙でも軍事増税をすることなど国民に説明さえしていません。

■次々国民に負担増

 4月から実施が決まっているのは、防衛特別法人税の創設とたばこ税増税です。さらに政府は2027年1月から防衛特別所得税を創設、1%を課す増税法案がすでに今国会で審議入りしています。法人税では約8600億円、たばこ税では約2100億円、所得税では約2500億円の増税が見込まれています。

 「安保3文書」のもとで、日本は大軍拡の道を突き進んでいます。23年度からの5年間の軍事費を43兆円とし、最終年度にGDP比2%にすることを目標としました。高市政権はそれを前倒しして25年度補正予算で達成するなど軍拡アクセルを踏み込んでいます。

 政府は巨額の軍事費を捻出するため、社会保障や教育費などを切り捨て、軍事費を優先してきました。しかしそれでは足りず、本来は一般財源として活用できる決算剰余金の流用、防衛力強化資金の創設、「軍事国債」の発行などなりふり構わない手法で軍事費をかき集めてきました。

 防衛力強化資金4・6兆円は、国立病院機構や地域医療機能推進機構の積立金などを国庫に返納させ、「資金」に繰り入れるもので、国民の財産の軍拡財源への不当な流用です。

 「軍事国債」も重大です。軍事費のための国債発行は、戦時国債の乱発で侵略戦争に突き進んだ反省から“禁じ手”とされてきました。しかし、23年度から建設国債の流用がはじまり、3年間ですでに2兆3000億円を超え、26年度も約6000億円が軍事費のために発行されます。

 こうしてかき集めても足らず、1兆円強を新たに増税するわけです。所得税増税は、納税義務のある全国民を対象にした徴税強化です。東日本大震災の復興にあてる復興特別所得税(2・1%)の半分を軍事費に転用します。復興税の減額分は、徴収期限を延長してカバーするので国民にとっては増税そのものです。

 重大なのは、一度手をつけた軍事税制度は永続化し、さらに歯止めなく膨らんでいく危険があることです。

 事実、将来の軍事増税の倍加について問われ、「税収、安全保障環境の変化」など「そのときに時々の重要な項目を勘案しながら決めていく」(鈴木俊一財務相、当時)と可能性を示唆しています。

■米国のための軍拡

 トランプ米政権は同盟国にGDP比5%まで軍事関連予算を引き上げるよう要求し、高市政権はそれに応えようとしています。

 物価高で苦しむ国民から増税して集め整備するのは、敵基地攻撃ミサイルの配備などです。国民に重い負担を強いる軍事費は、日本を守るためでなく、アメリカの戦争に参加するものです。国民のくらしを守ることと平和を守ることを一体に大軍拡、軍事増税に反対の声を広げましょう。