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2026年3月10日

きょうの潮流

 最初は生家があった本所深川の思い出話からだったといいます。和竿職人の娘に生まれ、みんなにかわいがられて過ごした平和な日々のことを▼兄たちや近所の友達との楽しい遊び、下町のいろんな行事や通った銭湯、ちょうちん行列…。東京大空襲で戦災孤児となった海老名香葉子さんは、子どもたちに戦争の話を聞かせるときも、自身が小さい頃に味わった幸せの記憶から語ったそうです▼息子で落語家の林家三平さんが、おとといの東京大空襲を語り継ぐつどいで披露していました。昨年末に亡くなった香葉子さんの戦争体験と教わったわらべ歌を。「たくさんの命と、こういう文化が一夜にして消えてしまった」▼祖父の林家正蔵が創作したとされる国策落語「出征祝」を演じた三平さん。「一番恐ろしいのは、戦争に向かって人の心を変えてしまうことだ」と訴えました。母の思いとともに特攻要員だった父の初代、林家三平のことも語っていく決意を込めて▼10万人もの命が奪われた大空襲から、きょうで81年。あの日、母と弟2人を亡くした河合節子さんは「私たちにとって戦争被害は歴史ではなく現在の問題。これ以上の先延ばしは許されない」と国の無責任さを。全国の空襲被害者は、いまだに国から救済されない苦しみのなかにいます▼戦争とは、平和とはどういうものなのかをみんなで考える局面に入っていると三平さん。次の世代に戦火の教訓をどのようにつないでいくか。それは、この国の将来を決めることにもなります。