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2026年3月9日

首相カタログギフト お金どこから

神戸学院大学教授 上脇博之さんに聞く
党支部支出なら領収書の公表を
官房機密費から違法支出か

 高市早苗首相が総額950万円ものカタログギフトを自民党議員に贈った問題や、衆議院解散を前にした1月5日に高市内閣が内閣官房機密費(報償費)1億950万円を支出した問題で神戸学院大学の上脇博之教授に聞きました。(矢野昌弘)


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 高市早苗首相が総選挙で当選した自民党の全議員にカタログギフトを贈った問題では、私は、この原資は官房機密費(報償費)ではないかと疑っています。その理由は、自身が支部長の選挙区支部から支出したという説明です。

 そもそも選挙区支部の政治資金は、選挙区内の政治活動に使うものです。選挙区外で当選した議員の政治活動のために支出するのであれば党本部の政治資金から支出するはずです。選挙区支部から支出したのは論理的に破綻しています。昨年3月に当時の石破茂首相が新人議員に商品券を配ったことがありました。この原資も官房機密費と思われますが、高市氏のカタログギフト配布も同様だったのではないでしょうか。

「保身」のため

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(写真)官房機密費の金庫がある首相官邸=東京都千代田区内

 なぜ全員に配ったのか。それは首相自身の「保身」のためでしょう。統一協会(世界平和統一家庭連合)や政治資金の問題など、高市氏は現在多くの火種を抱えており、不安定な立場にあります。自民党では麻生派を除き派閥を事実上解消したとされている今、一部だけでなく全員に配り、恩を売り、自らの地位を守ろうとしたに間違いありません。だから党本部の政治資金を支出しなかったのでしょう。

 高市氏は「今回の支出には、政党交付金は一切使用することはありません」と弁明していますが、帳簿上のごまかしにすぎません。選挙区支部には本部から多額の政党交付金が流れています。お金に色はついておらず、実質的には政党交付金という税金が自己保身のために私物化されたのと同じです。

 高市氏は「政治活動に役立つものを各議員のご判断で選んでいただこうと思い」カタログギフトを配布したと説明。しかし、カタログギフトを渡されても、議員はどう「政治活動」に使うのでしょうか、困るでしょう。政治活動に使うなら換金するしかないですが、議員個人は選挙以外の政治活動には詳細な収支報告制度がないため「裏金」がつくれてしまいます。

 今回の件は、高市氏の予想外にメディアに発覚してしまい、官房機密費で購入したとは言えないため、苦し紛れに、選挙区支部から支出したと後付けの説明をしたとしか思えません。官房機密費が原資なら目的外支出で違法です。

 官房機密費からではなく本当に選挙区支部から支払ったというのであれば、説明責任を果たすために来年の政治資金収支報告書の公開を待たずに、今すぐ領収書を公表すべきです。

事実上の裏金

 今回の総選挙は高市氏にとって負けられない選挙でした。解散前に多額の官房機密費を使ったのではないかとの疑念も生じます。安倍晋三首相(当時)が2013年の参院選で、官房機密費から100万円ずつ候補に渡したと中国新聞が一昨年5月に報じました。今回も同じように支出している可能性があります。

 歴代の官房長官は官房機密費の使途を公表してこなかったので、事実上の裏金問題として繰り返し機密費の使途を追及していく必要があります。