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2026年3月9日

主張

財政政策のあり方
大軍拡と大企業優遇をただせ

 高市早苗首相は、「責任ある積極財政」を打ち出し、「長年続いてきた過度な緊縮志向」の流れを断ち切ると強調しています。問題なのは、誰のための「積極財政」かということです。国民の暮らしを良くする積極予算であれば賛成ですが、実際はどうか。

 自民党政権は、これまで累次の消費税増税や社会保障の負担増と切り捨て、年金の実質削減をはじめとした国民負担増を繰り返してきました。国民に「過度な緊縮志向」を強いてきたのです。

 しかし高市政権は、これを反省するどころか、高額療養費制度の負担上限引き上げや医者が必要と判断して処方する薬を市販薬があるという理由で部分的に保険から外す負担増を狙っています。日本維新の会との連立合意書では、「医療費年4兆円削減」を掲げる「自・公・維3党合意」の実施を明記し、予算の「緊縮」に突き進んでいます。

■特定大企業へ支援

 高市政権で「積極財政」なのは、従来と変わらず大軍拡と大企業優遇です。

 2026年度予算案の軍事費は過去最大の9兆353億円となり、初めて9兆円を突破しました。23年度からわずか4年で3・6兆円を激増させます。

 特定大企業への支援では、26年度予算案で、次世代半導体の量産をめざすラピダスへの支援など、国産人工知能(AI)や半導体への関連予算に1・2兆円をつぎこみます。AI・半導体、造船、量子コンピューター、バイオ、航空・宇宙など軍事産業を含めた17分野に「必要な財政出動」を行うとします。

 そのために複数年度予算を進めるとします。これは巨額の軍事予算が、毎年の予算決議の例外として膨張した戦前の反省からつくられた憲法86条の予算単年度主義に反します。

■破綻明らかな理論

 高市首相は「圧倒的に足りないのは、資本投入量、すなわち国内投資」とのべ、政府による大企業への税金のつぎ込みを正当化しています。しかし、国内投資が足りないのは、大企業に資金が無いからではありません。

 大企業は史上最高益を4年連続で更新しています。この12年間で大企業の内部留保は333兆円から561兆円へ200兆円以上も積み上げられています。必要な国内投資は大企業自身がすればいいのです。

 高市首相は、投資による好循環で賃上げを実現するといいますが、これは富裕層や大企業が豊かになれば、その富が滴り落ちるというすでに破綻済みの理論にすぎません。「失われた30年」で大企業優遇の政治が行われてきましたが、株主配当と内部留保に回っただけで労働者には回らず実質賃金は低下し、格差が拡大しただけでした。

 これを根本的に転換し、富の一極集中をただし、政治の責任で賃上げと待遇改善をすすめなければ経済の好循環は生まれません。

 大企業と富裕層に公正に課税して財源をつくり、消費税減税、社会保障充実、教育費負担軽減など暮らしと経済を立て直す国民のための「積極予算」が必要です。