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2026年3月7日

徹底解明 軍事費 自衛官中途退職5620人

歯止めかからず「退職妨害」も
24年度

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 自己都合による自衛官の中途退職者数が2024年度で5620人にのぼったことが分かりました。防衛省が本紙の取材に明らかにしました。過去最多の6258人を記録した23年度より減少しましたが、引き続き高い水準です(グラフ)。組織の危機的な状況が浮き彫りになりました。

 階級別の内訳をみると、若い隊員が多い「士」の退職者数が前年比で減少している一方、「幹部」、中間職にあたる「准尉」「曹」などの退職者数は前年比と同水準のままです。

 防衛省は26年度予算案に「人的基盤の強化」として、関連経費5814億円を計上。給与・手当の見直しや隊舎の整備などの充実などを進めています。さらに、高校生や大学生の個人情報を記した名簿の提供を提出するよう自治体に圧力を強めるなど、「戦争国家」の基盤である自衛官の募集強化を強めています。

 しかし、安保3文書改定に向けた防衛省の防衛力変革推進本部(19日)に配布された資料は、「1万人採用しても、その半分が中途退職している」「中途退職者のうち、5年以内で退職するケースが約5割」などと明記。退職に歯止めがかからない深刻な状況です。

 その背景として指摘されているのが、ハラスメントの横行です。22年に元自衛官の五ノ井里奈さんが隊内で受けた性暴力を告発。防衛省は「特別防衛監察」によるハラスメント調査を実施しましたが、隊員の申告が組織的に妨害され、申告者は全隊員のわずか0・6%にとどまるなか、調査が強制的に終了されました。ハラスメント被害を受けた現職自衛官の国賠訴訟も相次いでいます。

 22年の安保3文書などに基づく「戦争国家」づくりによる任務激化に伴う隊員の心身の負担増も背景として指摘されています。

 「自衛官の人権弁護団・北海道」の佐藤博文弁護士は、退職者に歯止めがかからない中、さまざまな理由を持ち出しての退職妨害が横行しており、現職自衛官の相談が増加していると指摘。「退職妨害は自衛隊法40条に認められている退職の自由に反する。仮に退職者数が一時的に減少する年があっても、退職者が多いという傾向は長期的には変わらない」と強調しています。