1960年の核実験によって世界4番目の核保有国となったフランス。当時のドゴール大統領は「ほかの大国が核を保有している中、核を保持していない大国は自身の運命を決定できなくなる」と説きました▼フランスは米国やソ連に次ぐ数の核弾頭を持つようになりますが、その後は削減へ。ところが、ここにきて方針を転換。「これからの半世紀は核兵器の時代になる」と、マクロン大統領は保有数を増やすことを宣言しました▼ロシアによるウクライナ侵攻や米国第一主義のトランプ政権を念頭に核抑止力を強化すると強調。同じく核保有国のイギリスをはじめ、欧州各国と軍事上の連携を深めていくとしています▼核への依存とともに欧州の軍事費も記録的な水準で増加。去年のそれは前年比12・6%増と世界の平均を大きく上回りました。また世界全体の軍事費をみても400兆円をこえる規模で過去最高に。ロシアや米国、イスラエルの力による支配の横行が軍事の増大に拍車をかけています▼軍拡競争の行き着く先が戦争につながることは歴史が証明しています。いまこそ、戦争の惨禍から生まれた非戦の誓い、戦力不保持を宣言した日本の憲法9条が輝くとき。しかし高市首相は、トランプいいなりの軍拡に走るばかりです▼マクロン大統領は3年前のG7サミットで広島を訪れた際に、「平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命」と原爆資料館に記しました。それは決して核や軍事に頼る道ではないはずです。
2026年3月6日

