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2026年2月27日

衆参代表質問で見えた政党配置の構図

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(写真)代表質問する小池晃書記局長=26日、参院本会議

 高市早苗首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が24~26日、衆参両院で行われました。戦後かつてない巨大与党となり、「戦争国家づくり」や社会保障切り捨てに突き進む高市政権に対し、各党が明確な対決姿勢を示せない中、日本共産党からは小池晃書記局長が代表質問に立ち、高市政権と正面対決する論戦を展開しました。

憲法
改憲・軍拡大合唱の“翼賛”
共産党 9条生かす政治を

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(写真)「憲法改悪STOP」「戦争への道を止めよう」とアピールする人たち。主催者あいさつをするのは秋山正臣全労連議長=19日、衆院第2議員会館前

 自民党が衆院で圧倒的多数を占め、高市早苗首相が施政方針演説で、改憲案の国会発議が早期に実現するよう期待を表明し、大軍拡推進の姿勢を示すもと、国会が異様な翼賛状態に陥っています。代表質問で自民党と日本維新の会の与党や参政党が改憲・軍拡をあおり、中道改革連合が改憲論議を否定せず迎合するなか、真っ向から憲法改悪・大軍拡反対を訴える日本共産党の論戦が光りました。

 小池氏は「憲法は基本的人権といった多数決では奪えない価値を守るものであり、その改正には国民の圧倒的多数の合意の成熟が必要だ」と翼賛的な改憲推進を批判しました。

 一方、衆院の代表質問で日本維新の会の中司宏幹事長は憲法9条改憲についての維新の提言「二十一世紀の国防構想と憲法改正」を踏まえ、「どのように憲法改正論議をリードし、国民投票を実現させるのか」と改憲をあおりました。

 さらに中司氏は、殺傷能力のある武器の輸出の全面解禁に道を開く、「防衛装備移転三原則」の運用指針改定による「5類型」以外の武器の輸出解禁で「柔軟な運用を可能とすべき」だと主張。武器輸出解禁は自民・維新連立合意書にも明記しています。

 参政党の和田政宗議員は、同党の憲法草案で「自衛軍」の保持を掲げているとして「今こそ憲法の根本的改正を行うべき」だと述べました。中道改革連合の小川淳也代表は「(憲法)改正論議は、実務的、実際的、なおかつ冷静で客観的なものでなければならない」として、改憲論議自体を否定しませんでした。

 参院の代表質問では、立憲民主党の斎藤嘉隆議員が同党は「未来志向の憲法論議を進めていく」と発言。公明党の竹谷とし子議員が「防衛力、抑止力の強化は重要」と述べるなど、改憲・軍拡に迎合する発言が相次ぎました。

 一方、小池氏は、高市首相が軍事力強化の口実として「戦後もっとも厳しく複雑な安全保障環境に直面している」との発言を繰り返していることに反論。「集団的自衛権行使容認の閣議決定(2014年)以来、日本の安全保障環境に対する政府の評価は悪化を続けている。10年あまりの軍事的抑止力強化は、軍事対軍事の悪循環を生み、緊張の激化に向かわせただけだ」と指摘しました。

 政府の「防衛白書」での日本の安全保障環境の評価は、14年度版では「一層厳しさを増している」としていたのが、19年度版では「不確実性が増している」となり、23年度版では「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」とするなど、緊張の激化は政府自身が認めています。

 小池氏は「世界で深刻な軍拡競争が起こっている今こそ、日本が憲法9条を生かして、世界的規模での軍縮へのイニシアチブを発揮すべきだ。外交と対話によって平和の共同体をつくり上げてきた、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みに学ぶべきだ」と提案しました。

 来年度の軍事費が9兆円を超え、殺傷能力を持つ武器輸出の全面解禁が狙われていることについて、「地域の安全保障環境をますます厳しいものにするだけだ。撤回を強く求める」と強調。「時の権力者が数を頼みに改憲をもくろむことは、立憲主義にも国民主権にも反する。断じて許さない」と厳しく批判しました。

消費税減税
国民会議に丸投げの政府
共産 富裕課税の財源示す

 衆院選では、チームみらいを除くほぼ全ての政党が消費税減税を公約に掲げ、高市首相は選挙直前、食料品の消費税ゼロは「私自身の悲願だった」とまで述べていました。

 しかし首相は、各党の代表質問で減税の財源を問われても、新たに設置する「国民会議」で結論を得ると繰り返し、責任ある財源を示しませんでした。減税実現の見通しについては「野党の協力が得られれば、夏前には国民会議で中間とりまとめを行い、必要な法案の早期提出を目指す」と述べましたが、「野党の協力が得られず実現できなかった」という口実で減税を回避する布石を打ったとも取れます。

 さらに首相は、食料品の消費税ゼロは、あくまでも「改革の本丸である給付付き税額控除」が実施されるまでの「つなぎ」だと強調。「国民会議」への参加も、給付付き税額控除への賛成が条件だとしており、同会議の初会合に参加した野党は、消費税減税を否定しているチームみらいのみという状況です。

 こうした政府に対し、小池書記局長は26日の参院本会議で、直ちに減税法案を提出するよう求め、国会で議論しようと提起。消費税は食料品だけでなく一律5%とし、将来的には廃止すべきだと主張し、法人税減税と富裕層への優遇税制を是正し、その分を改めて財源に充てるよう提案しました。

 給付付き税額控除について小池氏は、もともと2010年の3党合意で消費税増税とあわせて議論が始まったものだと指摘。同制度と消費税減税をあわせて議論し結論を得るという「国民会議」は「消費税を温存し、増税に道を開くものになる」と述べました。

 公約実現に向けた各党の「本気度」も問われます。中道改革連合の小川淳也代表は「国民会議」には疑問を呈し、消費税減税の決意と財源を示すよう首相に迫りましたが、自らの財源論を説明しませんでした。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は、消費税減税より給付付き税額控除の議論を優先してはどうかと提起。消費税減税に後ろ向きな姿勢を示しました。

 参政党の和田政宗衆院議員は、消費税の一律減税と段階的な廃止を主張する一方、財源には言及しませんでした。チームみらいの高山聡史幹事長は、給付付き税額控除に賛成する一方、消費税減税にはリスクがあるなどとして「慎重であるべきだ」と主張しました。

社会保障
給付減・負担増同調の諸党
共産 負担増撤回し拡充を

 高市政権の社会保障政策は、「現役世代の負担軽減」を口実に給付減と負担増が目白押しです。代表質問で、ほとんどの党がこれに同調し、国民民主の玉木氏は高額療養費の70歳以上の外来医療の自己負担を抑える外来特例の廃止を要求。みらいの高山氏は高齢者の医療費の窓口負担3割への引き上げを求め、維新の中司氏は、OTC類似薬の患者負担増などの具体的な道筋を描いてきたと誇りました。代表質問を通じて、負担増の撤回と社会保障の拡充を正面から求める日本共産党の役割が鮮明となりました。

 小池氏は、高額療養費の自己負担月額上限引き上げについて、政府が「現役世代の負担軽減」のためにとしていることについて、政府案による保険料軽減は1人当たり月116円である一方、月収20万円の患者負担は月1万2000円も増えると指摘。「重い症状に苦しみ、病気で仕事ができず、ギリギリの生活を強いられているうえに、負担増の追い打ちをかけていいと考えているのか」と迫りました。高市首相自ら、25年10月の自民党総裁選でメディアのアンケートに「患者負担上限額を引き上げるべきではない」と回答していたと指摘し、「その回答にも反する負担増案は撤回すべきだ」と求めました。

 高市首相は「持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指して見直す」と述べ、負担増案の撤回要求に背を向けました。

 政府はOTC類似薬の薬剤費の25%を患者に追加負担させる制度を創設しようとしています。小池氏は、現役世代の場合、3割だった薬剤費の自己負担が実質5割負担になると指摘。健康保険法の2002年改定付則は「7割給付を将来にわたって維持する」とし、当時の厚生労働相も「自己負担は3割が一つの限界」と答えていたことを示し、「現行法にも国会答弁にも反する改悪案は、撤回すべきだ」と求めました。

 高市首相は、現行法と当時の国会答弁に反するとの指摘に答えませんでした。

 小池氏は、高市首相が施政方針演説で「裁量労働制の見直し」を表明したが、裁量労働制の対象拡大は「『定額働かせ放題』とも言われる賃下げ政策だ」と批判。裁量労働制は実際に働いた時間と関係なく一定の時間働いたと「みなす」もので、厚労省の調査でも裁量労働制で働く労働者は一般労働者に比べて長時間労働となり、過労死の温床となっていると指摘。「裁量労働制の拡大は、政府の過労死ゼロ・労働時間短縮の方針と矛盾する」と迫り、裁量労働制の拡大ではなく、「政治が実現すべきは大幅賃上げと労働時間短縮だ」と主張しました。

沖縄基地
米国いいなり「思考停止」
共産 自主自立の外交こそ

 衆参両院の本会議で与野党の代表質問が3日間行われましたが、アメリカ言いなりの安保・外交の問題や沖縄の基地問題をとりあげたのは日本共産党だけでした。「日米同盟絶対」の思考停止が極まる中、沖縄県民の「辺野古新基地反対」の声を届ける共産党の役割が重要となっています。

 小池氏は26日の参院本会議で、米国防総省が、沖縄県名護市辺野古の新基地が完成しても別の長い滑走路を選定するまでは普天間基地(同県宜野湾市)は返還されないとの見解を示したのは「基地に苦しむ住民を愚弄(ぐろう)する許しがたい見解だ」と批判。「住民を不安に陥れる米国政府に高市政権は抗議しないのか」とただしました。高市首相は「(普天間基地が)返還されないことは全く想定していない。辺野古移設が唯一の解決策であり、工事を進める」と強弁しました。

 小池氏は、問題の根底には政府が13年に発表した「沖縄統合計画」があると指摘。同計画で普天間基地の返還条件に「辺野古で確保されない長い滑走路を持つ民間施設の使用の改善」が盛り込まれ、那覇空港などが選定される恐れがあるとし、「なぜ普天間基地の返還と引き換えに、戦火を呼びこむ空港の軍事利用を押しつけられるのか。不当な返還条件は米政府に返上すべきだ」と強調しました。辺野古新基地建設を撤回し、普天間基地の無条件撤去を求めました。

 また、高市首相が日米同盟を基軸に「自由、民主主義、人権、法の支配」といった原則を共有する国と連携すると述べる一方で、トランプ米大統領は「私に国際法は必要ない」と言い、ベネズエラ侵略やグリーンランド領有宣言などを繰り返していると指摘。「なぜこうした無法な行為を一言も批判しないのか」と追及し、「トランプ政権言いなりに日米の軍事一体化と大軍拡を進めるのではなく、自主自立の外交への転換こそ必要だ」と訴えました。