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2026年2月27日

主張

米一般教書演説
イラン攻撃は正当化できない

 トランプ米大統領が連邦議会の上下両院合同会議で、2期目初の一般教書演説を行いました。演説は2時間弱におよび、大半は11月に控える中間選挙をにらんだ実績・経済対策アピールと、野党民主党の批判にあてられました。

 外交政策への言及はわずかでした。ただ、米軍が現在、中東に空母2隻を含む大規模戦力を集結させるイラン情勢を念頭に、「どこであれ、米国への脅威に立ち向かうのを決して躊躇(ちゅうちょ)しない」と好戦的な姿勢を打ち出しました。

 一片の道理もない主張を並べ、この政権が再びイランへの軍事攻撃に踏み切る露払いではないか、との疑念を呼び起こすものでした。

■武力では解決せず

 トランプ氏は、核開発をめぐってイランと交渉中だとして「外交による問題解決が私の望みだ」と述べました。一方、「世界一のテロ支援国家が核兵器を保有することは決して許さない」と強調し、イランが譲歩しない場合の軍事行動を改めて示唆しました。

 イラン政権が国内で多数のデモ参加者を殺害したり、米国にまで到達するミサイル開発を進めたりしている、とも主張しました。

 26日のスイス・ジュネーブでの米・イラン間の高官協議の成り行き次第で、米側が軍事攻撃に着手するとの観測が出ています。しかし、トランプ氏が演説であげたものは、いずれも武力行使を正当化する根拠とはなりえません。

 昨年6月にイスラエルが始めたイランへの国際法違反の先制攻撃に乗じ、トランプ氏は交渉を打ち切ってイランの核施設3カ所を空爆しました。その際は同国の核計画を「完全破壊した」と問題を解決したかのような言説を振りまきました。しかし、半年足らずで再び核能力の放棄を求めるのは、自らの空爆の無益さを認めるようなものです。

 米シンクタンクの軍備管理協会が最近の声明で指摘するように、たとえ「限定的」であれ米国のイラン再攻撃は紛争の拡大や長期化につながる危険があります。また、核兵器がなければ米国の攻撃から国が守れないとイラン指導者に確信させ、逆に核拡散を招く可能性すらあります。

 トランプ氏は、軍事攻撃で核開発を止めることなどできないと理解すべきです。軍事力で脅して屈服を迫るやり方はただちにやめるべきです。

■軍事力行使に傾く

 演説は、トランプ氏が1年を経て軍事力行使に、より積極的な姿勢に傾いてきたことも如実に示しました。

 昨年1月の就任演説では自らを「調停者」と位置付け、米国自ら紛争へ介入するよりも、停戦へ関与する意向を強調していました。今回は「可能な場合に平和を追求する」と述べるにとどまりました。

 この政権が軍事攻撃を行った国は1年で中東・アフリカなど計7カ国です。南米ベネズエラに対する1月の軍事作戦も、トランプ氏は「米国の安全保障にとって巨大な勝利」だと称賛しました。

 同氏の「力による平和」が強者にだけ都合の良い「平和」であることは明らかです。大国の力の横暴にどう対処するのか、日本を含む国際社会の知恵と覚悟が必要です。